川柳10句『薔薇の囲繞地』

爽やかな朝だ二、三の敵もいて

庇えるか不破哲三で抜く奴を

読みさしの死蝶の翅に火の挿し絵

不可算の目玉を宇宙まで投げる

キビ刈りの鎌でリスカをしても家父

海までの距離があの子の余生なの

慄然として舐め回すマンホール

天の配剤飲めば早世

敗訴した薔薇が囲繞地から逐われ

置き配の冷たいギフトに触れて泣く

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