ここ一週間、罪の意識に苛まれている。どうしてあんなことを言ってしまったんだろうか。後悔してもしきれない。

先週末、母親と愛犬とドッグランに行った。そのドッグランのオーナーさんがインスタで、ここ最近白と茶色のラブラドールの子犬が入会したことを報告していたので、会えたらいいなぁと話しながら向かった。

到着するとすぐに白い子犬のラブラドールが遊んでいるのが目に入り大変喜んだ。オーナーさんに許可をとって触らせてもらったり、遊ばせてもらったりした。大型犬の子犬は、すぐに大きくなってしまうので希少性が高く、本当にかわいい。会えたのは幸運だった。

その子が帰ってしまってからは川で遊んだ。山の中にあるドッグランで、上流の綺麗な水が流れる川が近くにあるので夏場はそこで遊ぶ。黒い大型犬が川から這い出てくる様はカバのようで恐ろしい。這い出てきて真っ直ぐこちらに突っ込んでくる。ぜんぜんかわいくない。でも楽しそう。

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川遊びを終えると、ドッグランの場内に茶色いラブラドールの子犬が目に入った。茶色い方の子犬が、川遊びをしている最中に遊びにきたのだ。まさか噂の両方の子犬に会えると思っていなかった自分はテンションが上がり、少し遠くにいた母親に向かって

「茶色いのが来てる!」

と呼びかけた。すると周りにいた他の犬のオーナーさんがこちらを振り向いた。怪訝な顔をしているように見えた。ちょっと声が大きかったかな、と恥ずかしさを感じたがそんなことに構っていられない。茶色い子犬にも会えたのだから。

先ほどと同じように散々触らせてもらったり、遊ばせてもらってから帰路についた。どちらか一方だけにでも会えたらいいなぁと思っていたところ、両方に会えたので大満足だった。

翌日ドッグランのオーナーさんのインスタをチェックしてみると、やはり白と茶色の子犬の動画が上がっていた。いっしょに以下のような文言も上がっていた。

「最近、マナーの悪いお客様が増えています。来場くださる全ての方に快適に過ごしていただくため、そのようなお客様の入場をお断りさせていただくことがございます。ご了承ください。」

自分の言動を省みる。そういえば昨日、怪訝な顔を向けられた。騒ぎすぎたかな、とも考えたがそこまで大声を出し散らかしていたわけでもない。一度だけ、少し遠くにいる母親に声をかけただけだ。あれだけで迷惑行為になるとは思えない。

言葉の内容を思い出す。「茶色いの」。これがいけなかったか。確かに、道端でいきなり「そこの、ジーパン履いてるの」とか自分が言われたらいい気分はしない。ここでの「の」は「人」の簡易的言い換えで非礼にあたるが、自分が昨日発した「の」は決して「犬」の言い換えではない。白い子犬と茶色い子犬が出没するという前情報があり、すでに白い子犬とは遭遇している。白い子犬ではなく、「茶色い方」という意味で「茶色いの」と表現した。しかし直前に白い子犬が来ていたことを知らない人は、自分のことを、犬のことを「の」呼ばわりする人間だと判断するかもしれない。わざわざドッグランに犬を連れてくるような愛犬家にとって、犬をそのようにぞんざいに扱うことは許せないだろう。マナー違反をしているとタレ込まれても仕方ない。

ドッグランのオーナーさんの警鐘が自分に向けられているとは限らないが、タイミング的にどうしても気にしてしまう。次回から入場を断られたらどうしよう。自分だけならまだしも、母親と愛犬も同じ憂き目にあったらと思うと申し訳なくてしょうがない。

スーツ着て菓子折り片手に謝罪に行こう。「の」って言ってすいませんでした。犬を下に見ているとかそのような意識は一切ございません。しかし誤解させてしまうような発言によって他の方々に不快な思いをさせてしまいました。本当に申し訳ございませんでした。反省しております。ですから、また川遊びさせてください。お願いします。

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