都立中受検について

■はじめに(注意事項)
このnoteでは都立中高一貫校(区立九段を含む)を目指される方向けに作成してます。ここに記載する内容はあくまで管理人の子供の受検に基づく経験と調査などを含む私見に基づくものであり、ご判断は保護者の皆様、そして何よりもお子さまにて行ってください。可能な限り調査してお伝えしたく思いますが、事実等の確認なども読者の皆様にてお願いいたします(事実と異なった場合の責任は負いかねます。)。なお”都立中高一貫校とは”、などの知識はある前提で記載いたします。

■都立中受検対策は地頭トレーニング
「都立中受検に向いている子」、こんなタイトルで記事がかかれているのをよく見ますが、私は正直なところどんなお子さんでも都立中受検のチャンスがあると思ってます。よく都立は地頭がいい子しか受からないとか言われますが、確かに合格するときにはそれは正しいのかもしれませんが、実は最初から地頭が良い必要は必ずしもありません。この都立中高一貫校の適性検査対策の勉強を行うこと自体がとても地頭トレーニングになる、地頭が良くなると言えると思ってます。そうして合格するときにはとても地頭の良いお子さまに成長しているはずです。なお地頭が良いに越したことがないのは私立中受験も同様であり都立だけがそれをフォーカスされるのはおかしいかなと感じています。
また都立受検をするためにはそれ専門にという時もあったかもしれませんが、近年適性Ⅱ、適性Ⅲが私立中的な問題が課されていることもあり、また後に記載のとおり適性Ⅰも一定程度国語があるという観点から私立中を主として狙っているお子さまでも狙いやすくなってきていると思います。特に考えられてなかった方も食わず嫌いをせずぜひ一度ご検討いただければと思います。

■都立中受検の試験形式
私立中高一貫校の入学試験は国語・算数・理科・社会(または国語・算数の2教科など)で行われることが一般的です。それに対して都立中高一貫校は学校の内申点の点数も含めて、試験当日は適性検査というテストを行います。
・適性検査Ⅰ(国語+作文)
・適性検査Ⅱ(算数・理科・社会の融合問題)
・適性検査Ⅲ(算数・理科といった理系的素養を問う)
いずれも45分間のテストです。
一言で適性検査といっても学校によって傾向はまちまちです。まずそもそも
①適性検査Ⅰ+Ⅱの2科目の学校
都立三鷹、都立桜修館、都立南多摩、都立立川国際
②適性検査Ⅰ+Ⅱ+Ⅲの3科目の学校
都立小石川、都立武蔵、都立両国高、都立大泉、都立富士、都立白鴎、千代田区立九段

なお独自問題も学校によって内容が異なります。例年の傾向ですので傾向が変わる可能性も否定はできませんが、例えば適性Ⅲでいうと
都立小石川、都立武蔵、都立大泉、都立白鴎は算数+理科が問われます
都立両国、都立富士は算数力が問われます

このように一言で適性検査Ⅲというだけでも問題が異なりますので特に受検校が決まった直前期には過去問などでしっかり傾向を見て対策をとっていただければと思います。

なお国公立受検は比較的ゆる受験だという話が媒体を賑わすこともありますが、経験的には都立中受検は全くそんなことはありません。普通に私立中対策をやる傍らでちょっとやれば何とかなるというのはよほどの優秀なお子さまくらいだと思います。多くのお子さんは私立中対策と同様に多くの時間を割いて勉強しています。練習で作文を100本以上書くなども当たり前(子供が通っていた●naでは年間150-200本書いて鍛えられました。)で、算数、理科は私立中と同様の勉強がされていることで勝利が見えます。単に試験形式と問われる内容が異なるだけで楽なわけがありません。

■試験対策
具体的な試験対策は別回にするとして、ここでは簡単に各科目の試験対策について記載したいと思います。

①適性検査Ⅰ
国語と作文力が問われます。適性Ⅰ(共通問題)では400字作文が出るということでそれがあまりにも有名になって適性Ⅰ=作文という先入観をお持ちの方も多いようですが、3割4割の点数割合で国語があります。いずれも記述問題です。例えば2022年の問題を見たいと思います。都立小石川のサイトを参照させていただきます(小石川適性1-問題 (metro.ed.jp))。
※なお同じ問題(適性検査Ⅰ)を都立武蔵、都立両国、都立大泉、都立富士で行ってます。

