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グッドモーニング インディア

少し前に「ニハリ」というものを探求しに南インドから北インドを旅した。一晩かけて煮込んだスパイシーでオイリーなヤギ汁には衝撃を受けた。相当な力仕事か、相当に飲み明かした人たちが食べるような味わいであった。インドの朝ごはんをこんなにも深掘りしたことは今までなかったのでないだろうか。



私のルーツである西インドではチャイとカークラなどといった豆や小麦であらかじめ作ってあるビスケットのようなものを食べていたような気がする。南インドにいた学生時代はイドゥリといった米と豆をペーストにして発酵させたものを蒸して作ったものをサンバルといった豆と野菜がたっぷり入ったトマトカレーとココナッツやコリアンダーリーフなどで作ったソースのようなチャツネというものをよく食べていた。ドーサといったこれも米と豆でできているのだが、1枚1枚クレープのように焼いていくので手間がかかるといって学校ではあまり食べることがなかった。このドーサにジャガイモをスパイスで味付けしたものを挟んだマサラドーサというのは美味しいのである。


振り返って思い返してみるとインドの朝ごはんというのは結構充実している。ホテルなどに滞在した時は南国のフルーツが山盛り食べられるし、スパイスを入れたオムレツなどもとても美味しい。私は卵が好きなので、路上で朝早くから卵を使った何かを作っていたらホテルでは朝食はとらず、路上に繰り出すのが好きである。タージマハルがあるアグラの町ではチャパティといった小麦の全粒粉を水で練って伸ばした平たいパンを膨らまし膨張した所に切り込みを入れて、溶いた卵を流し込む、さらに両面を焼いてパサっと皿に放り込まれその熱々の溶き卵いりチャパティを食べる。南インドの大都市チェンナイではドーサの上に卵を落とし両面を焼いたものにトマトとコリアンダーのチャツネを添えて食べる。どちらもとても美味しかった。そして路上で作っているものを見るのも楽しいが、その間にチャイを飲むのが朝の至福の時間なのである。南インドではしばしばチャイか甘いミルクコーヒーに変わる。チャイをすすりながら華麗な手さばきで朝食を次から次へと作っていく職人たちを見るのが楽しい。



インドの真ん中くらいにあるセワグラムという町に滞在した時は毎朝4時過ぎに起き暗闇の中、はるか彼方に見えるランプの灯りのもとにテクテクと歩いていった。老夫婦が作るチャイをすすりながらあたりが明るくなっていくのが最高の朝ごはんだったような気がする。



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