職場で濡れ衣を着せられた彼女はどう対応したのか

    あるレストランのキッチンで、何人かのスタッフが興奮しながら話しをしていました。

    皆がリン・インを見る中、「彼女の携帯は返してあげた方がいいわよ」、と誰かが言いました。

「彼女の携帯なんて見てないし、まして盗むなんて」、と直ぐにリン・インは応えました。「見つけてたら間違いなく彼女に返しているわ。」

「私の携帯を見つけたのは分かってるのよ。私に返したくないだけなんでしょ。まあとにかく、安物だけどね」、とフウは皮肉を込めて言いました。

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    リン・インは彼女の言葉を聞いてとても憤慨しました。これがその経緯です:昨晩、フウはカフェテリアに夕食を食べに来ました。彼女はそこを出た後すぐに自分の携帯電話を探しに戻ってきて、リン・インにそれを見なかったかどうかと聞きました。リン・インは首を振ってこう言いました、「あなたの携帯電話は見てないわ。」翌日の午後、気になった彼女はフウに携帯電話が見つかったのかどうかを尋ねました。意外にも、フウの表情は暗くなり、彼女は激しくこう言いました、「昨日、夕食を最後に食べのは私だったけど、その時カフェテリアにいたのはあなたと私だけだったわ。あなたが私の携帯電話を盗んだに違いないわ。」フウの言葉を受けて、そこにいたスタッフたちの間で議論が起きました。その時、リン・インはとても恥ずかしくなり、説明をし続けましたが、フウは彼女の説明を無視して、リン・インが彼女の携帯を盗んだと抗議しました。フウの行動、特に彼女の皮肉な口調がリン・インを怒りでいっぱいにしました。彼女はこう思いました:「どうして彼女は何の証拠もなしに私が彼女の携帯電話を盗んだなんて言いきって、皆の前で私の悪口を言えるの?私を侮辱しているだけだわ。皆の前で堂々としていられなくなるじゃない。」彼女はこう考えれば考えるほど、増々不当な扱いを受けた気分になり、心配が募っていきました。「私は同僚たちから今までずっと良く思われていたのに。今日、私は不当に責められて評判が傷ついてしまったわ。こんなの我慢できない。」フウと言い合っても無駄だと気が付いた彼女は反論する気がなくなりました。なぜなら、昨日カフェテリアにいたのは彼女とフウだけで、彼女の潔白を明らかにできる人はいなかったからです。その瞬間、リン・インはどのように説明しても誰も信じてくれないと感じ、完全に絶望してしまいました。もっともな理由もなく盗人としての汚名を着せられてしまったと考えると、彼女はそれが耐えられませんでした。