問題では長文を2つ読みます。その上で
【問1】では片方の文章で出てくる用語をもう一方の文章ではどのように表現されているかを聞かれてます。
【問2】では2つの文章で書かれている研究に対する姿勢の共通点の記述を求められてます。
【問3】では筆者の研究や学問への向き合い方を踏まえて(どちらの筆者を踏まえたかも明らかにして)どう6年間を過ごしていきたいかを400字以内で書くという作文です。

最近の傾向ですが2つの長文を読ませてその共通項を聞く、それを踏まえた作文を書くという出題でした。また2022年については自分でしっかり構成(作文をいきなり書き始めるのではなく記載する内容を箇条書きで先に記載してまとめたメモです)を作った上で作文を書くという基礎ができてないと太刀打ちできない問題でもあり良問だったと思います。超長文読解を含めてこの全てを45分以内に行う、もっと言えば40分位で解き終えて見直しをするという段取りができる力がないと勝てない試験です。

適性Ⅰ対策については、
・まず基礎となる国語力を養う(基本中の基本)。私立対策的でOKです。まずは読解問題の基礎力をつけてそして難問でも戦える力を蓄えたいです。
・作文については、作文に使う「持ちネタ」を複数準備、そこから構成を作成する練習、構成から実際の答案を作成する練習の3本を何度も行う
だと思います。
具体的にどんな勉強をやると力が付くか、伸びてくるか、については別回で記載します。方法もご参考までに複数提示しますのでお子さんに合うやり方で行っていただければと思います。

②適性検査Ⅱ
算数、理科、社会の融合問題が出題されます。近年難化傾向です。学校によっては(どの学校も)従来よりは低得点争いになっているという話も聞きました。なお小石川と武蔵は社会は独自問題を入れており、算数と理科は共通問題です。例年問1が算数、問2が社会、問3が理科です。こちらは全て共通問題を課す都立両国のサイトにリンクさせていただきます(r4_mon_last (metro.ed.jp))。
【問1】では算数で図形の問題でした。かなりの難問で合格者でも点数が全くとれなかった子供も多かったのではないかと思います。
【問2】は社会です。魚を使った料理などを見つつ、食材と気候との関係などを問う問題です。ボリュームはありますが比較的分かりやすい設問だったと思います。
【問3】は理科です。石鹸と洗剤についての問題ですが、分量が多く、限られた時間で記述も含めて書ききるのは至難の業だったのではないかと推察します。

適性検査Ⅱ対策ですが、
まずは算数は私立的な勉強をすることが都立にも効いてくると思います。こちらは適性検査Ⅲが課させる学校はさらに効きますがいずれも高い算数力と読解力を試される試験になります。少なくとも中堅~上位の私立中学でも十分に勝負できる算数力を磨くこと大切です。
続いて社会ですが、社会は地理分野からの出題が多い印象です(その他は公民)。基本的にデータを出されてそこから記述をしていくという観点から適性検査試験は地理との相性が良いのだと思います。したがって私立と併願を予定している方も地理分野、またそれに基づく記述力を養うことを目指されてください。
そして理科ですが、多くは何等かの形で実験を行い、その結果から考察を書くというものが多いかと思います。適性Ⅲも同様ですが実験の考察だけでなく、どのような実験を行うことで得たい結果を得られるか(課題の解決を得られるか:実験計画)を考えて結論づけられる力を養うことが重要です。

③適性検査Ⅲ
都立中の中で適性検査Ⅲまで課す学校は上記の通り複数ありますが、いずれも独自問題です。各学校の特徴があるのでそれに合わせて傾向対策をとっていただければと思います。理系的素養を問う形の設問で応用理系問題と言われることもありますが、対策は適性Ⅱの算数、理科と同様です。適性Ⅱの内容がしっかり解ける対策ができていれば適性Ⅲも対応できると思います。各学校のホームページに問題と解答案が開示されてますのでぜひご覧いただければと思います。このnoteでもどこかで取り扱うかもしれません。

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