ハッカーと家具職人
日々何かしらモノを手に取り、使用しています。
「取り出す」→「使う」→「仕舞う」
これが永続的に続く状態が、生活するということです。
この目黒の家具店の素晴らしい広告コピーに感銘を受けました。
ポール・グレアムはハッカーと画家の共通点として
「ものを創る」「技法そのものを開発する」「価値は後世認められる」
といったものをあげています。
「取り出す」→「使う」→「仕舞う」という概念を生み出した「収納」こそ、まさにハックであり芸術でないかと感じました。
現代ビジネスでは消費者の可処分時間への介入度がサービスの競争力となっていますが、それはすなわち収納に入り込み、取り出しやすい価値を提供することであると言えます。(使いやすいUIのアプリなど)
さらに収納の「外側」すなわち「家具」や「部屋」などを通じて、そこから取り出される体験を価値あるものにします。(iPhoneや洗練されたデザインのデバイス)
またポール・グレアムの話に戻すと、彼は次のように述べています。
多くの分野で、偉大な仕事は早い時期になされた。1430年から1500年の間に描かれた絵画はいまだに他の追随を許さない。
モノを「取り出す」→「使う」→「仕舞う」という生活をデザインした「収納」は、デジタルのインターフェース上でも他の追随を許さない「技法そのものの開発」であり、あらためてその価値を再認識したのでした。
家具屋ってクリエイティブであり、家具職人はハッカーだと思いました。
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