     彼女はフウと口論しようとしたその時、こう考え直しました、「神は私たち信者に困難に遭遇する時は自分勝手に腹を立てるのではなく、寛大さと辛抱強さを示し、そして神の前では静まることを教えてくださっているわ。このような事態が起こったのは偶然なことではないのだから、私は先ずクリスチャンとして神の御心を求めるべきだわ。」こう考えたリン・インは少し落ち着いて、神にこう祈りました、「ああ、神様!フウは私が彼女の携帯電話を盗んだと言って私を不当に扱っています。私がやっていないことを知っているのはあなたのみです。今私はとても惨めで憤慨しています。しかし、この状況にもあなたの御旨があることは分かっております。私は何の教訓を学ぶべきなのでしょうか?どうか御啓きと御指導をお与えください。」こう祈りを捧げた後、神の御言葉のある節が私の頭に浮かびました:「神が人々に対して行う働きのあらゆる段階で、物事があたかも人の手配で生まれたかのようであり、あるいは人の干渉から生まれたかのようであり、外面的には人々の間の相互作用のように見えるかもしれないが、舞台裏では、働きのあらゆる段階、起こるすべてのことは、神の面前でサタンが作った賭けの対象であり、人々は、神に対する証しにしっかりと立つことが要求される。ヨブが試練に会った時のことを例にとってみよう。秘かにサタンは神と賭けをしており、ヨブに起こったことは人間の行為であり、人間による干渉であった。…あなたの心の中に戦いがある時、あなたの実際の協力と実際の苦しみのおかげで、神はあなたの中で働く。結局、心の中であなたは問題を脇にどけておくことができ、怒りは当然消滅する。それが、あなたが神に協力した結果である。…人々にすべてが起こるのは、彼らが神に対する証しに固く立つことを神が必要とする時である。当面、あなたには重要なことは何も起こっていないし、あなたは重大な証しはしていないが、あなたの毎日の生活の詳細はすべて神への証しに関連している。」 神の御言葉を受け、リン・インの心が晴れました。彼女は、「表面的には、私が他人から誤解されているように見えていても、それは霊的世界におけるサタンの神に対する賭けなのです。神は私が肉を頼りにしてこの事態に対応するのではなく、神の御言葉に従って行動し、神のために証を立てることを望んでおられるのです」、ということを知りました。ヨブは所有物と子供たちを失い、3人の友人たちから誤解を受けた時、肉に頼って彼らに対応しようとはせず、神の前で静まり、一言も不平をこぼさず神に服従し、変わらず神の御名を讃えました。彼は神に対する真の敬虔の心と従順によってサタンに打ち勝ち、神の証を立て、神に認めていただいたのです。こう考えたリン・インは自分が遭遇した出来事もサタンの彼女に対する誘惑であったことに気が付きました。サタンは彼女の評判を傷つけるためにそれを使い、彼女を怒らせ、「進んで働く馬には、だれでも重荷を背負わせる」や「目には目を歯には歯を」といったサタンの哲学に従って行動させようとしたのです。サタンの最終的な目標は神の御名を汚すことを彼女にやらせることでした。サタンの策略を見抜いたリン・インは自分の肉に従って行動するのではなく、自分の面目を脇に置いてクリスチャンらしさを貫く決心をしました。

     そして、リン・インはある姉妹の体験を思い出しました:この姉妹は一度ガチョウを食べようとして殺したことがありました。彼女の隣人は偶然にもガチョウを失っていたのです。彼女の隣人はガチョウを探しに姉妹の家に行きました。地面にあった羽根とフライパンの中のガチョウを見た彼女は、姉妹がガチョウを盗んだと言って姉妹を不当に責めました。彼女は神に祈りを捧げ、神の御心を探求した結果、隣人と口論はせずに、神の御言葉に従って行動しました。彼女は隣人にこう言いました、「ガチョウの準備ができたら、お宅に持っていくわ。」隣人が驚いたことに、彼女のガチョウは翌日見つかりました。この出来事を受けて、姉妹の隣人たちは彼女の貫いたことに感心しました。この姉妹の体験について考えていると、リン・インは強く励まされてこう思いました:「神は義であられ、全てを見ておられる。他人がどのように私のことを誤解しようと、真実はいつか明らかにされるわ。今、神はこの状況に対する私の対応を見ておられるんだわ。」その時、彼女は家に予備の携帯電話があることを思い出し、それはフウにあげることにしました。

      そして、リン・インは勇気を出してフウにこう言いました、「家で使ってない携帯電話があるから、使ってもいいよ。」

     フウは失礼にこう言いました、「最初からこうしてればいいのに。新しいSIMカードを買うわ。」

     仕事からの帰宅途中、リン・インは路上の騒音に気を取られていました。フウの攻撃的な態度が頭の中に繰り返し浮かぶ中、彼女は心が揺れ動き始めました:「私はなんて馬鹿だったの?彼女に携帯電話をあげるなんて言わなきゃよかったわ。同僚たちに私が本当に彼女の携帯電話を盗んだって思われるじゃない。そうしたら彼女たちに合わせる顔がないわ。仕事をクビにもなりかねない。でももう言ってしまったことだから、後悔しても手遅れだわ。私はどうするべきなのかしら?」リン・インは恥ずかしくなってしまいました。

