都立中受検 適性検査Ⅰ対策

題名が並んでいる中でこの題名を見るといきなりここから読み始める方も多いかもしれませんが、先に基礎の基礎の記事はお読みになっている前提で記載しますので、そちらを先にご覧頂ければと思います。
なおこちらは管理人の経験(n=1)に基づいております。よりしっかりとした対策はやはりプロの先生に従った方が良いとは思います。個人的にはケイティ先生のブログは分かりやすくていいと思ってます(2021年2月3日実施【都立中適性検査Ⅰ】分析|【適性検査対策!】ケイティの公立中高一貫校攻略ブログ (katy-tekiseikensa.net))。

さて都立中受検対策を行う前におそらく多くの親が最も恐れるのは適性Ⅰではないかと思います。「45分で400字作文なんてうちの子にできるかしら!?」は多くの方の反応ではないかと推察します。もっと言えば適性検査Ⅰ=作文は誤ったイメージです。共通問題であればその前に国語の問題が2つ課されるのが通常です。従って作文に費やせる時間はさらに短くなるというわけで小学校6年生には過酷な試験だと思います。

なお先に書きますと適性検査Ⅰにおいて忘れてはいけないこと。それは「立派な作文は求められていない」です。作文自体はつまらない内容でOKです。むしろしっかり問題文に課された条件で書かれているか、しっかりと構成ができていて論旨が明快かが大切です。そこで点数がつきます。
適性検査Ⅰ対策としては以下を先にサマリーで記載します。
この5つができれば適性検査Ⅰは合格点に到達します。

・まずは国語力の養成が何よりも先決
・短い文章をしっかり書けるようにする(基礎の基礎参照)
・作文の持ちネタ帳を作成する
・文章構成を作る練習をする
・作文を書く練習をする


①まずは国語力の養成が何よりも先決
とにかくこれが先決です。国語力をつけることが適性検査Ⅰ対策の基礎の基礎と言えるでしょう。もっと言えば私立中を併願される方にとっても大事な対策です。この国語力を養うために何をすればよいか。「読書!」は誤りです。もちろん読書を多く行って文章を読むことに慣れ親しむことは役立つには役立ちます。ただ国語という科目を行うためには、国語の文章読解力を養成する必要があります。私の経験的にはおすすめとして以下の問題集を記載します。
・出口の小学国語レベル別問題集(0~3)など
・ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集などのふくしま式シリーズ

個人的には出口先生の問題集が好きです。理由は単に自身の大学受験の時に出口先生の問題集を利用して現代文が以後無敵になったからというものなのですが(笑)、子供にも理解はしやすかったようで中学校に入った今でも役立っているようです。

文章において「イイタイコト」は形を変えて繰り返されるという話で、子供にも説明しやすい内容です。例えば親に新しいゲームが欲しいと主張するとします。イイタイコトは「ゲームを買ってほしい」です。そのために念仏のようにゲームが欲しいゲームが欲しいとイイタイコトを言い続けるのが得策でしょうか。説得するために別の言い方をします。
・例えば友達のAくんもBさんも持っていて自分だけ持ってない、だから一緒にゲームで遊べない。
・最近勉強もしっかりしてテストでも100点ばかりとれてる。だから新しいゲームを買っても夢中になりすぎず両立できるのが証明されてる。
だからゲームを買ってほしいなどですね(笑)。

こうして説得する側に回ってみると言いたいことを説明するために時に抽象的な言い方としたり具体的な主張したり、例を出したりするわけで、文章読解においてそこをしっかり見極めて解いていこうという手法です。そのために何が必要かが説明されている問題集です。

ふくしま式も似たような考え方だと思います。文章における具体化と抽象化の繰り返しに着目などをするものです。本屋でぺらぺらと見ていただき、お子さまに合うものを選択されてください。

なお余談ですがこの国語的な文章読解力が付いたうえで読書をするとまた違った有意義な読み方ができるようになるはずです。

②短い文章をしっかり書けるようにする(基礎の基礎参照)
こちらについては基礎の基礎の方で記載しておりますのでそちらをご参照ください。さらには国語の問題集でも記述問題がありますのでそこで鍛えることもできます。

③作文の持ちネタ帳を作成する
この作文のネタ帳作成は都立中適性検査Ⅰ対策の基本中の基本です。これなくして適性検査Ⅰの合格ライン到達はほぼ無いと思っていただいても過言ではありません。もちろん何も作成しなくてもそこでぱっとネタが思いついて書けてしまうお子さまは良いと思いますが多くはそうはいかないと思います。なお後に記載しますが実際はこのネタに基づいて多少嘘を混ぜながら作文を完成するというのがテクニックになることもあります。

