見出し画像

メガネについての後日談

届きました。メガネ。できあがるのは5-10日後と聞いていたのですが、土日を除いた5日目に連絡がありました。

一番の不安要素はなんと言っても鼻の形の違い…。お店で調整してもらった後もなんとなく強烈な違和感を感じつつ、今までで一番レベルで似合うメガネを手にしてるんるんで生活していました。そう、一昨日までは。

顔から滑り落ちて仕方がないので、ちょっと構造を確認してみたらなんと鼻パッドが立ったまま向かい合ってる!コーソカイド系の人を対象にしたメガネ屋さんということがはっきり伝わります。ただ、一応機械で調整できる部品のはずなので、鼻パッドの向きを変えてもらうために、出先から一番近い店舗に行ってみることにしました。

これがもう大きな間違いで、前回の訪問の時にもなんとな〜く違和感を感じていた塩対応の店員さんと再会。ちょっとやだなぁと思いながら、鼻パッドが調整できるか聞きました。メガネを受け取った彼女、おもむろに素手で鼻パッドを動かしています。…???ん、機械はどこ??

鼻パッドが壊れないようにとりあえず遮って質問してみました。ジェスチャーをつけながら、この鼻パッドを手前に広げられるかどうか。そしたら一言、「んー、あんためっちゃ鼻低いし多分無理」。😱😱😱
あまりの直球さに度肝を抜かれました。

一応ドイツ語にも敬語があるのですが、ヒップさを売りにするベルリンでは、基本的に最初からタメ口を使う店員さんも多いです。それに、文化の違いがあるのはわかります。ドイツでは他人の鼻が高いことを褒めようとするとめちゃくちゃ失礼になるといろんなメディアに言及があるし(ぺちゃ鼻がどう思われているかは不明)、眼鏡屋という場所柄、鼻の形について話すのも仕事のうち。

でも、言い方ってものがあると思うのですよ。顔の作りが全然違うから私には調整できない、とか。この店舗には機械がないからできない、とか。納得できる理由はいくらでもあるのに、かなり面倒くさそうな態度で、私の顔の作りのせいにするとな。文化によっては鼻の低さに言及するのはかなり失礼に当たるというのも全然知識として共有されてないよな〜当然だよな〜と思う気持ちと、せめて人種の坩堝みたいなベルリンではそこら辺の意識くらい高めとけよと不満に思う気持ちがせめぎ合って、非常に微妙な気持ちになりました。

ちなみにこの店員さん、前に訪問した際、フレームの候補を絞るためにコメントを求めたところ「アジア人は顔の横幅が広いからうんたらかんたら」と言っていたもんで、そりゃ私は顔幅広めではあるけど小顔の人も多いしその括りいるか?と若干グレーな気持ちにさせられた人でもありました。予約も自分でさせようとしてくるし。メガネをしてない店員さんだったので、もしかしたら普通の眼鏡屋にはちゃんと専用の機械があることを知らないのかもしれません。

ここから見える構造的な問題としては、ただただメガネに詳しくない人がお店に立っていること。多分ただのバイトだし、専門知識を求めるのはそもそもお門違いなこと(日本でも、専門店でもない限りそうだと思います)。それに、ドイツという場所柄、サービスという概念は基本存在しません。他の店舗でも、ブルーライトカットの詐欺まがいの営業をかけられたので、多分経営方針がそんな感じなのかな?お店のマーケティングの範囲は分かりませんが、もうコーソカイド優位の国でメガネは二度と買うまいと心に決めた出来事でした。

ちなみにこの話をドイツ人にしても、眼鏡屋で鼻の高低について話すのは普通だし、特に失礼なことじゃないと講釈を述べられました。そんなのは承知の上で、でもやっぱり言われると面食らう言葉があって悲しい気持ちになることを伝えたいだけだったのですが。ちょっと恰幅のいい人がいたとして、その人が洋服屋で「あんたお腹の肉がすごいから無理」って言われたらどんな気持ちになると思う?とだけ言っておきました。自分で嫌な気持ちになったことがないとわからない、異文化理解の難しさ…。

こんなことで怒る自分が「おかしい」のか、さすがにドイツ基準でもちょっとグレーゾーンだったのか、一人でいる時の出来事だったので今では知る由もありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?