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「市井の人々の資産形成をお手伝いしたい」著名ファンドマネージャーがベター・プレイスCFOに転身した理由

「ビジネスを通じて、子育て世代と子どもたちが希望を持てる社会をつくる。」という企業理念のもと、現在および将来にわたり、人々が「お金の心配なく」「自分らしく働ける」社会を目指す株式会社ベター・プレイス。医療、保育や介護など、人々の生命と社会生活を支える人たちの資産形成や福利厚生を支援するための「はぐくみ基金」の設立のほか、DXにより企業年金を刷新し、初心者の方でも手軽に老後の資産形成ができるような取り組みを行っています。

今回は執行役員CFO 財務経理部ゼネラルマネージャー野崎 始に話を聞きました。大手アセットマネジメント企業で、「モーニングスター・アワード・ファンドオブザイヤー」を4度も受賞したキャリアを持ちながら なぜベター・プレイスへの参画を決めたのか。ファンドマネージャー視点から見た「はぐくみ基金」の良さとは?投資や資金調達といった財務を統括する野崎に、ベター・プレイスの「これから」について語ってもらいました。


「市井の人々の資産形成をお手伝いしたい」とベター・プレイスに参画

―ベター・プレイス入社前のキャリアについて教えて下さい。

東京大学法学部を卒業後、丸紅で紙パルプ関連、主に輸出入業務を行っていました。若い時から色々と任せてもらい楽しかったのですが、それはゲーム的な面白さでした。自分自身にとっての社会的な意義が見いだせないビジネスに次第に疑問を感じるようになった頃、プライベートでは子どもに恵まれました。家族の将来により思いを馳せるようになり、資産形成への関心が深まりました。
 

―その後転職した さわかみ投信では、どのような業務を行っていたのでしょうか?
 
さわかみ投信では、企業調査をするアナリスト、その後はファンドマネージャーをしていました。
さわかみファンドに出会って、「自分は何のために存在しているのか、何ができるのか」に対する答えが明確になった。「市井の人々の資産形成を知恵と努力でお助けすること」が私の個人的なパーパス(目的・意図)だとハッキリしました。

ーその後、三菱UFJ国際投信では、優れた運用実績とマネジメントを持つ投資信託に贈られる、「モーニングスター・アワード・ファンドオブザイヤー」を4度も受賞していらっしゃいます。主にどのようなことを担当していたのでしょうか?

国内株式バリュー運用とESG投資です。国内株式バリュー運用は約10人編成で、チームとしておよそ5000億円ぐらいを国内株やJ-REITで運用していました。そこでチームヘッドとして、さまざまな経験を積みました。ESG投資(企業の財務情報だけでなく、環境・社会・企業統治を重視した上での投資)では、企業価値を高めてもらうよう、具体的な提言をもって日本を代表する企業との対話を数多く行いました。そうした経験は今も企業経営に活きていますね。

三菱UFJ国際投信時代を通じて、改めて気づかされたことがあります。
 
投資信託のメインターゲットは2つあり、ひとつは大手企業を定年になって、何千万円もの退職金の運用を考えているような人。

もうひとつが、共働きで大企業勤務のダブルインカム層。タワーマンションに住んでいるような、いわゆるパワーカップルで、金融リテラシーも高い方々。要するに、高年収な人たちが投資でさらにお金を増やすことが多い世界です。「こうした投資信託は本当の意味で市井の人々の役に立っているのか?」と徐々に違和感が増していきました。 

そのような高年収の方々よりも、日々の生活・仕事に追われて資産形成どころじゃないとい人のほうが実際には多いわけです。そういう市井の人々のための資産形成をお手伝いしたい、それが個人的パーパス実現につながるのではと考えたのが、ベター・プレイスに入ったきっかけのひとつです。
 
2021年の年末に、代表の森本から新規事業に関する相談を受けました。
 
はぐくみ基金の話を聞き、退職金制度や年金制度を必要としているエッセンシャルワーカーと向き合っているところがいいなと思いました。自分のパーパスともピタリと合致する。新規事業の話のはずだったのに、その場でCFO就任を決断していました。

投資の王道であるところの長期投資を貫くのは難しいのですが、はぐくみ基金は別です。はぐくみ基金はまだ若い基金ですから、出ていく資金があまりない。60歳以上の人への給付はまだこれからだし、掛け金はおかげ様で着実に入ってくるので、運用資金が右肩上がりに増えていく。どっしりとしたお金で本格的な長期投資を実現できることにファンドマネージャー視点で魅力を感じました。

アメリカの大学財団が本格的な長期投資のお手本で、例えばハーバード大学やイエール大学なら寄付金を元手に何兆円という資金を運用して高いパフォーマンスをあげて大学を持続的に発展させる柱としています。寄付金という資金特性を活かして、換金性は低いがリターンの高い不動産やインフラ等の低流動資産に積極的に投資しているのが、高い運用実績の秘密です。エンダウメント投資と言うのですが、これを、はぐくみ基金に応用させることも可能だと考えています。

社会的意義のために意欲的に働く人が集う「幸せな会社」

―実際にベター・プレイスに入社してどうでしたか?

