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娘とのあぶないお風呂タイム

繁延あづさ氏の『たまたま死なせなかっただけ』(2023年3月31日朝日新聞コラム)を読んで、あ、これこれ私もあった!と思い出した。
コラムには1歳半のボクちゃんとのお風呂タイムの恐怖体験について書かれている。
ボクちゃんにお風呂のヘリをつかませ湯船に立たせておいて、繁延氏は自分の髪を洗う。
ふと、それまで聞こえていたボクちゃんのおしゃべりがいつの間にか聞こえなくなっていることに気づいた繁延氏。慌てて顔を上げると、ボクちゃんが湯船の底に!
すぐに抱き上げ、事なきを得たけれど、もしもあの時息子を死なせていたら、自分は今頃どうしているだろうって、つい今でも考えてしまうというお話。
 
私もやっぱり、まだほとんどしゃべれない娘に風呂のフチをつかませて、その日も髪を洗っていた。
シャンプーの時だけはどうしても目を閉じる。心配で頻繁に顔を上げて見るも、そのたび娘の機嫌良さそうな顔を見つけてひと安心。
が、何度目かに顔を上げた時、初めて娘の異変に気づき、背筋がゾ~ッとする。だって髪の毛があんなにぐっしょり…。娘はまだ髪も体も洗っていないのに!
いったい娘の身に何が?語る言葉を持たない娘は何事もなかったようにただ笑ってるだけ。すでに成人となった娘に至っては当時のことをまるきり覚えてないし。
 
幼稚園の頃もこんなことがあった。
私が髪を洗っている間、娘は湯船で遊ぶ。その日は水泳のまねっこ。クロールやバタ足でバシャバシャ。しぶきの音と歓声で結構うるさい。
それが一瞬しんとなった。ハッとして顔を上げると、娘の姿がない?
どひゃー!湯船の底に娘が沈んでるよ!
湯船の中の娘。驚いたように目を見開き、髪がワカメのように揺れている。
なぜか鮮明に覚えてる。
慌てて引っ張り上げると、娘は笑い出した。
「すべっちゃった」
沈んでいたのは本当に一瞬だったようだ。
すでに当時からどっちも笑い話だったけど、一歩間違えば危なかったんだなと、繁延氏のコラムを読んであらためて思う。
 
ついでに思い出しちゃったこと。
娘が2才になる頃。
お風呂がなんだか最近おしっこ臭いなと感じることが続いていたある日。
さあ、最後にもう一度あったまって出ましょうと娘をポチャンと湯船に入れ、私も入ろうと片脚を入れた瞬間、風呂中に響き渡るジョボジョボジョボジョボー!という不穏な水音。
日頃から節約して湯量は少なめ。その日は特別湯量が少なくて立ったままの娘の尻は丸見え。そこからジョボジョボと盛大なおしっこが!
ギャー!!
速攻湯船から飛び出て、娘もろともシャワー!
こういうことがあるとヤダから、お風呂の前には必ずトイレさせてたのに
「出ない」
とフルフル首をふる日が思い返せば続いてたんだ。
つまりそういうことかい。
きっと狭いトイレでするより、お風呂でする方が爽快だったんだろうな。いつもは湯量がもっと多かったから、お尻隠れて音なしだったのか。
こっちも忘れられないお風呂の苦い思い出。
 
 

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