神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡

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人類創生と現代人、なぜ統合失調症(精神分裂病)という病があるか? 非常に興味深い本だった。とても50年近く前に発表された本とは思えない。あれから脳科学は1mmも進歩していないのではないか?

科学は進歩し多くのことが解明されてきたと言われているが、宇宙と人間の脳が最もわかっていないと言われる。一般に人間は猿人から進化し言葉の発達とともに知能を進化させてきたと言われているが、これは仮説であって完全に証明されたわけではない。言語以外の情報の伝達手段や方法が考慮されておらず片手落ちと言わざるを得ない。

本書の主著をざっくり言うと(ネタバレになるかもしれないが、非常にわかりにくい部分なので)古代人は言語を持たず、「神」と直接繋がり命令によって動いていた。それは言語ではなく、テレパシーのような直接情報で右脳が担当していた。げんに言語は左脳で処理されるが右脳は何をしてるか不明だ。そして統合失調症の幻覚幻聴は右脳で処理されていることがわかっており、幻覚幻聴は神のテレパシー命令の名残りではないか?筆者はこれを二分心と名付けた。すなわち人間が意識を持ったのは言語獲得以降であり、古代人には意識が無かった。それは古代ギリシアの詩イーリアス、オデュッセイアを深く読めば一目瞭然である。

ところで、21世紀に入り、どうも人類の起源や宇宙構造が考えられてきたものとは全く違うのではないか?ということがスピリチュアルの世界で盛んに言われるようになった。具体的には、人類は「神」を自称する宇宙人によって宇宙人とその頃地球にいた猿人の遺伝子を掛け合わせて創ったものであり、最初の頃は「神」に隷属する家畜奴隷のような存在だった。シュメール文明を研究したゼガリヤセッチンの学説が有名だが、多くの霊能力者、宇宙人とコンタクトする者が一致した意見を言っており、これはもう間違いのない動かし難い事実であると思われる。なんとこの考えを取ると、人間は神が自分に似せて創ったという旧約聖書創世記とダーウインらの唱える猿人から進化したという進化説を見事に両立できるのである。

上記の人類誕生について最もわかりやすく詳述しているのがミナミAアシュタールの人気YouTube番組だ。超次元ライブ311という回を観ていただいたらどういうことかよくわかると思う。本なら、日本列島から日本人が消える日上巻を読んでいただければいい。このAmazonでも購入できる。

ミナミAアシュタールが言うには、人類を創ったのはレプティリアンという爬虫類系宇宙人で、遺伝子操作技術が高く、人類は彼らの星の環境破壊の修復に地球の金が有効で、その採掘する存在が必要だった。自分に従順で意識や感情を持たない存在、それが人類の最初の型だ。

やがて人類には、他の異星存在の遺伝子の混ざっており、感情や意識に目覚めていくのだが、この最初の人類の状態とジュリアン・ジェインズの考察した二分心人間の状態が、「神」の意のままに動く手足といった感じでぴったり重なる。統合失調症の不合理な命令に従うという現象を見ても、言語とは別に直接意図を感じ取り動くという機能が今の人間にも残されているのではないか?

昨今のスピリチュアルブームにより、チャネリングによってハイヤーセルフなど高次元存在や宇宙存在と繋がる人が増えてきたが、そのチャネリングのコツとして、言語による思考というものを排除するということが共通として挙げられている。スピリチュアルヒーラーとして人気のYouTuber、MOMOYOさんは人間の認知能力として、スピリットとマインドという2つの認識の仕方を強調している。スピリットというのがここでいう「神のメッセージを受け取る」二分心、マインドが言語に支配された理性・自我・思考である。おそらく。両者は共存することなく、一方が優位なら他方は機能しない。スピリットで繋がっていた「神」はミナミAアシュタールによれば人間を支配する邪悪な宇宙人だが、実はジュリアン・ジェインズが言う二分心のスピリットは繋がり先を選んでいけば、人類を覚醒に導く宇宙存在に繋がることができるのではないか?

ジュリアン・ジェインズは「神々」を善とも悪とも論じていない。もちろんゼガリヤセッチンのような説は本書には出てこなかったので、その実態までは知らないであろうが、本書のふくませるような書き方、そこまで言ってしまうと発売禁止になるということは十分考えられるので神々の正体を知っていたのではないか?とも思った。

わたしの理解の仕方ももしかしたら違うのかもしれないが、二分心=テレパシー=スピリットの崩壊と、言葉=理性・自我・意識・名前・思考・マインドの発達は人類の進化ではなく退化であり、21世紀に入って後者の弊害(環境破壊、戦争、競争)がより顕在化した今、二分心の復活・再生こそが真の人類の進化ではないか?という感想を持った。

統合失調症の幻覚幻聴についても克服されるべき病・障害ではなく、二分心・スピリット復活への大きなヒントと捉えると、排除される人々ではなく尊重されるべき人々という認識に変わり統合失調症者を取り巻く人権状況も大きく改善するのではないか?
障がい者福祉に携わる者として正直明るい気持ちになった。

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