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愛車を車検に通すために、純正部品をアメリカから個人輸入したら700万円以上の詐欺被害に遭ってしまった話

結論からお伝えします。
私は学生時代から大好きだったBMW M3 E92を大人になり購入し、ようやくローンの支払いが終わった頃に、この車を車検に通すためにマフラー部品をアメリカから個人輸入した際に、700万円の詐欺に遭ってしまいました。

今現在、もちろん部品も届いていませんし、購入元からも返金されていません。弁護士に相談したところ詐欺であると言われました。少し時間が経ったので、ようやく書ける気持ちになりました。

この記事を見て、一人でも多くの人を被害から未然に防ぐために、役立てばいいなと思い書いています。



この記事を書くにあたり、今後の被害を防ぐために、実際に自分が被害を受けた相手の実名とやり取りの写真を元に書いていきます。
今回の事件で周りの人に負債があり、この記事を有料にして少しでも早く返済しようとも思いましたが、それよりも一人でも同じような被害者を出したくないと強く思ったため、全て公開します。

なぜ個人輸入で部品を取り寄せようとしたのか?

自分は小さい頃から車が大好きで、グランツーリスモで遊びながら育ちました。その中でBMW M3 E92のデザインがカッコ良いことに憧れ、働くようになったら書いたいと夢を持つようになりました。

そして社会人になり4〜5年経ち、ようやく欲しい個体があったので購入することに決めました。
(こちらが当時実際に購入した個体です。)

初めからBBSのホイールが付いていたのが高ポイントでしたが、マフラーが社外のものがついていました。今思えばマフラーはノーマルのものがついた個体を買えばよかったですね…。

購入時2年間の車検期間がついていましたが、2年経ち、次の車検に通す際に社外のマフラーでは車検に通らないとショップの方にアドバイスをいただき、ノーマルのマフラーをネットやメルカリで探していましたが、なかなか見つかりませんでした。
リアピースのみであればチラホラありますが、この車はミドルパイプから変えてあったので、ミドルパイプから探さなければならず、オークションサイトにすら売っていませんでした。仕方なく海外サイトを見ていたのですが、問い合わせても実は売り切れであったり、なかなか購入できずにいました。そうこうするうちにInstagramでBMWのパーツを扱っているというアメリカ人のアカウントに$250という格安の値段で、しかも程度の良いミドルパイプ+リアピースセットが売られているのを発見しました。

DMで連絡を取り購入させて欲しい旨を伝えました。
実際に訪れたインスタのアカウントページは以下のページです。

bimmer.parts.shopというアカウントでJohn T Marksという相手に連絡
この部品を買いたかった
DMの始まり時
マフラーは$245、送料は$95と言っていた

輸送はDHL系列の輸送会社に頼むらしく、追跡番号も出るから安心して欲しいとのこと。そしてこの輸送会社を10年以上使っているが今まで問題は一度もなかったとのこともこの時聞いていました。

被害にあった流れは?

上記のやり取りの後、クレジットカードでマフラー$235と送料$95の合計$345ドル支払い、送られてくるのを待っていました。しかしながら、到着日になっても一向に送られてこないので、輸送会社のトラッキングサイトで調べるとなぜかフランスにありました。アメリカから日本に直接送られてくると思っていたにも関わらずなぜフランスにあるのか?と疑問に思い、輸送会社に連絡を取ったところが今回の事件の始まりでした。

連絡を取ると、経由で一度フランスに荷物を下ろしたらしく、フランスにあるままだと伝えられました。

ここが問題の輸送会社。後で気づきましたがほぼ同じデザインの輸送会社のサイトが他に存在していました。そこからデザインを真似して作ったんだろうな…
教えられた追跡番号をトラッキングページで検索するとこんなページに飛ぶ。
作り込まれているサイトだけに悔しい。
※この写真ではChinaに荷があると出ていますが、この時はFranceでした。
この後Chinaへ飛ばされます…

輸送会社のExpress Courier Freightに問い合わせした後の返信メールでは、以下のメールがまず届き、”返金可能な”デポジット料金の$550ドルをまずは払わないと荷物は移動できないと言ってきました。

この時は、550ドルだけど返金されるならまぁいいかと言った感じでカードで支払いました。その後無事に送られてくるかと思っていたら、今度は以下のメールが届きました。次はフランスから持ち出すためにはCity Permit(都市通行量)で$1200を払ってくれと言っています。これも確認すると荷物が到着後返金されると言っていました。返金されるならいいやという気持ちと、早く届いて欲しいという気持ちからこちらも支払いました。

すると相手は、「これからやり取りが長くなりそうだからWhatsappに移動しない?」と言ってきましたが、自分はメールでやりとりしたかったし、そもそもWhatsappのアカウントを持っていなかったので、断りましたが、頑なに勧めてきたので仕方なくアプリをインストールしメッセージの場をWhatsappに移行しました。

