【ゲーム】岩倉アリアのプレイ感想
製品情報
対応プラットフォーム:Nintendo Switch / Nintendo Switch Lite
ジャンル:リアルファンタジー・サスペンスアドベンチャー
発売日:2024年6月27日
プレイ人数:1人
レーティング:CERO C
一九六六年、夏。少女の運命を変える、出会い。
拝聴しているゲーム系ポッドキャストで「岩倉アリア」「リアルファンタジー・サスペンスアドベンチャー」「スタッフがユーザーからの質問に公式Xで答えている」という情報を聴き、聞き慣れないジャンルと公式さんの姿勢が面白いなと興味を引かれ、どんなゲームなのか興味本位で検索してみたところ、イラストレーター・100年さんが描くメインビジュアルが目に飛び込んで来て、一気にその世界観に引き込まれてしまった。
艶やかな黒髪、白磁のような肌、淡く色づく頬、バラ色の唇。長いまつ毛に縁どられた瞳は、琥珀のような色彩を持つ。美しいという形容では足りないくらいの美しさを持つ少女が、真っ直ぐにこちらを見つめてくる――。
この時点で、自分はもう「岩倉アリア」という少女に、彼女が存在する世界に魅了されてしまっていた。
恥ずかしながら、ゲームが発売する直前くらいまで、製作会社があの「シュタインズ・ゲート」を製作した会社だとは知らずにいた。いつかプレイしたいと思いつつプレイ出来ていないゲームではあるが、記憶を消してもう一度プレイしたいゲームという評判をどこかで見た記憶があったので、それだけでもう信頼に足るゲームだな、という印象。
また、発売前に配信された体験版でも、丁寧なつくりがされているゲームだということが感じられて、信頼感がより強固なものになった。体験版配信は、本当にありがたい。
※以下、ゲーム内容のネタバレを含みます。
ひょんなことからお金持ちの紳士に絵の才能を見出され、彼の邸宅で女中として働くことになった北川壱子。その紳士、岩倉周(あまね)の娘であるアリアと出会うことで、壱子と、そしてアリアの運命が動き出すことになる。
公式プロモーションや体験版で、周やアリアに感じる「ちょっと違う空気」が、セレブと一般人の違いによるものだけではないということは分かっていたが、思っていた以上にアリアが背負っているものが重く、それ故に、始めは「蝶よ花よと育てられてきたお嬢様」かと思っていた少女が、崇高で尊い存在であると徐々に感じるようになっていった。
ゲーム中で壱子が取る行動によってエンディングは分岐していくのだが、年齢を重ねた壱子が落ちぶれていたり、見かけ上は幸せな家庭を築いたものの心の奥に闇を抱えていたり、アリアはアリアで己の役目に殉じてしまったり――と、到底ハッピーエンドと呼べるものではなく、懸命に自分達が置かれた立場に足掻き続けた少女たちを、その結末で終わらせるのは忍びなく、気づけば彼女たちの幸せを求めて何度も選択肢の前に立ち戻り、夢中でシナリオを追っていた。
また、フルボイスということもあり、声優さんたちの演技によって、より没入感が増したと思う。少年期から老年期まで同じ声優さんが演じられているのもすごい。そして、やっぱりというか何というか、岩倉周役の森川さんのラスボス感が半端なかった。立ち絵は同じものを使っているのに、声の演じ分けだけで印象がガラリと変わる。
物語が進むにつれて、アリアが美しく崇高なものであると感じるのに反比例して、周は気味が悪く、醜悪なモノだと感じるようになっていった。
結構、庭師も気になっている。彼がどういった経緯であの立場に収まり、何を考えていたのか、もっと知りたい。アリアのことを大切に思っているのは間違いないし、悪い人ではないことは分かるのだけれど……。公式さん、宗助の補足ストーリーもっとお願いします。サイドストーリー1個と言わず……。
あと、体験版をプレイした時からスイちゃんが気になっていたのだけれど、まさかのスイちゃんルートがあったのにはびっくりした。唯一の癒し要因~とは思っていたけれど、これは予想外だった。スイちゃんルート、本当にありがとうございます(平伏)
ちなみに、物語の中で「練り香水」が出てくるシーンがあるのだけれど、ゲームきっかけで気になって買ってみた。『岩倉アリア』に現実が影響を受けている……。アリアお嬢様が壱子に作ってあげた練り香水を、グッズとして出しませんか公式さん?