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Slow ジョギング

決して速くもないくせに
早く走ろうとしている私。

昨年10月、左脛骨近位端骨折のため直前で棄権となった
10kmのマラソン大会に今年こそは
参加してみたい。

なので
骨がくっついたかなぁと思った2月くらいから
徐々にランを再開した。

ナイキランクラブのアプリが
また結構煽ってくる。

ウィークリーチャレンジで一週間に10キロだとか
15キロだとか距離による設定があって
そこをクリアすると
ちょっとしたアプリ内のトロフィーがもらえる。

トロフィーといったって、
単なるスマホ内の画像なんだけど
初心者にはこの程度でもモチベーションになる。


トロフィーの一例

トロフィーがたまってくるとそれを眺めて
ニヤニヤ出来るのである。


ニヤニヤの一例

ウィークリーチャレンジの他にマンスリーチャレンジもあるので
そちらも距離を稼ぎたいのだけれど
本日の時点で今月は35km走っている。

あと15kmで50kmチャレンジクリアとなるもんだから
欲が出て
なんとかしたいと考えていた。

そうしたところ
仕事の呼び出しを受けたので
一応
走る支度を持って
職場へ向かった。

職場では「おやすみ中すみません」とか
いわれたけれど
こっちは業務対応が終了後に走ろうと思っていたので
別にどうってことはなかった。

スタッフたちは
恐縮しつつも不思議そうであった。

無事に仕事が終わり
そろそろということで
職場の周辺を走ることにする。

一気に10km走破といきたいところにせよ
まあ無理せずに
流すことにしたよ。

スロージョギングという考え方、
会話ができる程度の速度で走っても
心臓の一回拍出量の増加につながるという
ことだったので
初めてそこを意識して
息切れしないペースで走ってみた。

といっても
私のスローなペースは
本当にノロノロしていて
最初の1kmでさえ6分台であり
そこから1kmごとに30秒ずつ遅くなっていった。

このペースだと確かにそんなに苦しくはないので
立ち止まらないことだけを目標に
適当に走り続けた。

なるべく信号のない道を選んで進む。

たまたま信号が赤になった場合は曲がってしまう。

それを繰り返しているうちに
徐々にどこを走っているのかわからなくなってきた。

そろそろ戻らなきゃと焦りはするけど
また信号が赤なので
いきたくない方向へ進まざるをえない。


小さな町に迷い込んで
とんでもない距離を走り続けてしまいそうだから
ほんとにもう
帰ろうよ。

この時点でApple Watchは6キロ走破していることを教えてくれた。

今日は7、8キロにしとくか。

いくら遅いスピードとはいっても
流石に疲れてきた。

あ、信号が赤だ。曲がろ。


その時、
はたと気がついた。

完全に迷ってるじゃん!

疲れた。水が飲みたい。

方向感覚が狂ってきたというか
私はもともと
かなりの方向音痴である。

ショッピングモールで映画をみて
帰る時には
100%自分の車と逆の方向に駐車場を横切る。


研修医の時には
非常勤先の船橋医療センターに行くつもりが船橋中央病院に到着して
大幅な遅刻で
こっぴどく怒られた経験がある。

ていうか、間違えた先の、船橋医療センターの先生の顔に
全く見覚えがなかったし、
そのドクターは
「え、今日、誰か来るとは聞いてないんなぁ?」と
不思議がっていた。

人間は
死ぬ直前に過去の記憶が
走馬灯のように
頭に浮かぶと言う。

朦朧とした意識の中で
そういった過去の出来事を思い返していた。

そして
本格的に
迷ったので
職場に電話した。
いやぁ、Apple Watchを持っていて良かった。

「あのさ、今、私はどこを走っているのでしょうか?」

事務の女性はハテナである。

「せんせ、何が見えますか?」

「工場」

方向音痴な人間は
説明も方向音痴だ。

事務がアプリで私の居場所を想定し
「北に向かってください」といった。

「北ってどっち?」

あいにく小雨のパラつく天気だ。太陽が無い。

方向音痴は地図と現実社会がリンクしない。
だから方向音痴なのだ。

ぐるぐる回っているうちに
知っている道に出ることができた。

そんなつもりはなかったのに
10kmを越えていた。

これ以上走るのであれば
車で迎えにきてもらおうかと思っていた。

フラフラで
到着すると
事務が水とCoCo壱のカレーを準備してくれていた。

なんと優しい!
この走り切った体にスパイスの効いたカレー!

むせび泣きながら
カレーをいただいた。

コンコン咳が出て
食べづらかったけれど
しかし10kmも走った後の
飯は
マジでうまい!

こんなに美味しく
昼ご飯をいただいたのは
数年前に
無理やり連れて行かれた
山登りのあと以来だ。

スロージョギングでなければ(そして迷わなければ)
この距離は無理だった。
10kmを1時間30分。

10月の大会は時間制限が80分だったような…。

はたしてこのペースで
良いのだろうか。

まぁでも
棄権もやむなし
楽しめればいいよね。

帰ってこられさえすれば。

マンスリーチャレンジ45kmまできた。
今月あと5km
頑張っちゃおうかな。

ただし本日の教訓
『家に帰るまでがジョギングです』


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