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【観劇記】オフ・ブロードウェイ・ミュージカル『悪魔の毒毒モンスター』@EX THEATER【ネタばれあり】

そりゃね、行くしかないわけですよ。


毒毒がミュージカル化ですよ!ところが、初演は仕事で行けず。繁忙期が丸かぶりだったんですよね、確か。

で、当時めちゃしょんぼりしてたんですが、コロナ患者が出始めてた頃でもあり、自分の趣味に関しては二の次、まずは仕事への影響だったり、日常生活への影響が大き過ぎて、だんだんとしょんぼりした気持ちは消えてしまっていました。

そして、昨年。なんと再演の知らせが!
そりゃね、行くし(略)。

なんせ、トロマ映画は昔から好きですし、アメリカでミュージカルが上演されると聞いた時は、めちゃくちゃ見たかったんですよ。

そして、今回も初演に続き、我らがいのうえ版ロッキー・ホラー・ショーのバンドメンバーから、岡崎司(G)さんと松崎雄一(Key)さんが出演!絶対に行くでしょー。

というわけで、行ってきました。

劇場入口。毎回タイトルがLEDで表示されてて、近未来!

すっご!客席の95%…いや、これもう98%が女性。99%かもしれない。

え?毒毒モンスターなのに!?

と思いますよね。

主演が『ふぉ〜ゆ〜』の福田悠太さんなんですよ。そりゃ、ほぼ女性客で埋まりますよね。もちろんヒロイン役の平野綾さんのファンの方もいらっしゃると思うんですが、この日はそんな感じでした。

一人で行ったんですけど、たまたま知人と会えたのは嬉しかったです。

残念ながら、客席後方はだいぶ空いてました。平日の夜だったから、若い女性の皆さんには難しかったのかもしれませんね。六本木ですし。

会場内では、ボン・ジョヴィが流れてました。
というのもこのミュージカル、ボン・ジョヴィのキーボード、デヴィッド・ブライアン氏が音楽を手掛けてるんです。

つい先日、ボン・ジョヴィをかけまくり聴きまくりしてたので、勝手に親近感を覚えてました(笑)


そして、いよいよ開演。


この公演は、キャストは5人だけ。メルビン(トキシー)とサラを除くと3人!なんと、この3人が100人分ぐらいの働きをするのです!

まずはそこから触れていきましょうか。

3人中、1人目は霧矢大夢さん。バーバラ・ベルグッティ市長/ママ・ファード/
修道女という3役でしたが、修道女はオープニングしか出てこないんですよ(笑)。この無駄遣い感最高!

オープニングで、林さんと宮原さんが歌いはじめてから、とても歌の上手い修道女が出てくるんですね。それが霧矢大夢さん。

初めて拝見したんですが、「これ、アンサンブルレベルじゃないじゃん!」と思ってたら、アンサンブル的登場はここだけで、あとは市長とメルヴビンのお母さん。その二役が本役なのですが、コレがまたすごい。

早変わりはもちろん、二人をほぼ同時に演じて、それぞれの役で歌い上げるのはほんとに凄かったです。

街を私物化しようとする悪い市長で、強気の女王様気質なんですね。

途中で鞭を振るったり、色仕掛けをするシーンがあるのですが、これがカッコいいんです。所作がね、もうね、カッコいいんですよ。さすが元宝塚トップスター!

一方のメルビンのお母さん。こちらは、歳老いた初老のご婦人で、穏やかさの中に強さがあるタイプ。前半は穏やかな立ち居振る舞いの印象が強く感じましたが、いやいや母は強し。

この二役を見事にこなした霧矢さん、素晴らしかったです。


林翔太さんと、宮原浩暢さんのお二人は、とにかくたくさんの役を演じてました。最後の方なんて、一人で5人分ぐらいを一度に演じてましたから!

この二人が、狂言回し的な役割で、ほぼ出ずっぱり。しかも、歌がめちゃくちゃ上手い!勉強不足で、お二人を存じあげず、調べたら…え?なに!?いいの!?こんなB級カルト作品ミュージカルに、こんな経歴の上手い人達が出るとか贅沢過ぎない!?とビックリです。

不良、警察、ゲイの美容師、老人から少女まで、様々な役を演じてました。サラの女友達の役とかもうかわいいのよ。でも、早変わりがあるから、メイクは変えないで、男の顔のままで女を演じていたのです。これが「女装の友達」ではなくて、「女友達」として成立しているんですね。

それは、二人の演技力と歌唱力のなせる技なのだろうなと、感心しながら見ていました。

さて、お次はサラを演じる平野綾さん。

正直に言うと、昔はちょっと苦手でした。

今回、数年ぶりに舞台で見て…サラ役がピッタリで、驚きました。

でもきっと、それは彼女自身の持ち味に加えて、沢山の役を経験したからこそなんでしょうね。

もう苦手って言わない!苦手じゃない!もっとこういう役をやってほしいです。お願いします。

サラは映画と同じく盲目ではありますが、司書という仕事に就いてます。その職業に関するセンシティブなネタをかます辺りに、トロマの匂いを嗅ぎ取りました。

サラの持つ「白痴美」の「美」の部分はもちろん、ちょっと可愛らしく頭の足りない感じを嫌味なく演じてました。

ただ、映画と違って、サラはトキシーに触った瞬間に拒絶するんですね。それはちょっとショックでした。

トキシーの匂いも気にせずに、部屋でデートを重ねてたのに、彼の顔に触れたら拒絶って…酷い!もう、サラなんて嫌い!