風通しがいいなというのが第一印象ですね。

僕がこれまで生きてきた金融の世界は、非常に待遇が良い。待遇がよすぎて、人材が流動しない。本当にやりたいことが他にあっても、年収1,500万円が半分になると思ったら転職しませんから、言葉は悪いが一種のタコツボ化してしまう。

一方ベター・プレイスは、自分の社会的意義のために働いている人間ばかりが集まっている。ビジョンフィットした社員たちが誇りをもって仕事していて、風通しがいい。

 わかりやすいなと思うのが、はぐくみ基金に社員全員が加入していること。自分のところの商品だからって必ずしも入らなくていいわけで、それでもみんな加入している。

それはつまり、はぐくみ基金がいいものだと信じているし、信じているからこそ心の底から「こんなに良い制度なんですよ」と伝えることができる。自分が勤務する会社、そこで提供している商品やサービスにそれだけ自信を持てるというのは、とても幸せなことです。私の経験ですと、仕事に対するパワーが漲り、仕事人としての成長角度もグッと高まります。

DB・DC*の大衆化、民主化こそがベター・プレイスの使命

*DC(確定拠出年金)・ DB(確定給付企業年金)

 ―では、はぐくみ基金について、野崎さんのお考えを聞かせてください。

 介護や保育、医療、その従事者は700万人以上いらっしゃる。しかし、はぐくみ基金に加入してくださっているのはまだ3万人、もっとスピード感をあげて、エッセンシャルワーカーの退職金制度を普及させなくてはいけません。

 DCやDBは、今話題になっているiDeCoよりも大きな掛け金をかけられる、それだけ将来の資産を大きく増やせる可能性を持っています。DC・DBは公式の私的年金であり、資産形成ツールとして国が用意してくれた最強の制度です。

 ところが厚生労働省のデータを見ると、従業員数が100人未満の事業所では、DC・DBの導入率はわずか14%。300人規模の会社でも、約3分の1の事業者しか、DC・DBを導入できていない現実がある。

日本は中小企業が中心で、日本全体の労働者のうち7割が中小企業勤務と言われています。それなのに、優れた制度であるDC・DBは結局、大企業のものになっている。でも大企業で働いている人はそもそも高年収なのですから、本来は中小企業で働く人々にこそ、いろいろな資産形成の機会を提供して、格差を縮めるのが正しいやり方です。

そういう意味で、今は主に医療介護や保育のエッセンシャルワーカーを対象としていますが、もっと「はぐくみ基金」のようなDB、あるいはDCを日本中あまねく幅広い人々にお届けして、大衆化・民主化させていくのが、ベター・プレイスの使命だと僕は思っています。

―CFOとして今後の展望についてはいかがでしょう?

ベター・プレイスのこれからについては大きく分けて3つの展望があります。

1つ目 は、上場すること。

 株式市場・IPO市場が非常に混乱している状況ですが、長い目でみてベター・プレイスの企業価値が世の中から正当に評価されるような状態にしていきたいと思っています。エッセンシャルワーカーの方の大事なお金に携わっている会社ですから、上場準備を通じて企業としての体質強化を一層図っていきたいと思います。

 2つ目 は会社の組織を固めていくこと。

具体的に言うと、社長の役割はドン・キホーテ 既成概念にとらわれず、あらゆることに立ち向かっていき、対外的な顔になる。さらにMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、つまり使命や理念、行動指針を語って会社に浸透させていくこと。

COO(最高執行責任者)は番頭さん、会社のオペレーションを常にブラッシュアップし、内部を強靭な組織として固めていくこと。

そして私はいわば軍師であり参謀ですから、兵站確保、ビジネスに必要な資金調達をスピーディーに確実に行うこと。それともうひとつ、ドン・キホーテや番頭さんに対して必要なら直言・諫言していくことが私の役割だと思っています。

3つ目は、はぐくみ基金の商品性向上・サービス強化です。

まずは、はぐくみ基金の利回り向上です。安心安全な運用という運用方針を維持しながら、はぐくみ基金らしい運用にチャレンジしつつ、導入企業様にも安心して制度を継続していただくような体制づくりに貢献したい。

次に、はぐくみ基金を補完するサービスの拡充です。退職時・休職時に加えて、育児・介護休業時にも積立金の受け取りが可能なはぐくみ基金の利便性は非常に高いと思います。ただ、教育費だったり、冠婚葬祭だったり、親の介護だったり、人生日々思わぬ出費があるものです。そういった場面でもお金の心配をしなくていいように、小口の貸付であったり、給与の前払いだったりのサービス化を検討しています。

―最後に、ベター・プレイスの未来、どのような会社として成長していきたいかを聞かせてください。

ベター・プレイスはまだまだこれからの会社です。もっともっと美しい会社になれる。私の言うところの「美しい会社」とは気持ちの良い挨拶、思いやり・気配り、前向きで謙虚な姿勢、妥協のない清潔さ、使命感・パッション等お金で買えないものを大事にしている会社です。美しい会社として大きく成長していけるよう私も全力で努力していきます。


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