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女かなざわいっせいさん?〜井上オークス「いま、賭けにゆきます」を読んだ。


「女と競馬の取り合わせは殺風景だ・・・」


「だいいち女に競馬はわからん!!」


女と競馬は殺風景


・・・と、独特の競馬論をかましたのはかの山岡士郎(美味しんぼ)。。


しかし、女性競馬ファンは多いし、多くはないけど、女性の競馬ライターもいる。

「Number」掲載の記事を何度か読んでいいなと思っていた井上オークスさんの新書「いま、賭けにゆきます」を読んだ。

いま、賭けにゆきます

連載コラムをまとめた本のようで、2011年初版。

なんというか、オークスさんの競馬日記を読んでいるような感覚。

かなざわいっせいさんへのオマージュなのかな?女性なのにときどき出る一人称が「わし。」

2005年11月3日。名古屋競馬場で「第5回JBC」が開催される。西日本ではじめて、”ダートの祭典”が繰り広げられるのだ。この記念すべき「名古屋JBC」のキャンギャルに抜擢された女がいる。
なにを隠そう、わしだ。
泣く子も黙るキャンペーンガールなのだ。まいったか。


かなざわいっせいさんについては、以前記事を書いた。

かなざわさんは、競馬ブックを読むようなファンなら(たぶん)知らない人はいないはず。

このかなざわさんの文章をふと思い起こさせてくれるオークスさんの文章。ひとつひとつ短めで、キレがよくてスイスイ読める。また、収録されているコラムの連載時期が、自分がかなり熱心に競馬をやっていた時期に重なるので、レースや馬のことをよく知っていることもあり、楽しく読めた。

特に、前半部分の方が生活感が滲み出ていて面白かった。”パンツ一丁で煎餅布団に横たわる”とか、”玄関で骨が三本折れたビニール傘を手に気が滅入る”とか、”パンツ三枚1000円のセールでパンツを物色”とか。(なんかパンツの話が多かった気がする。)

あと、2009年の有馬記念で勝ったドリームジャーニーの単勝30万円買って120万円ゲットはすごい。
かなざわいっせいさんもマヤノトップガンが勝った宝塚記念で単勝100万円当てたらしいし、生き様が似ている。とても真似できないけど…


(記事トップの写真は、オークスさんにちなみ、ブエナビスタが勝った、2009年のオークスのゴール前です。)

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