2021.8.11. 題名のない涙の詩

なぜ涙がこぼれるのでしょう


なぜ


涙がこぼれ墜ちるのでしょう


静かな世界で
涙が零れ
床に落ちた時の音は
どうして聞こえないのでしょう


なぜ


涙を見せぬように
生きてしまうのでしょう


なぜ


息がこんなにも詰まるのでしょう
なぜ
こんなにも悲しいのでしょう
なぜ
こんなにも苦しいのでしょう
なぜ
こんなにも痛いのでしょう
なぜこんなにも傷つくのでしょう


なぜ


自然と


涙がこぼれ墜ちたのでしょう


なぜ


私の身体は


動かないのでしょう


冬の冷たい空気が


不思議と恋しい


視界が歪む悲しげな心を


誰かに満たされることを望む
強欲さに苦しむ


苦しみは新たな苦しみへの道標
深い疲れは死への沈降
希死念慮は強欲と憤懣
帰責の果てはつらくなるだけ
自分だけで浮き上がる力を
私は私に祈るのだ

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