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語学書の著者のコラム

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ベレ出版語学書の著者による、本を書くこと以外のお仕事の話、教えること、ことばにまつわること、言語について。
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2023年12月の記事一覧

第4回:サイズもポテンシャルもでかい!北海道

コチェフ アレクサンダー  日本の47都道府県の中で北海道は有数の大きいポテンシャルを秘めていると思います。けっして私が北海道に住んでいるからではありません。この連載の最終回では、北海道の未来に目を向けて、そのポテンシャルについて考えていきたいと思います。 北海道でっかいどう 北海道に15の都府県がすっぽり収まっている広告は見たことありますか。北海道広告業協会の広告だそうですが、インパクトありますね。日本の面積の22%を占め、ヨーロッパで言えばオランダのほぼ倍、オーストリ

第3回:北海道の宝

コチェフ アレクサンダー 資源としての雪のポテンシャルの高さについて 北海道は雪が降ります。例年11月初めころに初雪が降り、一ヶ月ほどは積もったり解けたり乾いたりを繰り返しながら、次第に雨ではなく雪の降る日が増えていきます。12月の中旬を過ぎるといわゆる根雪(春まで残る雪)になり、場所や年にもよりますがだいたい3月下旬から4月中旬まで雪と暮らすことになります。    札幌の降雪量は、世界の100万人以上の都市としては断トツのナンバーワンで、年に約5ヶ月間は雪が積もっている状

第2回:Grammar in 北海道

コチェフ アレクサンダー  今回は、北海道のことば、「北海道弁」の話を少しします。方言という分野は多くの学者に研究されていますが、方言と言語の違いに関する明確な言語学上の定義は確定していないようです。つまり、どこまでの違いなら方言と定義して、どこからが別の言語か、という分類は恣意的なものと見られます。ことばをめぐるそういった議論は、時には外交や政治の問題にすらなったりしますので、言語学者たちは国境を超える言語や方言の比較には神経を使うに違いありません。北海道弁は日本国内のこ

第1回:Why北海道?

コチェフ アレクサンダー  こんにちは。英語教材を書いたりしているコチェフ アレクサンダーです。ベレ出版さんからnoteでコラムを書いてみないかとのお誘いをいただいて、何を書こうか随分悩んだ末、北海道の話を書いてみることにしました。北海道はブルガリア出身の私にとってだけでなく、多くの読者の皆様が住む本州以南からみても「すぐそこの異文化」であるように思うからです。  私は札幌市で株式会社オレンジバードという小さな企業を共同経営していて、翻訳の手配と英語スクールの運営をしてい