(ネタの例)
・中高6年間で行いたいこと(小学校時代の経験から)。勉強に関することが望ましいと思います。
・将来の夢、なりたい職業(これまでの経験とつなげて)
・環境関連の経験
・高齢社会関連の経験
・友達関係での経験
・創意工夫の経験
・多様な意見をまとめた経験
など

上記以外のテーマも含めてある程度書く内容のネタを作っておきます。本番は長文を読んでそれに即してという形ですが、2022も研究に関する内容の文章を読んでから6年間で行いたいことを書くという内容でした。課題文に基づく研究姿勢を踏まえて自分のやりたいことを記載する構成ができれば合格点に到達したと想定されます。このネタ帳は必ず作成するようにして、そこから文章構成を作る練習をされてください。

④文章構成を作る練習をする
作文答案を作成する前にまずは何を書くかをしっかり構成を作ることが大切です。ここに数分使ってでもしっかり作成してその上で文章を書くことで合格答案をより書きやすくなります。

下記は架空の「常識を疑う大切さ」みたいな課題文章があるとして、それに基づいて構成を作成という例です。

・文章の筆者の言う常識を疑うことを常に大切にして中高6年間で●●を特に勉強・研究したい
・小学校時代に●●の経験をした。それまでの常識からは考えられないことで目からうろこが落ちた。常識を疑う大切さを知るとともに、それが不思議で図鑑やネットなどで調べたり先生に質問したりしたが、より詳細な研究をするためには少なくとも高校の物理・化学の知識が必要だと分かった。
・図書館で本を借りたりして自分でも中学、そして高校の物理・化学の勉強を進めてきたがやはり理解するのは難しかった。入学したらその学習を進めてその研究をしてみたい。またできれば高校の範囲を超えて学び、その研究に活かせたらと思う。その勉強の過程で得られる知識の中で当たり前がまたできてしまうかもしれないが、常にその常識を疑った研究を行いたい。当たり前を疑う中で新しい発見があるのだと思う。常にその意識を持ち続けたい。

こうして書く内容を先に軽く書いてから作文に入ります。時間も限られるのでここまで書かなくても箇条書きして開始で良いと思います。
上記では「研究ネタの課題がきたらこの●●の経験で驚いたことをネタとしてもっている」前提です。こうしてネタ帳が活かされます。実際は中学くらいまでの内容の勉強しかしてなくても(中学受験の理科は中学の範囲が入ってます)、実際にはやってなくても高校の物理化学の内容も勉強しようとしたくらいの嘘を入れてキレイにしてます(笑)。あとは新たな知識から新たな常識が生まれるかもしれないが常にそれを疑うことで新しいものを生みだしたいみたいなことでも書ければ小学生としては十分合格だと思います。実際にそう思ってなくても大丈夫です(そんな子供もたくさんいます)。要するに文章に基づいた内容を経験を交えて求められる内容が書ければOKです。

⓹作文を書く練習をする
最後の最後ここが大切です。
・400字作文なら9割の360字以上の文章に構成から広げて書いていく(共通問題では400字以上440字以内とされることが多いかとは思います)。問題文に段落分け指定がある場合はその段落分けが指定どおりされているか。
・作成した文章構成内容がしっかり落とし込むことができているか。
・文章を読んだときに論旨が明快になっているか
・内容が抽象的になりすぎてきていて具体例や具体の経験が記載されていないことはないか
・同じ内容が繰り返し何度も記載されすぎてないか。
・幼稚な表現になってないか(ここご注意ください)
などをお子さまの解答案から確認します。ここは小学生なのでさすがに訓練が必要です。最後に記載した日本語が幼稚でないかもチェックして修正を随時されてください。ご心配なく、小学生あるあるだと思います。
文章の内容が伝わるかの基本は基礎の基礎で練習したはずの短文をしっかり書く練習です。そして短文がたくさんつながって作文です。つながった文章が論旨明快かを確認。あとは上記の細かいところです。あとは誤字脱字は気を付けたいです。もったいない減点です。

なお繰り返しますが立派な作文が書ける必要はありません。つまらない内容で大丈夫です。あと多少本当でないことをいれてもいいんです。そこも問われません。

以上になります。また何か思いついたら更新してまいります。

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