WorldRemitというアプリで送金して欲しいとのこと

移行後、カードで支払うのかと思っていたのですが、どうやらWorldRemitという送金アプリ(イギリスが出している世界的に有名な送金アプリ)で送って欲しいと言われました。クレカ支払いの場合は支払い確認まで時間がかかるのでアプリでタイムリーに送金確認をしたいと。早く終わらせたいので仕方なくアプリをインストールし、教えられたアカウントに上記の$1200を送金。ようやく荷物が届くと思っていました。

するとここまでのやり取りで当初の想定より時間がかかったらしく追加で延滞料金の$1000をさらに要求されました。今思うと明らかに額がおかしいし、DHL系列の会社がメールでは無くチャットアプリでやり取りすること自体が変だなと思いますが、当時はすでにマフラー代金$325、輸送デポジット$550、City Permit $1200(合計30万円弱)を払っていたので、このお金を返して欲しいという気持ちが強く、”返金可能”という言葉を強く信じすぎていたのだと思います(サンクスコストと言うらしいです。)

このような状況よりWorldremit経由で支払いを行いました。

この後、この時やりとりを担当していたJay Jasonという人物からECF Management Teamというチームにチャットルームが移され、これまでに支払った返金金額を表でまとめた資料をPDFで送ってくれました。

City Permitは一度クレカで払いましたが、やはりWorldremit経由で払えと一点張りだったので再度Worldremit経由で払っています。

この表の金額を返金するとECF Management Teamは言っていますが、マフラーが到着した時にサインする書類(Refund paper)の作成に$1800かかると言ってきました。この書類を作成しない限りサインできないので返金もできないと言ってきています。仕方なく払うしか無く払いますが、この頃には正常な判断能力はもう無くなっていましたね。。

支払い後、フランスから再度発送するにはHigh value package stampを張って送る必要があると言いこのスタンプを貼らない限りはいつ送られるか分からない、遅くなれば遅くなるほど延滞料金がかかると言われました。(このスタンプを貼ると優先的に送ってくれるらしかったです)しかしその価格は$5000。ここまでくると全てのお金を取り返したいと思うようになり、やっぱり支払ってしまいました。これはギャンブルではないですが、同じようにギャンブルもサンクスコストが働いて取り返したいという感情になるのも今ならわかります。

支払い後、払った$5000はフランス国内での発送においてその値段らしく国外に送るためには実は$10000必要だったらしく追加で$5000払えと要求してきました。

この後の流れと支払ってしまった金額を表にしてまとめています。その後は日本に届かずなぜか中国に送ったと言い、再度同額のHigh value package stamp代金を求めてくる。話は長くなるので端折りますが、内容は正真正銘以下の内容です。

直接フランスから日本へ送れと言っていたにも関わらず、なぜか中国へ送ったと言う。
Worldremitでも着金確認が時間がかかるということで、
Paybisというドルの仮想通貨を送れるツールを使ってくれと最後は言われる。

ここまでの一連の流れで”返金可能”な費用を$42,666払ってしまっています。しかも日本円がドルに対して1ドル=158円くらいの円安の時期だったので被害額は尚更です。
この金額以外にも送金手数料やもろもろで結構払っています。

さすがに状況を知っていた家族も不安すぎるので、国際弁護士に相談してみて欲しいとのことで、相談したところ、ほぼほぼこれは詐欺の常套手段であり、返金されることは限りなくないと知りました。

これが一連の流れとなります。

ここまで読んで頂いた方は、以下のことをもしかしたら思ったかもしれません。
序盤で怪しいことくらい気づくだろう、途中で損切りでもいいから取引をやめたらよかったのでは、周りに相談したらよかったのでは、など。
「序盤で怪しいことくらい気づくだろう、途中で損切りでもいいから取引をやめたらよかったのでは」については、それまでに多額の費用を払っていたのでどうしても取り返したいという強い思いがあり、踏ん切りがつけられなかった事、そして「周りに相談したらよかったのでは」については、消費者越境センターにも序盤で相談しましたが、自分でネットで調べられるような回答しかなく正直役に立ちませんでした。周りの人に状況を話したこともありましたが、なんというか…、心配はしてくれますが、絶対に今すぐやめたほうがいいや、諦めたほうがいいとはならず、本当に見守る人が多かった印象です…。返金可能ということもあったので、無理に諦めろとは周りも言いづらいですよね。。その点も自分は意思が弱かったなと思います。それに自分を信じてくれて貸してくれた人にも本当に申し訳ないです。しっかりと責任を全うするまで背負います。

被害後はどうしたか?

