僕が見ているアメリカ【11】―これだから異国の生活は面白い―
自動翻訳ってどうなの?
藤井拓哉 (英語)教員 & Yokowo Manufacturing of America Sales Representative
最近、目覚ましい進歩を遂げている自動翻訳。
元英語教員として「これらの自動翻訳は仕事でどれくらい使われているのだろう? メールのやり取りの多くは自動翻訳を使って行われているのだろうか?🤔」などなど疑問に思うことが多かった。
正直、数年前の自動翻訳の精度は怪しかった。特に慣用句やことわざ。
「事なきを得る」を英語にしようとすると I get kotonaki. と英訳され「いやいや、そうじゃない😅」とツッコミを入れたくなるほどであった。
英語の授業でも精度の低さを取り上げ「自動翻訳は便利だけど頼りすぎないように」と注意を促していた。しかし、今は違う。
「事なきを得る」は get everything right や manage to survive without problems などと訳され、慣用句やことわざにも対応してきていることが伺える。そのため、(私の勤めているのが日系企業ということもあって)アメリカの仕事場でも簡単なメールや言い回しを調べたい時などには自動翻訳がよく使われている。
しかし、自動翻訳は万能ではないため、注意しないといけないポイントもいくつかある。
(1) まずはフォーマットの確認
例えば、メール。
日本語でメールを書く場合「いつもお世話になっております」で始まり、締めに「よろしくお願いいたします」といった形がよく使われるが、英語の場合、これらの表現はあまり使われないため日本語のフォーマットで英語のメールを作成してしまうとそれだけでぎこちないメールになってしまう。
文章を作成し始める前に、まずは目的(メール、プレゼン、紹介文など)に合ったフォーマットを調べる必要がある。
(2) 短めな文章を作る
長い文章や複雑な文章の場合、飛ばして訳されることがある。そのためなるべく短く、理解しやすい文章を使うのが良い。
イメージとしては子供に説明するような文章を考え、必要であれば硬い表現に直してしていくのをお勧めする。
(3)慣用句やことわざ、専門用語・ビジネスワードなどはなるべく避ける
確かに、慣用句・ことわざの翻訳の精度は上がってきているが、可能であれば避けるべきだろう。
例えば、「後の祭り」などは文字通り after festival / festival laterなどと訳されることもあるため使わない方が良い(代わりに「その慣用句・ことわざの意味」を入れた文に書き換えるのが良い)。
<例> そんなことを言われても後の祭りだ。
(Even if you say that, it's just a festival later.=?)
→ そんなことを言われても遅すぎる。
(Even if you say that, it's too late. = ◯)
また、専門用語やビジネスワードも注意が必要。
例えば、ビジネスシーンでは「(情報などを)共有する・伝える」という意味で「展開」という言葉が使われるが、「資料を展開する」を自動翻訳に通すと expand materials(材料を拡げる)と訳されたりする。そのため、業界特有の言葉やフレーズも避ける方が無難。
(4) 翻訳した文章を逆の言語に再度翻訳してみる
例えば先ほどの expand materials を日本語に戻してみると「材料を拡げる」「拡張素材」となり、意味が全くわからなくなる。そのため、英訳したものであれば日本語に、和訳したものであれば英語に戻し、本当に正しい翻訳ができているか確認するのが良い。
これらの点に注意すれば、言いたいことがかなり正確に伝えられる文章が作成できる。おそらく非ネイティブである我々からしてみたら十分すぎるぐらい立派な文章となるだろう。それにしても、自動翻訳の進化の速さは恐ろしい😱 ネイティブの文章と見分けがつかなくなるぐらい自然な文章が書けるようになる日もそう遠くはないかもしれない🤔
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