と、ぷんぷんしながら見てたんですが…後にこれを乗り越えたからこその強いサラ登場して、そのためかー!と納得。

ただ、トキシーがフラれて悲しい思いをするのは見たくなかったんですけどね。ミュージカルとしては、そこでの悲しみを歌うシーンが観客の心を掴む大事なシーンなので致し方ない。

そういった部分があるからこそ、映画ではなくて、ミュージカル作品なんですよね。

ただ、映画ファンはそこのところどう思うのかなぁ。


そして、いよいよ主演の福田悠太さん。

かわいいかよ!かわいいんじゃんよ。

トキシーになった時の外見がかわいくデザインされていて、ネットでそれを見た時には「うーん」って思ってたけど、かわいいからいいよ、もう!

メルビンの時、いじめられっ子でもかわいいから現実味ないなーとか思ってたけど、むしろ外見が良くてもいじめらるし、外見が悪くなっても好かれるということが顕著に現れてて、ああこういう見方もあるのかと。

あとは、匂いの描写が酷い(笑)

映画では、匂いに関してはほぼスルーで、サラもすぐ抱かれてたんだけど、舞台版はめっちゃクサいと言ってたのが気になりました。本国でもそうなのかなあ。

ずーっとそこは昔から疑問だったんだけど、匂いを含めて受け入れたサラすごいなぁ。そりゃ、ラストのサラはあれだけカッコよくて強いはずだわ。

私、相性悪い匂いは受け入れられない自信ある。というか、好きな人って、いい匂いがするよね。誰かにとってはイヤな匂いでも、私にとっては好きな人のいい匂い。でも愛情がなくなったとたんに嫌な匂いと感じたり(笑)

あ、だからサラは大丈夫だったのか!…いやでも人間の体臭がキツいレベルじゃなかろうに。


そして、今回の生バンド!

前出の通りに、いのうえ版でお馴染みの岡崎司さんと松崎雄一さん!そして、ついこの前まで『薔薇とサムライ』で一緒に演奏していた松田 翔(Dr)さんと大桃俊樹(B)さん。このメンバーのライブやステージは何度も拝見してて、もうこんなん安心して見られるどころか、めちゃ嬉しいじゃん!

やっぱり、生バンドで見るロック・ミュージカルって最高。こうでなくちゃ。時々、出演者と絡んでいる岡崎さんも見られましたし!

音楽は、全体的にカッコよくて、手拍子をすることが多かったです。本当は曲が終わった時に拍手以外に声も出したかったんですけどね…声が出せる環境で、再演希望します!!

それから、音がとても良かったんです。まず、演者さん達の歌が上手くて、更に音響も歌詞が聞き取りやすく、かといってバンドが控えめになってない。これはちょっとビックリしました。

ただ、それによって、ミュージカルとしての歌の上手い人と、アーティストとして歌が上手い人との差もわかってしまって…でも否定的なのではなく、そもそもちゃんと歌うまなんですよ。

周りの水準が高すぎるのよ。


というわけで、長文となってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。

お礼にフレンチフライでもご用意しましょうか!?(笑)

※2023/02/01 追記
ペンライトのことを触れ忘れてました!

今回は、グッズのひとつとして…というか、パンフレット以外のグッズはペンライトのみ。
諸事情につき購入はせずに、パンフレットのみ購入しました。

劇中では、ネオンサインのテキサスガールが持っているペンラ?ハート?が「今!今、ペンラを使うんだぞ!」という時に、振ってほしい色に光ります。
それに合わせて、ペンラの色をセットして振るという方法でした。
これは確かに使いやすい!

まぁ、そういう指示がなくとも、ロッキー・ホラーでブンブンと振ったり、十字架にしたり、車のワイパーにしてる私が言うのもなんなんですがね(笑)。

でもそれは、ロッキー・ホラーだからであって、別の舞台の時は一瞬躊躇しちゃうことが、一応あるんですよ。
「私、今ここで振りたいんだけど!いいの!?いいよね!?」とドキドキしちゃうので、今回のようにタイミングを示してくれるのはうれしいかも、

舞台でのペンラで難しいのは「お芝居の邪魔はしたくない」ってところなんですよね。
その点、ミュージカルは曲中は振ってもいいという感じで振りやすいんですけど…

と、思ったけど、よく考えたら、ペンラ振る舞台はだいたいミュージカルだし、応援上映はペンラなどの応援ありきなので別にどこで振ってもいいわけだし、私は一体何に向けて心配をしているのかわからなくなってきました(笑)

とりあえず、うちにある数々の「次に使う機会があるのかわからないペンライト」を使う場でもある、ロッキー・ホラーの上映をばんばんやってほしいです。
舞台は、舞台版のを使いたいから、映画の方で!

※2023/02/04追記
公式サイト
https://www.dokdok2023.jp


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