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RED/B'zで今更思ったこと

 どうもべっちょです。




・今更説明するまでもないけど、この曲の性質

・黒田博樹専用曲

球界きってのB’zファンである黒田博樹(43)。2015年、米メジャー球団からの20億円超のオファーを蹴って、広島カープに復帰。その際、黒田からB’zへのオファーによって誕生した52枚めのシングル『RED』は、引退までの2年間、黒田の登場曲となった。
~中略~
「初めて松本さんに会ったのは2014年のオフシーズン。知人を介して一緒に食事をする機会をいただきました。僕は中学、高校、大学と、ずっとB’zを聴いてきた。だから、少なからず緊張感がありました。
~中略~
2015年2月、僕としてはダメ元で、松本さんにLINEをしました。『日本に戻ることにしました。もしよろしければ、僕の登場曲をB’zにお願いしたいです』と書いて送ったんです。僕のわがままを言わせてもらって、もし、ダメだったとしてもぜんぜんかまわない。
 そもそも、そう簡単にいく話ではないと思っていたけど、数日後、OKのお返事をいただいて。もちろん、すごく嬉しかった。

https://smart-flash.jp/entame/49176/1/1/


B'zの中で一番特殊な立ち位置の曲です。

・B'zの応援歌一覧

団体への「応援歌」

※太字は「リリースから採用までおかしいじゃろ!」か「使われてる期間長いわ!」枠

・ultra soul(世界水泳)2001年リリース2001,2013,2015,2017,2019,2022,2023使用(更新中)
・スイマーよ2011!!(世界水泳)2001使用
・熱き鼓動の果て(パンパシ横浜水泳)2002使用
・ultra soul 2011(世界水泳)2011使用
・兵、走る(大正製薬リポビタンDラグビー日本代表)2018~2021使用
・You are my best(世界水泳)2022使用
・RUN(2005岡山国体)1992年リリース

個人への「応援歌」


RED(黒田博樹)引退まで使用。2015年リリース

参照ページ
タイアップ一覧

・個人が依頼してないのに曲を作ってシングルになった他のバンドの曲

・I'll BE/Mr.Children(名波浩)
ミスチルの曲を聴くと何故か勝てないと名波が桜井に愚痴ったら桜井が作った。

・誰に向けて作ったのかわかるけど、「誰だよ!」ってなった曲

・がんばれタカハシ/爆風スランプ
振られて泣いてるタカハシを励ましている歌。ついでにワカバヤシも励ましている。


誰だよ!


・んで、思ったこと

・ミスチルの場合

このパターンは厄落としみたいなところがあって、なんというか、「申し訳なさ」から作ったんだろうなって…
まあそりゃそうだよね…作るよね…
ちなみにアルバムバージョンしかライブで演奏されていない理由は明白です。
体力勝負のライブ(特にツアー)であんなテンポが早くてキーも高いシングルバージョンなんて組み込んだら軽く死ねる。
というかサビの早口のところに息継ぎ出来るところが存在しない。死ぬ。ちなみにアルバムバージョンもロングトーンで死ねるというかキーが変わらないのでロングトーンがヤバい。両方ともカラオケ撃沈曲。


・爆風スランプの場合

…えーと、わかりません。失恋激励ソングのカテゴリなんだけど…タカハシとワカバヤシ、お前等誰だよ!
センスの成せる技なんだけど…人名出されても…
ちなみにシングル持ってました。


・B'zの場合

まあ、タイアップの名目で曲が出来るのはB'z(ってかビーイング)の常なんだけど、ultra soulはその範疇で異常性のある曲(曲が成長して国民的応援歌になっている)なんですけど…


REDが作られたエピソードがですね…

もの凄く簡略化すると
LINEにて

黒田「松本さん、最後の勝負なので入場曲作ってください。」
松本「(スケジュール確認してから)いいよー!(スタンプの有無は不明)」

なにこれ。




・「B'zに曲を依頼する」という行為

そもそもそういうことは法人経由で事務所を通すんですよ。しかもB'zって日本を代表するバンドですよ。

個人間でやりとりをして、そこからエスカレーション、事務所側は各所へのブッキングに大あらわ。

いや、これ個人スタジオ持ってなかったら無理だから。

それであの完成度、シングルとして発売、タイアップも付ける。

依頼から完成まで1ヶ月、発売まで4ヶ月弱。お願いする側も作る側もプロモーション側もバケモンである。


・曲の特徴

・「海外から帰ってきたサムライ」をモチーフにして、あえてのド直球ヨナ抜きを採用。
・イントロが凄い。バンジョーを使ってのカントリーフレーズなのに三味線。確かにペンタだけど、カントリーフレーズなのにテンポの妙でこうなる。遅ければこのフレーズは完全に三味線になります。じょんがらっぽさは拭えないけど、これは寺内タケシという偉大なる先達がいるので仕方ない。
黒田の「波乱万丈」な人生と「バンジョー」が無意識の洒落として成り立ってしまった奇跡。なおライブでは大賀さんが頑張ってGibson EDS-1275でバンジョーパートを12弦ネックで弾いてます(エピフォンじゃないのは8820の映像でも確認済)。
ちなみに、「ダブルネックギター」で6弦と12弦がそれぞれある場合、「12弦ギター」とは呼びません。弦の本数をよく見ろ。18本だろ。
・ファンと黒田を鼓舞するチャント。ここもサビ。
・加齢、蓄積したダメージを考えてもまだ球団に貢献出来るフィジカルコンディションで身体で戻った黒田と、黒田に戻ってきて欲しいとずっと思っていたファンとのぶっとい絆と愛を「同じ血が流れている」と表した「RED」、心身全てに染み着いたのカープの赤と球団愛と言う名の炎の色「RED」、そういった黒田の生き様を全てぶち込んだサビのR/E/D。

と、黒田の人となり、カープ、カープファンの心情を徹頭徹尾著した曲です。これを初めて聴いた時、カープファンじゃないのに背筋がゾワッとなった人も多いと思います。
曲としてのパワーが圧倒的に強い。スタジアムで黒田が登板するときに流れた時は観客の熱量も相まって更にパワーを増して、テレビ越しでも現地なんじゃないかというレベルでした。


この曲がシングルのみで、オリジナルアルバムはおろか、ベストにも収録されていないのは、
「I dedicate this entire song to Kuroda(この曲の全てを黒田選手の為に捧げる)」
を体現している。B'zファンもおそらくこれがアルバムに収録されることを望んでいないでしょう。
シングル化したのは「プロ」なので当然のことだし、黒田選手もファンに聴いてもらって、チャントが欲しいと思っていたからだろうなぁって思いました。



・おわりに


ほら、深堀りシリーズでもレイラとは文字数段違いでしょ?
文字数と曲の歴史は相関しないけど、「年輪」みたいなものとか、「数々の逸話」が無いとあの文字数は無理なんよ。

ただ、この曲に込められた熱量密度は間違いなく人々を勇気付けて元気にするレベルなので、是非聴いてみてください。
音楽に貴賤無し!


…とは単純には言えないけど。



ではまた。

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