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勝手に古事成語「能ある鷹は尻を隠さず」

(1790字)
こんばんは。ベストフレンドという4人組漫才師のボケを担当しているけーしゅーです。
note毎日投稿8日目の今日土曜日は、自由創作の日
ということで、今日は勝手に、「能ある鷹は爪を隠す」と、「頭隠して尻隠さず」という有名なことわざ2つをまぜたことで、生まれそうな話を勝手に
考えて、作ってみました。まさにスーパー自由創作
です。それではどうぞ。

〜能ある鷹は尻を隠さず〜

昔々、あるところに1匹のアホな若い鷹が
いました。その鷹は勉強が苦手で、何度長老の鷹に教わってもトカゲの狩は村で1番下手っぴ。
おまけに、上手く鳴くことも飛ぶこともできなくて、何度も人間に捕まりそうになったところを、
長老に助けてもらってはなんとか命拾いしてきました。そんな鈍臭さい鷹は仲間たちの鷹から
あいつはどうしょうもないやつだとさんざん馬鹿にされていました。

そんなある日、村の集会が開かれ、そこで長老からこんな言葉がありました。「白い鷹が住む隣の村が、昨日人間に襲われた。」
それを聞いた村の鷹達がざわざわしていると、突然長老の目の前に、1匹の真っ白なメス鷹が、よろよろと止まりました。
長老は、「鳴け。鳴けば仲間が助けに来てくれるぞ。」と言いましたが、白い鷹は、人間に襲われた時の恐怖で声が出なくなってしまっていました。

そこで、村の腕自慢の鷹達が、白い鷹の恐怖心を
取り除いて笑わせようとしました。
村で1番飛ぶのが上手い鷹は、白い鷹の前で華麗に
舞い、村で1番鳴くのが上手い鷹は、美麗に鳴いて、ミュージカルを披露しました。村中は大いに盛り上がりましたが、白い鷹だけはずっと無表情のままでした。あまりに、白い鷹が笑わないので、村の腕
自慢達はつまらなくなり、披露の途中で文句を言って帰ってしまいました。

次第に、周りの鷹達も、「こいつは元から喋れないだけじゃないか?」「そもそも他の村の鷹だ」
「あいつごときに能力を使うまでもない」などと
言い始め、白い鷹を笑わせようとする鷹はほとんど
いなくなってしまいます。
そんな中、ある1匹の鷹が白い鷹の目の前に、
口ばしにミミズを咥えて現れました。
あの、村で1番アホで、狩が下手な鷹でした。
しかし、白い鷹はミミズをしばらく見つめるだけで、そのまま何も言わずに黙ったままでした。
これに、村中の鷹達は大爆笑し、「傑作だ!」
「引かれてやんの」「せめてトカゲをもってこい!」「やっぱりアホだ」などと言い、
その鷹を大いに馬鹿にしました。
その時鷹は、村中の全ての鷹から笑われました。

鷹は、心臓が飛び出そうになるほど恥ずかしくなり、その場から逃げ出そうとしました。
そんな時に、そこに突然長老がやってきて、
その鷹にしか聞こえない声で、こう言いました。
「よくやった。だが、行動をやめるな。行動して
 恥をかけ。その恥を受け入れられないやつは、
 人に笑われる。その恥を受け入れられるやつは、
 人を笑わせる。しかし、大多数のやつらは、
 恥もかかずに生きている。こいつらは、
 笑われることも、笑わせることもできない。
 いつも笑う側だ。」

鷹は、諦めることなくミミズの狩を何度も何度もし、下手くそに空を舞い、下手くそに鳴きました。
自分にできる道化を一生懸命全力でやりました。
そうしていくうちに、だんだん恥を感じなくなっていくのに気づき、目の前の白い鷹を笑わせること
だけに必死になっていました。
そして、苦肉の策で、ミミズを7匹加えながら、
尻を振り、舞いをしていた時に、
「ふふ。」という、笑い声が聞こえてきました。
白い鷹が、遂に笑ったのです。安堵から思わず涙が出そうになり、肩の力を抜き、ふとあたりを見渡すと、先程とは質の違う、「あはははは!」という
笑い声が村全体に響いていたのに気づきました。
その時鷹は、村中の全ての鷹を笑わせていました。

次の日、白い鷹は、取り戻した声で綺麗に鳴き、
かけつけた仲間と一緒に、無事に仲間のところへ
帰りました。

それからというもの、1匹のアホな鷹は、長老が
教えてくれた言葉を守り続けて、たとえ尻を出そうが、目の前の人を楽しませ、恥を決して恐れない
村で1番面白い鷹になっていきました。

これが俗に言う、「能ある鷹は爪を隠す」
        「頭隠して尻隠さず」
の二つを勝手にまとめた古事成語であったとさ。

(1763字)           めでたしめでたし


#ベストフレンド #漫才#お笑い#M1グランプリ




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