見出し画像

伊豆大島

2019年夏。

1回目と見せかけて、2回目の登壇。

あの悲劇から1年がたったのだ。




--------------------------------------------------------------------------------------

忘れもしない2018年。

就活という地獄の中に俺はいた。

地獄の沼にいる管理人は俺を見てくれていたんだ。

毎年恒例のサークルの夏合宿。目的地はだれが何といおうと八丈島。


面接かなんかで途中参加を余儀なくされてしぶがっていた俺だったが、意外とみんなが待ちわびてくれていることを知り、胸が高まりながら竹芝桟橋につく。

と、。淡々とそしてうきうきと八丈島を目指している姿が想像できるだろう。島に行ったことがある人なら特にわかると思う。

が、俺と一緒にもう一人仲間がいたんだ。

以下、執念の調べ。








「「「「「SHANSHANくん(台風13号)」」」」」







画像1







もうわかるだろう。こいつの猛烈な裏切りに遭い、俺はこの年、八丈に上陸することは無かった。






・・・・・・・・・・・・・






がしかし、このストーリーには続きがあった。

一年後に繋がる壮大すぎる程のサブストーリーが。


時は少しさかのぼり、SHANSHAN君が裏切る少し前。

実はうっすらとやばい雰囲気はあった。

しかし、何とか行けるだろうと祈っていた俺にフェリーが出航できることを聞く。
(フェリーは天候不良で目的地に着工できないと分かれば割と簡単に欠航するんだよ)

初めてのぼっちフェリーに乗り込む。


画像2


寂しさをかみしめながら極貧大学生の温床、二等和室へ乗り込む。

そこで、一人のおじさんと出会う。

話を聞いてみると、仕事で御蔵島への出向がきまり、その道中にいるというのだ。

お互いさみしかったのだろう。自分の境遇を話したあと、眠りにつく。


朝4時くらい。

館内放送。

うるさいな。

耳を澄ます。

「八丈に着港できないため引き返します by 悪魔の館内放送人」







おわた。








画像3






御蔵島に着くちょっと前だった。突如目的を失った人間は思考が止まって何が起こったのか把握するのに2秒くらいかかるんだね。


あと一歩なのにいいいぃ。



画像4



おじさんと少し話し、悲しみの渦の中再び眠りについた。


起きたらおじさんはいなかった。

一期一会すぎる。

見送りぐらいしたかったなあ。

今思うと御蔵島出向はえぐすぎる。

今頃どうしているんだろうか。


戻り途中は結構絶望しながら、何もすることもなく二等和室で1人眠っていた。

次に目を覚ましたのは、またまた館内放送。

耳を傾けると、11時から16時まで伊豆大島に停泊するんだって。

『伊豆大島』

おいおいおい、ばかか。

実際これきいたときは自分の不遇さに少し笑えていた。



吹っ切れた俺は散歩することにした。

大島の港、町並み、海岸。

めちゃめちゃ歩いて散歩した。


画像5



色々あって竹芝桟橋には夜中に着いた。

そんなこんなで、24時間ぼっちフェリー旅は幕を閉じた。



END

--------------------------------------------------------------------------------------









時は流れ、1年後。

俺は伊豆大島行きのフェリーを待ち竹芝桟橋に登壇していた。

変わったことと言えば、フェリーが大型船じゃなくてジェット便になったことと釣竿を携えていることくらい。

男6人の釣り遠征という名の旅行。

大学生活の中でもかなり楽しい旅行だった。

この年、大学4年だった俺らだがこの旅行のために(大義名分)7月は研究もせず釣り強化期間として週一回は釣りに出掛けた。

当時は行き過ぎていて釣りに若干飽きてしまっている自分がいたが今思えば、まぎれもない青春だった。

その集大成としての伊豆大島。


結果釣果は良かった。というか、魚群がえぐかった。

でかいハタとかグレとか釣えたり、イセエビひっかけたやつもいた。

早朝5時とかに起きて朝釣りチャレンジして豪雨に見舞われ速攻帰ったのもいい思い出。

画像6


釣りだけではなく海に入ったり温泉入ったりしたが、何といっても楽しかったのは原付島一周だ。

海岸を爆走したり(友達が原付乗ろうとしたらバイクが暴走して貸出人に突っ込む)、
霧の中山登ったり(なぜか有名観光地である黒砂漠を見逃す)、
無料の動物園行ったり(圧倒的ジュラシックパーク感。変なこぶのラクダ、アルツハイマーなレッサーパンダがいた)、
ラーメン屋行ったり(雰囲気補正で美味く感じたが多分そんなうまい店じゃない)、
すごい地層をみたり(これはほんとにすごい)

画像7

画像8

画像9

未だに鮮明に覚えている。

帰りは大型船だったが、看板で無限トークを繰り広げた。




観光資源にあふれているが、全然俺の好きな島の時間は流れていた。



入りは悲劇は今はの喜劇となり、記憶の1ページを彩っている。





最高な島だ。


あなたのサポートで私のモチベーションのギアが1つ上がります。 私のトップギアを見たいと思いませんか? ふざけました。私の記事がいいと思ったらお願いします!