      帰宅したリン・インは憤慨、不満、そしてこの事態の内容を夫にぶちまけました。彼女の話を聞いた夫はこう言いました、「お前は神の御言葉と姉妹の体験を覚えていたんだから、神は義であって、全てを見ておられると信じるべきだよ。他の人たちからどう思われても、私たちは神の御言葉通りに行動して、携帯電話を彼女にあげるべきだよ。」夫の言葉を聞いた後、リン・インは神が彼を使って慰めと勇気を与えてくださっていると分かり、少し安心し、神の御言葉に従って行動して神の証を立てる信念と力を持ちました。しかし、彼女は未だに困惑していました:「あの姉妹は隣人から不当な扱いを受けた時、どうやっていとも簡単に面目を脇においてその状況を受け入れることができたのかしら?どうして私は似たような状況で面目を脇において神の御言葉に従って行動するのがこんなに大変なのかしら?私は一体何に束縛されているのかしら?」

      そして、リン・インは祈りを捧げる中で問題の根源を探求しました。その後、彼女は『いのちの入りについての説教および交流』の中で次の節を読みました、「人間はどうして虚栄心、地位、面目に束縛されているのか。それは人間は人生の中でサタンの毒に汚染されているからである。サタンの哲学の中に、’木は樹皮のために生き、人間は面目のために生きる’ というものがあります。人間は名声を必要とするので、面目を失うことより恥ずかしいことはないのです。しかし、人間が本当に恥をかき、恥をさらしながら生きるようにさせるもの、そして人間にとって最も耐え難いものとは正確にいうと何なのでしょう?(真理を持っていないこと)いいえ、それは人間が悪事を働くこと、ですよね?例えば、あなたは良いことをしたので打ちのめされました。これは恥ずかしいことですか?いいえ、これは恥ずかしいこととして捉えるべきではありません、なぜならあなたは愚かなことや、恥じるべきことは何もしていないからです。他の人から何かを、または大金を盗んで捕まりました。これは恥ずかしいことですか?その通りです。これは非難されるべきことですから、大きな恥辱であり、恥ずかし過ぎて生きて行きていけないとすら感じるべきです。そして、あなたはこのような恥じるべきことは犯していないのに、どうして面目を失ったとか、恥じをさらしたと感じるのですか?私たちは肯定的なことを行っているのに、邪悪な者に中傷され、非難され、もしくは迫害されたからといって、心の中で恥じを感じるべきでしょうか?いいえ。私たちは自信と誇りを感じ、そうすることを決して恐れるべきではありません。。。あなたは真理に集中し、真理に服従ことを学ぶべきです。面目と虚栄心は肯定的なことでなければ、真理の実相でもありません。これ故、それに注意を払う意味がないのです。それを脇に置くことは大切なことだと思いませんか?どのような恥ずかしい思いをしても、真理に注意を払っている限り、あなたはそれを乗り切ることができます。それは一時的な苦しみに過ぎず、永遠に続くものではありません。正しく対応している限り、問題はないでしょう。」

     この御言葉から、リン・インはこう気が付きました:「私は ‘木は樹皮ために生き、人間は面目のために生きる’ というサタンの思考と観念の影響を受けていたため、評判と面目を気にし過ぎ、自分の評判が傷つけられることを恐れていました。私はフウの携帯電話を盗んだと不当に非難された時、面目を失い評判が傷つけられたと感じていました。自分のイメージを維持したかった私は、自分の潔白を明らかにしようとフウと口論することを望んだのです。神は全てを見てくださっておられるし、私は彼らと口論する必要はないとはっきり分かっていましたが、フウに誤解され、自分の評判と良いイメージが破壊されたことを考えると、私は恥ずかし過ぎて人に合わせる顔がないと感じてしまい、心が悲しみでいっぱいになりました。私がこんなに疲れて生活している理由は、自分の無価値な面目と他人の意見を気にし過ぎていたことが理由であったと分かりました。実際、サタンに深刻に堕落させられている創造物である私は単なる埃に過ぎず、取り立てて言うほどの名誉などないのです。私が人の心の中でどのように思われているかを気にするなんて、不合理なことだと思いませんか?実に、面目は肯定的なことでなく、面目と虚栄心のために生きることには何の価値も意味もないのです。」こう考えたリン・インは啓発された気分になりました。

