#3 自由に生きる人

この間、たまたま"自由人"というワードの出てくる評論文を読み始めたので、「自由人ってどんな人のイメージ?」とクラスの子たちに聞いてみた。そしたら、『人の話を聞かないひと』『枠にとらわれない人』『ゴーイングマイウェイ』など返ってきて、あんまりいいイメージの言葉ではないと思っているのかも?と思ったりした。

最高に自由な公務員

ずいぶん時間が経ってしまったけれど、企画メシ第三回『公務の企画』(2018.0602)のゲストはよんなな会脇雅昭さん。
これまでの公務員のイメージを一新するような、自由で明るくてチャーミングで、人を惹きつける魅力に溢れた方だった。わたしも一端の公務員ではあるのだけれど、凝り固まった先入観によりあまり良いイメージが持てておらず、自己紹介するときもいつもぎこちない感じになってしまって、自分の仕事に自信を持てていなかった。
6人兄弟の末っ子として生まれた脇さんは、幼稚園を中退していたり、「とにかくやりきれ!」という親の指導方針でゲームをやりこむために一週間学校を休んだりと、とてもユニークな家庭で育ったことを教えてくれた。
法学部に進学し、そこで「しくみを作る」法律に興味を持つ。のちに「法解釈には限界がある(立法解釈の限界)」と感じ、解釈の前の仕組みをつくる総務省に入ることを決めたそう。

”課題”=”財産”

人類史上最強に人と人がつながりやすくなっている時代、「誰かのため」「公益」ほど人の心を動かすものはない、と脇さんは言う。
総務省に入り、一年目は熊本の財政課に配属され、そこで「人と人がつながっていれば等身大で意見が交わせる」ことを学んだそう。結局、動かす側でなく現場で動く人が一番現場のことがわかる。これは教育の現場でも同じことが言える。
熊本で感じた「課題」から、地方ほどたくさん課題があり、その課題は「たくさんの人と繋がれる」という意味で財産になる、と仰っていた。ともすれば凄く大変なイメージをもつ「課題」という言葉を、価値のある「財産」と言い換えて、どんどん良くする可能性を見出しているところがさすがだなと思った。

あるものの価値の最大化

「公務員には無限の可能性がある」と脇さんは言う。公務員の志や能力が1%上がれば、世の中めちゃくちゃ良くなるんじゃないか?という考えからよんなな会を設立。これは公務員であれば誰でも参加できる大規模オフ会みたいなもの。”会える公務員”として、事実を誤認している人に公務員のリアルを伝えていく。
そしてこのよんなな会の凄いところは、分科会の数、「よんなな○○会」という名称で、課題を持っていると感じる人が中心になり、コミュニティを運営していく。脇さんのうまいところは、「こういうのどうですか?」と提案があった時、是非やりましょう!と言って脇さんが主体となるのではなく、提案者に企画・運営を任せるところ。自分で全部やろうとせず、よんなな会というブランドを開放することによって、「自分ごと」にする人が増えていく。まさに「あるものの価値の最大化」だなあと思った。わたしも今度、よんなな先生会に参加してみようと思う。
2018年9月23日(日)には東京臨海防災公園にて”よんななフェス”が開催されるので、気になるひとは是非。

観光=人が動くこと

観光とは人が動くこと。すなわち、人の心をどう動かすか?が肝。あらゆる行動と掛け算できるため、どこまででも可能性は広がる。
そんな脇さんから出された今回の課題はこれ。

神奈川県の観光政策を考えてください。
観光展などを立ち上げ大量にお金をかけプロモーションをすればある程度、人が集まります。しかし、お金をなるべくつかわずに、 人を呼ぶために何ができるかを考えてください。

私はこの課題に向き合うにあたって、地元で観光大使を務めていた友人や、神奈川出身の友人に小中高の校外学習でどこに行って、どういうことを学んで、何が楽しかったかなどを聞いてみた。
学校で校外学習に行くことを、どうにか観光政策にうまくとり入れられないかなあという思いから。やっぱり私は、ものの見方が教育に偏ってしまいがちらしい。FBの中で特に響いた言葉は、「子供の頃に体験したことは、大人になってからリピートしやすい」ということ。確かに大人になってから新しいことに挑戦するのはハードルが高い。
他の企画生のアイディアは、私には思いつかないものばかりで、凄いなあ…!と素直に感動した。専属インフルエンサーを作る「Kanagawambassador」や移動中の時間をシアターにするもの、ナイトタイムエコノミーを考えるもの、朝日を見に行くものetc…
そこで気付いたのが、どれも小中高の修学旅行で体験しているものが多いなあということ。小6の時に、伊勢志摩の夫婦岩で日の出を見たっけ。観光企画を考えるにあたって、修学旅行を参考にするのアリだったな…と思った。

公の信頼を使い倒す

公務員は、「現在公務員である」人が何かをするから強い。「元・公務員」では薄れてしまう。渦中の人がやるから効果がある。そしてとにかく「やる」ことが大事!
企画メシを通して、とにかく実行、とにかく行動に移したもの勝ち、というマインドを手に入れた。脇さんも同じことを仰っていた。

”できません”って言わない。NO!ではなく、”これならできますよ”と代替案を提示する。
常に”できない”って言ってる人は、何もできないと思われてしまう。

とにかくチャーミングで、人の心を掴むのが上手い脇さん。脇さんも行動の人。できる、できないではなく、やるかどうか。
企画メシが半分以上終わった今、再度この言葉を噛みしめる。

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