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海の幸とスパイス研究所

世界のほぼ全ての地域でスパイスは使われている。日本の「出汁」の文化は独特で世界中に興味を持たれている。その二つを組み合わせたらとても面白そうだ。


私の祖父は1950年代後半に日本の漁業を見物して「蒲鉾」に興味を持ったそうである。魚を無駄なく活用することが素晴らしいと思ったそうだ。

様々な地域とその食文化を知ることでスパイスと組み合わせ新たなものを作っていけたらと、最近は沸々と思う。何年か前に西伊豆の潮鰹を使ったスパイスミックスを作った。それからは北海道の昆布、鳥取の椎茸、瀬戸内の海老などをスパイスと組み合わせアナンのオリジナル商品からその土地土地の商品として開発、販売していった。小値賀島のピーナッツ、対馬の藻塩、東彼杵の茶葉。先日は岐阜の方が山椒を持ってきてくれた。岐阜のトマトと山椒でトマトのアチャールを作ったらとても美味しそうだったので早速作ってみたら美味しかった。夏の終わりころには岐阜の山椒とスパイスを組み合わせた新たな商品が生まれているかもしれない。

日本原産と言われている山椒はゆずと並んで日本を代表するスパイスの一つである。様々な遺跡から縄文時代には料理などに幅広く活用されていたと言われている。胃の調子も整えてくれるらしい。


日本に根付いている様々なものはまだまだある。そして何年も前から気になっている「出汁」をスパイスともっと組み合わせる時がきたような気もする。



瀬戸内のしまなみ街道にぽこんぽこんと浮かぶ島々をのんびり眺めることができる場所に小さな小屋がある。心地良い海風と陽気な瀬戸内の太陽が差し込む小さな小屋の中にはスパイスと日本中から集めた素材が並んでいる。そこには世界中から色々な人が来るのである。出汁とスパイスを組み合わせて様々なブレンドを要望に応じて作ってもらえるから。



「海の幸とスパイス研究所」

いつしかそう呼ばれるようになっていた。



そんな場所があったらなんて素敵なんだろうと瀬戸内に行くたびに思っている。



まずはいりこ出汁を使って尾道ならではの「尾道フィッシュマサラ」を作ってみた。



世界中から「出汁」と「スパイス」の組み合わせを作りにやってくるのだから世界中の料理を学べるのである。世界の色々なところで様々なスパイスの組み合わせや使い方がある。それらをもっと知り、それを元にさらに出汁と組み合わせていく。日本中の椎茸、昆布、まぐろ、さばに鰹節も集まってくる。



刺激的で新鮮な毎日が穏やかな小さな小屋で起きている。



スパイスを通して世界を知り、出汁を通して日本を知る。



先日岐阜から来た方が飛騨には200種類以上の薬草があるよ。と教えてくれた。



「山の幸とスパイス研究所」も作りたい。

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