    そして、リン・インは神の御言葉のこの節を読みました:「つまり、それまでの誉れ高い地位と身分にも関わらず、ヨブはそれらのものには全く無関心なのである。地位を周囲がどう見るかなど気にしておらず、自分の行動や振る舞いが地位や立場に影響するかどうかなど心配することはなかった。富や地位に溺れたり、その立場や地位からくる栄光を楽しんだりすることもしなかった。ヨブの心にあったのは、ひたすらヤーウェ神の目に叶う生き方をすることであった。」 神の御言葉から、リン・インは次のことを知りました:「ヨブは全身が腫れ上がる皮膚病によって試された時、彼の3人の友人は彼は神を怒らせたのだと思いました。しかし、ヨブは自分の面目と虚栄心を守ろうとして彼らを避けはせず、灰の中に座りながら素焼きのかけらで自らの腫れ上がった皮膚をかきむしりました。他人から何を言われて、どのように笑われても、彼は全く気にしませんでした。」彼は自分の面目のために生きたのではなく、むしろ神を満足させるため、そして神を畏れ、悪を避ける道を歩むために生き、こうすることで気楽に、自由に生きたのです。ついに、リン・インはこう理解しました:「私たちが出来事に遭遇する時、人々が何を言おうと、私たちのことをどう思おうと関係ないのです。最も大切なのは私たちが神を満足させるために真理を実践できるということです。そのように行動する時に限って、私たちは本当に心の中で喜びと平安を持つことができるのです。私は何の悪事も働いていないので、何も恐れることは無いのです。私がフウに携帯電話をあげたからと言って他の人から非難されるとしても、それは私にとっては不名誉なことではないのです。」神の御心を理解した後、リン・インは神に祈りを捧げ、決然と携帯電話をハンドバッグに入れました。

濡れ衣を着せられた彼女はどう対応したのか-2

無実の罪,祈り,神の愛
    翌日、リン・インは笑顔でレストランに行きました。彼女がフウに携帯電話を手渡すと、彼女の同僚は悪口を言い始めました。その1人が皮肉を込めてフウにこう言いました、「これはあなたが失くした同じ携帯の色違いだわ。彼女はあなたの携帯を返すのが恥ずかしいから、代わりに同じやつの色違いを持ってきたのかもね。」他の同僚がリン・インにこう言いました、「リン叔母さん、彼女の携帯電話を盗んでいないなら、彼女に携帯電話なんてあげなくていいじゃない。これで他の人は間違いなく叔母さんが彼女の携帯電話を盗んだ盗人だって思うわよ。」リン・インはこの言葉に動揺せず、落ち着いてこう言いました、「好きなように言えばいいわ。彼女たちの勝手よ。」とても落ち着いた様子の彼女の様子を見た同僚たちの中には驚き、困惑し、笑う人もいましたが、彼女を称賛する人もいました。しかし、リン・インは自分が馬鹿なことをしているのではなく、神の御言葉に従って真理を実践していると認識していました。彼女は同僚たちから誤解されていましたが、神の御啓示と御指導を受け、最も貴重な真理をいくつか理解したのです。

   その後、フウの携帯電話は5階のカフェテリアにあるソファの下で見つかりました。真実が明らかになり、リン・インの無罪が証明されました。その瞬間、フウは悪事が明らかになって恥じをかき、他の同僚たちはこれに唖然としました。これを知ったリン・インは感極まって涙を流し、これが全て神の御業であったのだと分かった彼女は感謝の気持で胸がいっぱいになり、神を讃えました。神は、面目を守るために同僚と口論するのではなく、サタンの策略を見抜き、神の御要求に従って行動するよう彼女を導いてくださったのです。

    その後、リン・インは上司から認められ、信頼されるようになりました。そしてレストランの会計業務が彼女に任されました。リン・インは、神の御言葉が彼女を御導きくださり、彼女が人間らしさを貫いて上司の信頼を得られるようにしてくださったことを知ったのです。

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