弁護士に相談した後は、出来るだけ支払う額を免除してもらえる様、クレジットカード会社に連絡したほうがいいとのアドバイスをもらいました。

全ての額をクレジットカードでは払っておらず、現金の送金などもあったので、被害額の1/3くらいの額ではありましたが、利用した複数のクレジットカード会社に被害相談をして、チャージバック申請をしてもらいました。2ヶ月ほどの間、毎日仕事の昼休みにカード会社に電話をして説明などをしていました(クレカのコールセンターは全然繋がらないので、かなり時間がかかりました。)結局クレカで支払った額の8割くらいは被害申請がおり、支払い免除になりました。

しかしながら、周囲から借りていた額などまだまだ返す額が残っていたので、このタイミングで自分のM3 E92を売却しました。約200万代前半くらいで売れました(その後、中古車サイトを見ていたら倍以上の値段で売られていました…しかしこの際そこはあまり感情ありません。それよりも詐欺を働いた相手に腹が立っています!)

車を売却してもまだ負債があるので今コツコツと返済の準備をしているところです。もう傷口を小さくできるやれることはやったので、どうか同じ様な被害に遭う人を無くしたいと思い、今書いています。

上記の様なことがあり、少しずつ時間が経っていく中においても、マフラーを購入したショップのJohn T Markとはメッセージのやりとりをしていました。

彼にサービスの未受領を訴えていると(自分がマフラーを受けと入れず、返金もされていない。そしてその詐欺行為を働いた輸送会社に頼んだのはJohn T Markあなた自身であるだろうと。)、何度もしつこく連絡しているうちに、「わかった。返金する。返金するから、このサイトで返金手続きをしてくれ。」とついに連絡がありました。

以下のサイトの手順に従ってくれとメッセージが。
リンク先をクリックして手続きを進めて欲しいと。
リンクをクリックすると、PRIME VISTA HOLDINGという銀行につながる

輸送会社の件でさらに慎重になっていた自分は、このPRIME VISTA HOLDINGという銀行について色々調べまくり、次の事がわかりました。
 ・この銀行はテキサス州にある事
 ・PRIME VISTA HOLDINGで検索しても、このサイト以外に情報が出てこない事

John T Marksはカリフォルニアに住んでいると言っていたにも関わらずなぜテキサスの銀行を使いたいのか、そしてなぜ他に調べても情報が出てこないのか聞きましたが、だんだんとシラを切られる様になり、自分が指定した日本の銀行経由で返金して欲しいと言っても、ただ「手順に従って返金を受けてくれ」としか言わなくなりました。

その後も、自分の指定する銀行に直接返金額を振り込んでくれと言っているうちに、彼からは返信がこなくなりました。そしてやりとりをしていたInstagramもブロックされてしまいました。(他のアカウントで入ったら普通にJohn T Marksのアカウントを表示できました。)

ここで全てがわかりました。

bimmer parts shopも 輸送会社も 返金をしてくれると言っていたPRIME VISTA HOLDING銀行も、John T Mark自身が全て一人で操っていたのだと推測できます。初めの方で気づかなかった自分が悔しいですね。

John T Marksはフェイスブックをやっているのですね。この情報すら正しいかは疑問です。

最後に

今回の一連の流れを振り返って、今思うと実は怪しかったなと思う事を挙げていきます。

・InstagramのDMの際に支払った送料が$95と安すぎた事。あのサイズと重さを国際輸送するなら普通はこんなに安くないはず
・発送伝票がすぐに送られてこなかった。最後の方で追求して渋々送ってきたがこれは偽造の伝票だった
・輸送会社のExpress Courier Freightの担当者から折り返しのメールがあった時Gmailで返信が来ていた。会社の担当者がフリーメールは怪しい。
・高額なお金のやり取りなのにWhatsappというカジュアルなチャットアプリを使っていたこと
・Webサイトを検索しても、他に情報が少ないもしくは存在しない事
・John T Marksには20000人のフォロワーがいるがフォロワーを購入しているだけのアカウントではないか?ちょくちょく商品への購入希望のコメントがあったが、その場ではやり取りせずDMでやり取りすることによって、他の人に詐欺だと悟られない様にしていたのではないか?
・WorldRemitで輸送料金を送金する際、ドルでは着金確認まで時間がかかるので他のマイナーな国の通貨を指定して送って欲しいと言っていたこと。そもそもDHL系列の輸送会社がこんな手続きをするはずがない
・輸送会社のオフィス住所や本社住所がWebサイトに詳細に載っていない。住所の途中まで載っているがGoogleマップで調べられる住所ではなかった。このことを最後の方で輸送会社とJohn T Marksに尋ねても答えてくれなかった。

他にも書きたい情報はあるし、まとまっていない文章で読みづらい点もあるかと思いますが、記憶が新鮮なうちにと思って今書いています。約3ヶ月前の話です。2024年の話です。

途中フランスから中国まで輸送されてしまった話を端折ってしまいましたが、フランスに荷物があった際に求められていた請求の中国バージョン+日本国内で発生する輸送について最後は追加で$25000を求められていました。このタイミングで弁護士さんに相談に行っています。


詳しく聞きたい箇所などありましたら、コメントなどでお尋ねください。
答えられる範囲でなんでもお答えいたしますので!


最後まで読んでいただきありがとうございました。
一人でもこんな悲しい経験をする人が減ることを祈っています。


またM3 E92に乗れる日を目指して。

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