通過儀礼は贅沢?そして贅沢こそ素敵

序段・大学進学は贅沢行為

大卒者・学士以上の学位を持ったnote界隈の方々からすれば信じ難い事実だろうが、本朝には「一族ほとんど高卒以下」という家系が一定数存在している。

自分の父方がそうだった。
大学院まで行った兄と大学に進学する自分に対する、まるで異物を見るかの如き彼らの視線は、月日が経った現在でも鮮明に覚えている。

それ故に、兄は全く父方に関わろうとはしない。
「学問に対する偏見はわかる。日本じゃ人文系とやらが大暴れしているようだしね。でも、偏見だけじゃ進歩しないよ。」

同時に、兄は親戚連中から庇い続けた親父にも感謝している。
だから、今でもせっせと稼ぎの一部を送ってくる。

だが最近、親戚連中を笑えるのか?とも思い始めている。
大卒者のいない一族では今でも、この考えで凝り固まっている。

贅沢行為その①結婚

インターネットスラム街ことTwitterには一つのの犯罪行為が存在するようだ。その名も事実陳列罪という。

事実が猥褻物と同等の扱いなんて酷いじゃないかとお嘆きの人もおおいが、事実というのはかくも残酷であるというのがわかれば、そりゃモザイク入れたくもなります。

失われたN年とやらの一実相。

贅沢行為②妊娠出産

さて、無事に結婚を済ませた所で、今度は妊娠出産という壁が立ちはだかります。
日本は古来から続く家制度があるので非嫡出子を極端に嫌います。
古来より出産というのは危険を伴う行為です、その為に他医療科より訴訟沙汰が多いです。
また、意識の高い方々は「女性の産婦人科専門医じゃないとダメ!」と言い切りますが、ただでさえ医師不足な上に産婦人科専門医はその訴訟や揉め事の多さからなり手すら減少の一途です。
そして、救急医療機関並みに労働環境はブラックと来ています。

結果的に、「女性の産婦人科専門医」というのは稀少価値化しています。

医者だって人間です。少しでも労働環境の良い現場に移籍するのは当たり前です、ましてや医師国家試験合格者という価値が黄金の資格なんですから。

医師が定着しない東北の某村に向かって「これだから因習だらけの田舎はダメなんだ」とせせら笑う都市部のリベラルレディの方々は、果たして東北の某村の村民を笑えるほどお上品なんでしょうかね。という皮肉も言いたくなります。

贅沢行為③子育て

妊娠出産から子育てに移っていくのですが、ここでも現実は非情です。

育休制度というのは大企業ほど充実しています。中には男性社員の育休制度を充実させようという企業も少なくありませんが、その大半は東証一部上場企業(≒大企業)です。

ところが、大企業というのは「儲けに対してもシビア」です。
当然、育休中の社員を他人がカバーするのですが、大半は同じ社の独身社員にしわ寄せが行き、それでも吸収しきれない場合は子会社や下請企業に向かいます。

で、大企業より給与水準が低い子会社や下請企業の社員は大半が独身だったりする。
これは断言しても良いくらいです。

えげつない表現をすると、「キャピタリスティック・ソーシャル・ダーウィニズム」でしょうね。


④他人の贅沢を嫉妬するの、もう止めないか?

最も、自分は①にすらたどり着けなかった。
何故なら、相手の女性候補から「貴方の遺伝子は欠陥品」と言われたから。それも一度だけではなく、二度も。

その言葉は自分の中で呪いとなって一生つきまとい続けるだろう。
でも、「親ガチャ」なんて言葉がある通り、親ってのは選べないんですよ。

我々はこのN年の間ずっと、「無駄」と称して他人の余裕を奪い続けてきた。その結果が持続可能性がない社会、若者が結婚して妊娠出産を経て子育てするのが困難な社会の誕生である。

いい加減、他人の贅沢を嫉妬して、無駄と称して削るのを良しとするのは止めましょう。

「贅沢は敵だ」ではありません、「贅沢は(持続可能性ある)素敵な行為」なのです。


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