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シリコンスプレー使用時の注意点

ブログでも以前も少し書いたことがあるのですが、お預かりする車両で使われているケースが多いシリコンスプレーについてです。メリットについてはよく知られているところですので、デメリットのみについて書き込みたいと思います。

〇成分について

一般的に石油系溶剤タイプと無溶剤タイプがあります。石油系溶剤タイプについては、プラスチック、ゴム、塗装面には使用できません。無溶剤タイプはプラスチック、ゴム、塗装面に使用はできますが、塗装や再塗装の際に塗料が密着しない等の影響が出る場合もあります。使用する場合は、無溶剤タイプの方が安心です。

〇シリコンスプレーの油膜について

シリコンスプレーを吹いた箇所は油膜ができますが、ゴミやホコリが付着するので作動する部分だと動きが悪くなる場合があります。また、ブレーキキャリパー周辺の部品に吹いた場合は、油膜にブレーキダストが付着するので、かなり汚くなります。また、潤滑剤ですので、パッドやローターに付着した場合は、制動力が落ちます。メリットでもあるのですが、油膜が乗った部分は、つやつやになり、整備の際に手が滑るので、作業に悪影響が出る場合があります。

〇電気系やカプラー等の接点にシリコン油膜が付着した場合

一番問題な部分ですが、シリコンはケイ素高分子化合物で、電気接点に付着し二酸化ケイ素被膜が形成された場合、電気が流れないもしくは流れにくい状態になります。ですので、シリコンスプレーを使用する場合は、電気接点に直接吹かない、電装系の周りに使用しない等の注意が必要です。

〇シリコンスプレーを使用する場合

シリコンスプレーを使用する場合は、必要最低限の量で吹き、使用箇所はウエス等で拭く、もしくはウエスやティッシュ等に吹いて、塗りたい部分を拭く等の方が良いと思います。

※過去の事例だと、吹きすぎたシリコンスプレーがエンジン始動後の熱で、流れてきてオイル漏れと誤認、作動部分にホコリが付着し、動きが悪くなった等があります。接点等に付着し、微妙な導通不良な場合もあります。いずれの場合も、一旦シリコンの被膜を落とさないと改善しないので、クリーナー等で清掃することになります。

☆整備の際にケミカル類を使用する場合は、使用方法や、使用上の注意点に従った方が良いです。

便利なものは使った方が良いですが、使用方法を誤ると悪影響が出る場合があるので要注意です。

 

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