Manon【詩】

そんな側面。

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振り子

振り子のように揺れる いったりきたり 私の価値はあなたが決めるから いつまでもここを動けず 同じような景色を昨日も見ていた気がする あなたの言葉について あなたの匂いについて いったりきたり 私の帰る家はあなたが決めるから 振り子のように揺れて 明日もらえるかもしれない優しさまで ただ時間を刻むだけだった #詩

      • あなたのこと

        自分より私達を優先すること そして誇らず否定せず あなたは自らを犠牲にし それでいて謙虚であること 蔑まされ、自分を醜いと思う それから私達の幸せを願い その為に傷つくことが出来る 美しきを知り、ひけらかさず 私達の言葉にじっと耳を傾け ひたむきに語らず いつも愛し 愛されることに涙を流し 世界に怒り 狂気を隣に置いて いつでも誰かを殺せる覚悟を持っている それが優しいということ 私が愛している あなたのこと #詩

        • 私のまま

          あなたが何と言おうと、私は私のままだよ あなたが嘘をついても、変わらない あなたのことが信じられなくなって 自分のことだって、許せなくなる 私は私のままで、あなたが変わっていく 私は何も言わないし、ここにいるだけ あなたの話はいつだって聞いているけど きっととても怖くなって、笑ってしまう #詩

        マガジン

        • わたしの世界
          11本
        • 写真詩
          5本

        記事

          わたしのこと

          ある時、わたしは風だった あなた目がけて旋回したり髪を撫でたりして ある時、わたしは花だった 穏やかで甘い匂いは香しく、 控えめな色彩であなたの視線を奪おうと躍起した ある時、わたしは銃だった あなたの心臓を打ち破って怒りをもたらし 硝煙の焦げたような感覚は後悔だけを残した ある時、わたしは音楽だった ありったけの旋律を響かせてうたった ある時、わたしは森だった 静寂は続き、湿った迷路を突きつけ あなたを傷つけるために成長した ある時、わたしは命だ

          わたしのこと

          無題

          わたしの言葉が誰かを殺せるような力を手にしていても、 その決断が意図していない何かを奪おうと わたしは生きていて あなたも生きていて たくさんの命のあいだで、人間のように生活して 優しい勘違いの恐ろしい言葉を 明日もちゃんと受け止めなければいけないのだ #詩 #言葉

          ひとりぼっちの鳥が 木から離れて土を踏むとき 空はもっと青く見えて 高く競う群れの一団に 見えないように隠れたから 還りたいのは海の底 音もない真っ暗な冷たい砂の中で 眠りたい それでも鳥の心臓が ひとりぼっちの振動は コクリコクリと鳴いていた #詩 #鳥

          美しい私

          あなたの中にいる私は 恐らく美しかった ほんとうはそれほど優れていなくて すぐ怒りに飲み込まれてしまうような醜い塊だけど あなたは私を見つめては やわらかく微笑んだ その分ずっと孤独でいつも怖かった それからあなたが姿を見せなくなったのは 美しい私をきっと、嫌いになったのね #詩

          言葉

          慎重に選んだ言葉がまだ浮かんでいるのは 私の感情が体の中心でうごめいているだけだから 誰かの親切や優しさが 今すぐにでもありとあらゆる痛みを映してくれたらいいのに。なんて 唇は頑なに このあとも隠すように曖昧な私を 地に堕ろすのだろう 澄み切った空気の先には 叫びたい意思があるのに届かない 悟った後悔と悔しさだけが突き抜けるように鋭く放たれていく 何度も何度も何度も わたしはゆるされたいのに すべてをどうでもよくして あいされたいだけだろうと うな

          孤独のこと

          孤独のこと

          いかりの痕

          あの暗い長い道の側から聞こえていた声は 空虚であるようで、それで確かで つかめるような感触を孕んでは わたしの周りを旋回した 遥か記憶の底からすすり泣くような あなたの雄叫びが、それは痛みで わたしをこの世界に繋ぎ止めていたかもしれない この身体を強張らせ 刺すような大気の残酷が また2人を閉じ込めては離さないようだった あの暗い長い道の先には きっとあなたがいただろう 立ちすくんで肩を固まらせながら 確かにわたしを見ていたのかもしれない #怒

          いかりの痕

          ふたり

          あなたはあなたの美しさを知るために生きていればいい わたしは あなたの悲しみにひっそりと耳を傾けて 心の動きに集中できればいい あなたはあなたが見えるように考え、息をつなぎ、また夜を越えられるように 苦しみ、耐えればいい わたしがあなたを待つのだから あなたが何にも咎められないように だからいつまでも言葉を交わさなければいけなかった それはあなたの命と、わたしの一片の美しさに残された僅かな正義を信じることだから #詩 #夫婦 #結婚

          猫へ

          もう会えない 通勤途中の朝霧の中であくびをかく、あの猫に 白と黒が背中で交差する、あの猫に 小さな囁きのように呼ぶ声は まだ私の耳の奥を優しく撫でては、消えていく この冬が訪れてから三ヶ月 寒さは去ろうと身支度をしているのに 短いしっぽを絡ませて甘えたあの猫に 抱えたコンビニの袋によじ登ろうとしたあの猫に しなやかな体はあたたかく 折れたヒゲを誇らしげに従えて 常夜灯の曲がり角から、 帰宅する私を毎晩待っていたあの猫に また会