見出し画像

アングスト/不安

アングスト/不安」という映画を観てきました。

画像1

http://angst2020.com

こちら、実際にいた殺人鬼をモデルにした作品で、
あまりの凄惨な内容に1983年製作にも関わらず、
まともに上映されることなく、いままで禁止処分を受けていました。

内容としては実際にあった殺人事件を基にしているので、
こんな感想もあれですが、そう大した話でもないです。

むしろ殺人鬼を描いた映画としては、
これといった感情移入もできず、
ダークヒーロー的な見せ方もなく、
面白い要素は1ミリもないのですが、
当たり前にそこは演出なんですよね。

この映画の主役の殺人鬼は、
多くのシリアルキラーと同じく、
やはり生い立ちに問題があり、
自分の欲望や妄想の実現のために殺人を犯します。
しかし、テッド・バンディのよう知力もなければ、
人を惹きつけるカリスマ性もないので、
犯行の手際は悪く、杜撰が故にすぐに逮捕されます。
自身では綿密な計画があると嘯きますが、
ことごとくが失敗しますし、
逮捕のたびに精神異常を訴えるも、
ただのサディストとして収監されます。

何だか映画に出てくる癖に情けない殺人鬼なのですが、
その主役にもなれない感じはある種の皮肉かもしれませんね。
そんな感じなので、出来損ないの狂気、という印象を受けました。

この映画の面白いところは不安を煽るようなカメラワークと、
BGMがスタイリッシュってところですかね。
映画の大半はアップシーンが多く、
一人称視点のように人物にカメラがついて回るので、
感情移入できないキャラに無理矢理近づけられのが、
この映画独特の不安と嫌悪感になってます。
そのくせ、BGMはかっこいいのがアンバランスで、
内容はともかくとして、映像作品として観る分にはとてもよかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?