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ポケットから始まるスパイスの話。

胸ポケットに入るスパイスキットを作りました。

40年近く前から作っているカレーブックの小さいサイズで「ポケット版」

作ったのはバターチキンカレーができるスパイスキット。開くと左側にアーモンドフレークが入っていて右側にスパイスミックスとカスーリメティが入っている。あらかじめ鶏肉をスパイスミックス、アーモンド、ヨーグルトでマリネしておき後は手順通りに作ればものの2、30分で出来上がるのでとても簡単です。

なかなか美味しいものが出来上がったので多分ファンが結構できてそのうち胸ポケットにハンカチがわりに入れる人が増えてくるだろう。
そうすると挨拶がわりのバターチキンができるのである。

「お、バターチキンですか。あなたも好きですねぇ」

「今度美味しい店にでも一緒に行きましょうよ。」

とこんな風に会話が弾むのである。

「私は蜂蜜を隠し味に入れてるんですよ。」

「ほほう。それは良いですねぇ」

「やっぱりカスーリメティはもんで入れたほうが香りが立ちますねぇ」

などと深い話もできる。

話はどんどんと深みを増し「カスーリメティ」はなぜ入れるのか。という話題になる。

まあちょっとメティの話でもと話し始める。ここでヤカンでお湯を沸かし始め、バターチキンを作っているのであれば煮込み始めるのが良いであろう。

カスーリメティはフェヌグリークというスパイスの葉を乾燥させたものを指すことが多い。
メティとはフェヌグリークのヒンディー語である。カスールという地名が北インドのパンジャーブ州にあるらしくそこでたくさんとれたので「カスーリメティ」というらしい。

メティ(フェヌグリーク)の歴史は長く、約6,000年前から食用や医療用として使われてきた。古代エジプト人はミイラを作るときに使い、古代ローマ人やギリシャ人は家畜の餌としても使ったそうです。それゆえにフェヌグリークの名前の由来はフェヌはラテン語で草(Hay)、グリークはギリシャである。

メティのシード(種)も草も両方とも様々な場面で使われている。シードは少し苦味があるが少し煎ると甘い香りが漂う。メティはカレーパウダーやインドの様々な料理には欠かせないスパイスの一つでもある。葉っぱの方も軽く煎ったり煮込んだりした方が香りが立ってなお良い。

メティには様々な効果・効能も期待されていて食欲不振、胃の不快感、便秘などの改善させる効果からホルモンのバランスを整え更年期障害、月経痛、PMSなど女性特有の悩みも改善されるそうです。また女性ホルモンへ働きかけバストアップも期待できるとか。。。
また認知症やアルツハイマーの予防にもなると言われていたり、ダイエットにも役立つコリンという成分が脂質の代謝を促進させてくれたり、ときには精力剤や炎症を鎮める効能があったりと効果・効能も盛りだくさんなのがメティ(フェヌグリーク)なのです。

メティは貴重なタンパク源にもなりベジタリアンには貴重なスパイスの一つでもあります。

フレッシュなハーブはペーストにしたり、サラダにしたり、炒め物にしたり。シードは軽く煎ってパウダーにしたり、油に加え香りを立たせて様々なカレーを作ったり。乾燥させた葉っぱも煎ってパウダーにしたりちょっともんでトマト煮込みやもちろんバターチキンに加えたり、じゃがいもとターメリックと一緒に炒めたりなんかすると美味しいおかずが一品出来上がる。

そうそう、私のとっておきのメティの使い方をご紹介しましょう。まず、お湯を沸かします。メティシードをひとつまみ急須に入れそこにお湯を入れ4、5秒経ったら漉して飲みます。美味しくて健康にも良いメティーの完成。

さてお客さんにメティのティー。メティーを飲んでいただいている間にバターチキンも良い感じである。煮込んでいる鍋の蓋をあけるとなんとも良い香りが漂う。ここにカスーリメティをもんで加えさらに少し煮込む。

「あなたも好きですねぇ」

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