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自閉症児の事情と、完璧じゃない大人

粗相やいたずらをして、大人に怒られるときハルは…
笑ってしまうことがある。

こちらは怒っているので「なんで笑うの‼︎」と言いたくなる。

けれど自閉症の子には事情があって、
【感情表現が気持ちと連動してない】ことがある。

やっちゃった、どうしよう…とパニックになっているときに笑ってしまったりする。
他にも、嬉しいプレゼントを「いらない」と言ってしまったりもある。
なんてやつだ!と片付けられてしまう事も多いと思う。
でもそれにはちゃんと 理由がある。

例えば、本人が自分でもやべーと思ってる時に、不安で怖くて混乱してどうにかなりそう!となり
身体の反応が飛ばす信号を誤るのか、制御が働くのか、
とにかく本人の意思に反して「笑う」という表現が出てしまったりする。


そのほかにもハルは1分前までアニメを見て笑っていたのに急に泣き出すときもある。
すると周りは「何かあった?」「どこか痛い?」と気にかけるけれど
その泣いてる理由は5年前の記憶が蘇り今起こってることのように鮮明に感じて悲しいからだったりもする。

それからプレゼントをいらないと言ってしまう件は、
東田直樹さん(話せないけど文字が打てる自閉症の作家さん)が著書で言っていたことだけど、
小さい頃にプレゼントを貰うときにうまく受け取れずにいると、大人達から「いる?いらない?」と毎回聞かれたことで
そのセリフの後半部分「いらない?」が記憶に強く残ってしまい、反射のようにその言葉が出てしまう…などということもある。
それは御本人も困っていた。


とはいえこちらとしては、ハルを怒ってるときに笑われると 腹が立つ。
笑うな!!!と思う。怒りの燃料が追加されたような気になる。
でもそれは私が「怒ってる」時点で腹が立っているからだ。

子供に対して、怒るということは必要ない。
必要なのは「叱る」「伝える」「した理由を考え寄り添う」こと。
これは本当にそう。そうなのだが…

余裕がなければ受け入れられない。
感情のある動物が人間である。笑いもすれば、怒りもする。

それから、怒るという感情自体必要ないとは思わない。理不尽な事をされた場合は、きちんと怒れた方がいい。
私は怒るのが下手でセクハラされても怒れなかった類の人間だった。

大人は、決して完全な人間じゃない。
決していつも正しいわけじゃない。
それは子供達にいつも伝えるようにはしている。
ママもパパもたくさん失敗するし、毎日穏やかではないし気分や体調によって変わってしまうこともある。
だったらそりゃあ、ハルだって感情がちぐはぐにもなるさ。イツもぴっぴもある。
そんなこともあるだろう。

完璧を目指さない。
それから、子供は怒られたらしゅんとすべきなんて固定概念は捨てる。
笑いながら反省する子がいたっていいじゃないか。
わたしだってぽんこつだ。嬉しくて泣いたりもするし。尊くて泣いたりもするし。

そうそう。
完璧なんか天竺ほど遠いもの目指すのはやめた。一般人は三蔵法師じゃないのだ。
1番だいじなのは、一緒にいたいと思うこと。あなたと暮らせて、嬉しいと思える日々。
きちんと躾けたいとか、療育して普通に近づけたいとか、あまり思わない。
今日も目覚めれば横にいて、無事ただいま、と帰ってきてくれる。
ありがたいことである。

そして今日もトイレを汚されれば怒ってしまうだろう。

完璧じゃない我が家は今日も賑やかである。

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