雨音、雨色。

雨音が近づく。

澄み渡った青空に鯉が泳ぐ。シャボン玉が君の吐息を連れて、風に乗って虹色に淡く輝く。ふわりふわりとどこまでも。

今日は、早く、割れないなあ。
きっと、明日は、雨なのよ。

そう言葉を交わす僕たちの上を、地の草を振るわせ音を立てながら、鉄のカモメが飛び去っていく。その後ろから細い二本の雲が、空の端から端へと伸びている。

今日は、早く、消えないなあ。
きっと、明日は、雨なのよ。

晴天の青色。光を浴び水色。だんだんと、僕たちに近づく頃には、色が無くなり透明になって、そうして葉に雫となって降りてくる。青空には雨が隠れている。

今日は、綺麗な、青空だなあ。
きっと、明日は、雨なのよ。

僕たちはくすくすと笑いあった。
遠くの田園から蛙の合唱が聞こえ始めた。

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