記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

やりきったかい

とりあえずバンドリ一期見た。

かっこいい婆さんが見られる貴重なアニメだった。

やりきったかい婆さんの異名で知られてるらしいSPACEのオーナー。都築詩船氏。
このおばあちゃんのことはmygoで知ってた。
あの要楽奈の祖母とのこと。
苗字が違うから楽奈から見て母方の祖母だろうか。わからないが。
孫のことを溺愛してるらしいから親戚間の仲は悪くなさそう。気になるぜ、楽奈ファミリー。

この方がSPACEというライブハウスを経営していて、
そこが楽奈の居場所だった、ということはmygoで語られている。
それでまさしく第一期はSPACEの話。
第一期の主人公ら(ポピパ)は閉店間近のSPACEでライブをするために頑張っていく。話の軸となる場所だった。
必然的にオーナーの出番も多く、主人公に試練を与える門番のような役回りである。
「やりきったかい?」は最後に主人公を認めるために言う台詞だろう、と予想してたのだが、
「やりきったかい?」は思ったより何回も言う。
何回も言いすぎて最後は「やりきったかい」と言わずとも主人公から「やりきりました」と言う。
やりきったかいを極めたまさしくやりきったかい婆さん。やりきりの鬼。

そもそも「やりきる」とは何か。というのは終盤まで見ればわかる。

「音楽なんてやりたいやつが好きにやる」
「頑張ったかどうかなんて自分にしかわからない」
このオーナーの台詞は痺れた。
音楽なんてやりたいやつが好きにやるんだ。
孫の楽奈はこの思想を立派に継いでいると言える。

思えばガルパで聞き慣れた「やりきった。満足」という楽奈の台詞はまさしくやりきったかい婆さんの薫陶を受けたもの。
やりきったかどうかをいつも重視していたのだ、楽奈は。
余計なことを口にせず本質的なことしか話さないのもある意味血筋なのだろう。
性格は違うがまるで生き写しのような存在だ。
オーナーが楽奈のことを可愛がっているのがよくわかるし、楽奈がお婆ちゃんっ子であることもよくわかる。

楽奈は自分勝手な人間が好き、という話にも納得がいく。
音楽はやりたいやつが好きにやるものだからだ。
どれほどボロボロでもやりきったやつが勝者なのだ。
燈が一人でステージに立って詩を読み始めたとき楽奈にとってこれほど嬉しいことはなかっただろう。
あの時の燈はバンドメンバーを失ってボロボロの状態だった。それでもとても音楽と呼べないようなことでもやりきろうとしたのだ。
音楽なんてやりたいやつが好きにやるもの。それを体現した燈を楽奈が好きにならないわけがあるだろうか。いや無い!(反語)

と色々気付きがあったわけだけど。
それを抜きにしてもオーナーの一期における役目は大きい。
アニメ一作目に相応しくストレートな音楽と青春を描く一期の物語に大人の視点をもたらし、若い世代に後を託して去っていく。にくい役回りだ。
楽奈がそうであるようにオーナーは本質しか語らない。語るべきときに語るべきことを語り助言を授ける賢者の役目でもある。
オーナーの言うやりきったかどうかは一期の課題であり、翻って後々のシリーズにも続いていく重要な課題になっているのだろう、と思う。
オーナーのやりきったかい精神は今なお受け継がれて大ガールズバンド時代に多大な影響を与えている……はずである。多分。
楽奈は春日影をやりきりすぎて一回怒らせてしまったけど。いいんだ。音楽はやりたいやつが好きにやるものなんだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?