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【おとなの読書感想文】リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術

こんにちは!
株式会社BFT名古屋支店・インフラ女子(?)のやまぐちです。

大人として声を大にしていうことではないですが、あまり本を読みません。
関ケ原へハイキングに行った後に、ノリで買った司馬遼太郎の関ケ原3部作もまだ中巻です(でもものすごく面白いと思っている)。

世の中がどんどん便利になったことで、あるときアマゾンのプライム会員だと無料で読める本があることを知りました。
本当は本はリアルにめくって読みたいです。しかし溜まっていく本は引っ越しするときに重く大変で、きちんと管理しないと埃やごみがついてしまうのも難点だと思っていた私には、電子本を経験してみるちょうどいい機会だと思いました。

そんな前置きは置いておいて、過去にKindleのprime reading(プライム会員が無料で読める特典)で読んだ本を思い出し、いい内容だったものがあるので感想文を書くことにしました!

「リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術」

この本を読んで知ったことを少しでも普段に活かせるようにしたいと思います。

「リフレクション」とは何か

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この書籍では以下のように定義されています。

リフレクション(Reflection)とは、自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為です。「内省」という言葉がもっとも近いでしょう。
~中略~
しかし、リフレクションの目的は、あらゆる経験から学び、未来に活かすことです。

反省、ではないことが大事です。
問題と課題の違いと同じで、リフレクションとは自分のありたい姿(ビジョン)に向けて過去の出来事を活かすことのようです。

先日も上長から「考え方がひねくれている」というお言葉を賜った私。
実はこういう書籍を読んだときに「はいはい、いつもの感じね」という思いがわいてしまうことがあります。

理想と現実は違う。
理想はもちろん大事だけど、求めているのは現実との差分を埋めるための考えだったり行動だったりなわけで、理想だけの話を聴く・読むと少し斜に構えてしまいます。

ただ、この本は読み進めて行く中で「あれ?なんかいつもと違うかも」という気持ちになってきました。印象に残ったことを3つ、ご紹介します。

印象に残ったこと① 価値観の話

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リフレクションでまず行うことは、「自分を知る」ということです。
その知るためのメソッドとしてメタ認知のフレームワーク「認知の4点セット」を行います。

これは自分の○○は○○だ、という「意見」に対して、それはどんな「経験」が基になっているのか、どんな「感情」を持っているのか、どんな「価値観」が影響しているのか、と深堀りすることで自分を客観視する方法です。

正直に言えばこれを見たときは「やりたくないな」という気持ちが浮かんできました。○○が好き、にしろ、○○が嫌い、にしろ、その前提にある価値観はそれほど多くないだろうし、例えばそれが負の感情であったら「改めて見たくない」と思ったのです。

しかしある文章を読んでこれはチームでやる意義があるな、と思いました。

それはビジョン(自分の意見でもよいですが)に反対する人がいるときの対応で、相手の意見の背景を聞く前に説得しちゃいけないよ、に続く文章でした。

まずは、相手がなぜ反対しているのか、その背景にある経験と感情、価値観を理解することが大事です。
思い出してください。その人はあなたのビジョンに反対しているのではなく、自分が大切にしている価値観を守っているだけなのです。その人が、どのような価値観を「否定されている」と捉えたのかを知ることが、ビジョンに共感してもらうための第一歩です。

チームの中でトップダウンではなく、みんなの意見を取り入れながら仕事をするときに意見が分かれることがあります。そのときは、お互いがどんな経験からそう思うのか、どういう価値観が背景にあるのかを意識しながら、お互いの価値観を否定することなく新しい意見を出していくのにとても有効な考え方だと思います。

相手の価値観を知るためにも、まずは自分で自分を深堀りすることが大事ですよね。

印象に残ったこと② アンラーン(学んだことを手放すこと)

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最初この「アンラーン(学んだことを手放す)」を聞いて、

「そんな!苦労して手に入れた知識を手放すなんて!!」

と思いましたが、読んでいくうちに手放すのは「知識」ではなく自分の中にできた「固定概念」だとわかりました。とはいえ、知識によって意見はどんどん変わっていくもの。結局何がしたいの?結局どういう意見なの?という曖昧な状態にはならないようにしたいところです。

価値観を前提とし、今までの自分の経験や得た知識でできた意見。
それは人それぞれ。だから、人の話を聞くときはまずこだわりを捨てて、アンラーンを意識する。そうして新しい価値観を知ったり、相手の気持ちに寄り添ったり、組織にとって最もよい選択をすることができるようになる。

高校の頃だったか、担任で数学教師でもある先生に
「1足す1は2と言えるのは、ユークリッド幾何学だからだ」
と、自分の常識はある前提の下でしか通用しないということを聞いた覚えがあります。

特にキャリアがある人は相対する人の年齢が下でも経験が浅くても、意識的に「アンラーンするぞ」と思って人の話を聞くとよいのかもしれませんね。

印象に残ったこと③ オランダの教育

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これは対立することを恐れない大切さを述べている項に記載されていたことです。

オランダでは、子供たちは幼児期から対話の練習をしています。
~略~
「友だちと意見が違っても、友だちでいてよい」ことを教わります。そして友だちの意見に、「賛成」「反対」「わからない」のいずれかの意思を表明する責任があることを学びます。

意見やこだわりの強い人に流されたり、誰かの意見に対して何も反応しなかったり、よくあることだけどそれではいけないんだなぁと耳が痛いです。

オランダの教育事例からもわかるように、リフレクションができるようになると、対話力が磨かれ、対立を恐れない心も育まれます。そもそも自分の意見は、これまでの経験によって形成された価値観を土台にしているのですから、違う経験をしていれば違う価値観が形成され、意見が違っても不思議ではないと思えるようになります。

自分の意見に対して反対意見が出たとき、「その人は私のことが嫌いなのだろうか」と悩む必要はありません。対話力が身に付けば、自分を否定しているのではなく、自分の意見や価値観とは違うだけなのだとスッと受け入れられるはず。

そうして相手の価値観も自分の価値観も大事にして話し合えば、もっと今より建設的な議論をして、お互いが納得できる着地点を探せるのではないかと思います。

終わりに

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人との関係で何か後悔することがあると、「次こういうことがあったらこうしよう」とか「また言われたら今度はこう言ってみよう」とか次回に持ち越しになることが多いですが、対話力を身につけてもっとうまく切り抜けられるようになりたいです。

大人になったらもっとうまくなってるはずだったのになぁ~

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました~ ^ ^

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