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アナンのレッドホットミックス


最初にアナンが販売し始めた商品は「カレーパウダーN21B」、「コリアンダークミンミックス」、「ガラムマサラ」そして「レッドホットミックス」である。

 カレーパウダーがカレー全般の味や香りの要をしているとして、ガラムマサラが味の奥行きや香りの深みを料理に与えているような気がする。コリアンダークミンミックスは小回りがきく万能選手であり、故郷西インドのグジャラートの味を彷彿とさせるものを持っている。とろみを効かせたい時にも、辛みを抑えたい時にも、カレーの香りや味をもっと高めたい時にも使える万能選手である。

 ただやっぱりカレーをスパイスから作りたい人たちは辛いもの好きが多い。レッドペッパーやブラックペッパーなどで辛みをカレーにプラスすることがあるが、どうもエッジが聞きすぐる時もあり、尖りすぎた刺激が修復不可能になってしまうこともある。辛さは強くしたい、味は調和を保っていたい、尖っていなく、痛みのない刺激が欲しい。そんな時に大活躍してくれるのが4人兄弟の中でも辛みに突出した「レッドホットミックス」である。名前の通り赤く、辛いミックスであるが一番の売りはただ単にカレーを辛くするのではなく、「角のない辛さ」にしてくれるのである。この角のない辛さにするのが単体のレッドペッパーやブラックペッパーだと難しく、程よく他のスパイスとブレンドされているレッドホットミックスだからこそできる技なのである。
 レッドペッパーを中心にパプリカやコリアンダーなど香りの膨らみ香ばしさを醸し出してくれるスパイスが程よく調合されていることによって尖った辛さが丸みを帯びた使いやすい辛さになっている。辛いものが好きな人がカレーパウダーとレッドホットミックスを一緒に使うことによって刺激的で美味しいカレーが作ることができる。ガラムマサラを加えることで深みやリッチ感を料理に与えることもできる。

 レッドホットミックスはちょっと尖っているように見えて近寄りがたいが、知り合ってみたり、仲良くなってみたりすると人情深く、付き合いもよく、何よりみんなとの調和を意識してくれているとても良いやつなのである。

 なんでもできるカレーパウダー。機動力があるコリアンダークミンミックス。説得力があり少しでも重みがあるガラムマサラ。ちょっと尖っているけどみんなとことを考えてくれているレッドホットミックス。

 それぞれの個性をうまく一つの鍋で融合させることで素晴らしいチームワークを発揮してくれる。

 伊達に50年も一緒にやってないわけです。

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