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結末から始まる物語

物語は結末から始まらなければならない。

ブッダは悟りを広めることから始まらなければならないし、ガウディはサグラダファミリアを建てるところから始まらなければならない。

しかし、そこには矛盾が起きる。なぜなら、現実とは時間の順序が不自由だからだ。我々は話をする時に、何の話をしているのか、その奥の本質を見なければならない。

現時点で現実に起きる結末など分かるわけがない。ガウディが生きていた時、ここまで本当にサグラダファミリアが完成に近付くかどうかは分からなかった。ブッダにしても、ここまで教えが広まるとは思いも寄らなかったかもしれない。

だが現実と違い、物語あるいは作品は違う。結末から全てが始まる。でなければ、作品など生まれやしない。今そこには無い品を、作り出すから作品と呼ばれる。今そこには無い物を語るから物語と呼ばれる。

ガウディもブッダも自分が生きている間に完成するとは露ほども思っちゃいない。信長か秦の始皇帝ぐらいだろうか、生きている間に完成を見届ける事が出来たであろう人々は。奇しくも彼らは戦人達で、作品とは少し意味合いが変わってくるが。

とにかく、ストーリーが動き出すのは、結末からなのだ。その結末に向かって進まなければ、さらなる矛盾に見舞われることになる。

と言うのを明確に、さらにあらゆる手法で我々に見せてくれたのが、エドガー・アラン・ポーだ。

推理小説を読む読者の中で頭に描く時系列では、犯人がいて犯行があり、探偵がいてそれを推理し、解決へと向かう。

しかし、推理小説を書く作家の中では、鮮やかな解決劇と推理を描き、その為の餌食となる一見完全に見える犯行を行う犯人がいる。

つまり結論から構想しなければ推理小説は辻褄が合わなくなる。

と今回伝えたかったのは推理小説だけでなく、日常とは全てにそうだ、と言う矛盾するような話がこの記事のテーマだ。つまり現実の人生こそが結末から始まる物語だと。あなたが取り組んでいる何かは結末から描かれなければならない。

もちろん例外や思いも寄らない出来事もある。人生の結末など、死ぬ時にしか分からない。しかしそれらでさえも実は知らず知らずに描かれたシナリオだとすればどうだろう?そして誰が描いたのだろう?

ここで登場人物を振り返ってみる。自分の人生の。

自分、親、兄弟、恋人、パートナー、恩師、上司、同期、友達、部下、後輩・・・。登場人物は多く出てくる。ではその登場人物が登場し、起こす行動などのシナリオを構成した、もしくは構想しているのは誰か?神か?仏か?アラン・ポーか?

結論から言うともう1人の自分なのだ。とBESOは確信している。でなければ辻褄が合わなくなる。死ぬ前のあるいは生まれる前の自分が今の自分を構成している。もしくは、今の自分が死ぬ時の結末に合うシナリオに辻褄を合わせに行ってるのかもしれない。

人生では幸運と呼ばれる偶然や不幸と呼ばれる災難が起きる。それを一歩引いた作家の目線で自分を眺めてほしい。そうすれば、あなたがポーとなり、主人公でもあるあなたのシナリオを結末を描かなけれならない。その行動を修正し、方向性を転換させ、出来事を伏線に変える。

そう、自分という人生を誰が描くのか?それはあなたであり、その始まりは結末から描かれなければならない。

今、そういう時代にあなたは生まれて生きている。BESOもあなたも。いや、今までも地球という星は、銀河という宇宙は、他の系の惑星もおそらくそうだったのだと思う。しかし、それを自覚しやすい時代になっている。その背景は精神世界の、科学の、物質技術の、あらゆる分野の発達のおかげがある。土台や犠牲には戦争や大虐殺もある。

それらを活かすも殺すも、あなた次第。どんな結末にするも。それはひいては地球がどんな結末にたどり着くかにもつながる。これは大袈裟でも過言でもなくそう言える。という事を天才達が一番言いたい事だと思う。

しかし、今まではそれを全人類に浸透させる術が少なかった。が、いろいろな発展がそれを可能にさせた。そして今、多くの人の根底に根付いてきている。

自分にはもう1人の自分がいるとは思えない。今の生活を送ることに必死だったり、シナリオなんて無い。

と思う人は少し立ち止まって、周りの人や尊敬する人などを見て欲しい。その人たちが何を主張しているのか?どの結末に向かっているのか?何の為にそれをしてるのか?その奥のシナリオを見て欲しい。単純に心惹かれる人のシナリオを覗いて欲しい。そこにヒントがある。あなたが心惹かれる原因は、すでにシナリオが始まっている証拠なのだから。

だからこそ、人それぞれ心惹かれる人が違い、好みが違う。その好みや感動が伏線となり、多くの伏線があればあるほど最終の本流にたどり着く。

ぜひ、皆さんの結末を自分で見届けられる事を願う。もしくは死後に叶う結末ならば死後に達成されているところを子供や次世代に託して欲しい。

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