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マスタリングの段階へ

同じ音源をずっと聴いていると、耳がバカになります。
Ginger氏は一体何回コレを聴いたのかな…などとつい考えてしまうワタクシ。

彼は仕事が早い。集中力が突出しているのだろう。

何度も聴くうちに耳はバカになります。
一体全体どれが良いバージョンなのか?
訳が分からなくてなってくるはず。

そう、香水を試す時のような、
利き酒やテイスティングをする時のような…あれです。

音楽家は耳が命
それから音源を確認する時は色々な環境下で試す。スマホもオーディオでも、なるべく均一に聴こえるように。

ごく当たり前の事だけれど、耳はとても大切だ。

Ginger氏は今回、短い期間の間に数多くのバージョンを制作しては、私に送ってくれ、またフィードバックを反映する、という、地道な作業を文句も言わず繰り返してくれた。

これは、とてつもない精神的な負担を伴う作業で、下手をすると相手を嫌いになる程のレベルのやり取りだ。

しかし、それを恐れず繰り返せた事は、信頼と良い音楽を作りたいという情熱の証でもあると思う。

私も他人の仕事には出来れば口を挟みたくは無い。
フィードバックをする度に心抉られる思いだった。

やり取りするほどレベルが上がって行く彼の速習度にも驚かされたし、私も自由に正直に自分の考えを伝えられる。

そんな状況が何よりも尊い事だと心から実感したのである。

そうして、MIXを経てマスタリングへ。

正直、私には知識があまり無いので
マスタリングによってどれほど音質が変化するのかイメージ出来なかったが、

マスタリングされた音を聴いて、コレほどまでに違いがあるのかと驚いた。

マスタリングすら、やり直す、と自ら申し出てくれたGinger氏にはもう言葉もないほどの熱量と信頼を感じた。

私の作った楽曲ではあるが、これはもう半分以上は彼の世界。

そんな想いもあって、今回は連名でクレジットする事にしたのであります。

音楽の世界では裏方の存在である、アレンジャー、そしてエンジニアの仕事こそが曲の質を左右する大きな役割を果たしている、その事を目の前に突き付けられたのは、初めてでは無いけれど、
妥協しない情熱を持ち続けるしなやかさは、共同の楽曲制作においては何よりも素晴らしい。
そこには人間的な要素も詰まっているのだ。

これに懲りず、2曲目に取り掛かっているGinger氏の豪胆さに、また驚かされている。

気持ちよく仕事をしてもらう為には、そもそものオリジナルトラックの出来も当然ながら求められるので、今から戦々恐々としていると言う、情けないワタクシなのでした。

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