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【英語公用語論?】住んでみて思う「英語が通じる国」と「英語が公用語の国」の違い

香港居住歴13年ののち、現在オランダ居住歴約半年のBettyです。
「英語が通じる国」と聞いてオランダにやってきましたが、「英語が公用語の国(香港)」とは、こういうところで違いが出てくるのだなあと最近いろいろなところで感じました。


「英語が公用語の国」では

①あらゆる公的な書類に英語が併記されている

これは香港の子供が予防接種をいつ何を打つかというリストですが、英語と中国語が併記されていますね(といっても予防接種になると日本人には漢字のほうがなんの注射なのかわかりやすかったりしますが)


香港の予防接種リスト

ただ、英語で確認して、中国語(漢字)でも理解して、という二重補強ができるので、非常に安心感がありました。

ほかにも、例えば学校の卒業証書とかも、右側に縦書きで中国語で書き、左側は横書き英語で書かれている、みたいなものになります。


②問い合わせ電話窓口に英語アナウンスがある

なんのサービスでも電話をかけたら、だいたい最初は広東語でアナウンスが流れ、「広東語は1番を押して」、次に英語でアナウンスが流れ「英語は2番を押して」、最後に北京語(標準中国語/普通話)でのアナウンスで「北京語は3番を押して」となるのが香港でした。


③(追補)ただ、公用語とは言われていても広東語で押してくる人はいる

香港島と九龍地域が対照的なので例にあげると、香港島(画像赤丸)のほうは英語が通じ、外国人駐在員なども香港島に住むことが多いです。タクシーの運転手さんも英語ができる人は優先的に香港島配属になります。香港に何十年住んでも英語しかできないまま暮らす人達も多いです。


香港島と九龍

逆に、九龍半島地域のほうになると、広東語が優勢の世界になります。こちらが広東語わからないと英語で答えても、えんえんと広東語で質問攻めにしてくるおばちゃんがたくさん住んでいます(私は彼女たちのおかげで広東語がわかるようになった笑)。


「英語が通じる国」では

①人にたどり着けない

一方ここオランダ。みんな英語めっちゃうまい。
英語で話しかけた瞬間に見事に英語に切り替えて応答してくれます。
ただ、「公用語ではない」ということは、最初がオランダ語での表記だったり、電話のアナウンスだったりするのですね。たまに英語でのアナウンスが流れることもありますが、例えば私が最近ある電気会社に電話をかけた時はこんな感じでした。

オランダ語でのアナウンスのみ!

あとでオランダ語のわかる人に聞いてもらったら、「お客様番号のある人は1番、ない人は2番を押して」と言っていたようなのですが、まずこちらはそのアナウンスがわからないわけで。
なんとかなんの窓口でも担当者までたどり着ければ、快く英語で応対してもらえるのですが、オランダ語オンリーゆえにそこにたどり着けないということが起こりました。人間にたどり着く前に表記やアナウンスが分からずに詰む、ということが起こります。オランダ語表記なら、翻訳アプリを駆使してなんとか読むこともできますが、音声がオランダ語のみとなるとだいぶ乗り越えないといけない壁は高いです。

②移民局の書類がオランダ語のみの表記って嫌味か(苦笑

外国人がオランダに住むにあたっては、移民局になんらかのビザを申請して、ビザを獲得しなければならないわけです。移民局に連絡してくるのは、100%外国人だと言ってもいい。なのに移民局から届く書類がオランダ語のみの表記なんです。
これは不親切極まりないと思いました。せめてこの部署だけは英語併記にしないといけないでしょう。日本の移民局ではどうなっているんでしょうね。

ただ、香港の広東語おばちゃんみたいに、広東語ぜめ会話してくるような人はまだオランダでは会ってません。私英語下手なんだけど・・・とテレながらめっちゃ上手な英語で対応してくれるオランダ人が多くて、テレるのが可愛いです。

逆に、これだけ英語ができるオランダでも、英語を公用語指定はしていないのに、時々日本で起こる「英語を公用語に」論は、英語を話せる人口がかなり少ない日本ではやはり無理があると思うのです。英語が公用語になるということは、あらゆる公文書が英語併記になるということですから、たぶん公務員コストがとんでもないことになって破綻すると思います。

2024.2.17



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