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今日の花を摘み取れ。 Carpe diem. カルペ・ディエム ホラーティウス、『詩集』(Carm.1.11) 山下太郎 日本でもよく知られたラテン語で、「カルペ・ディエム」とカタカナ表記されたり、「一期一会」と訳されることもあります。元々は恋愛をモチーフとしたホラーティウスの詩に出てくる言葉です。短い詩なのでその内容を訳で紹介しましょう。 この詩を貫くのは「今を楽しめ」というモチーフで、「カルペ・ディエム」もその文脈で理解することができます。ラテン語の直訳は「
私は人間である。 Homo sum. ホモー・スム テレンティウス 『自虐者』 山下太郎 ローマの喜劇作家テレンティウスの作品に出てくる台詞です。お節介な隣人がとことん他人の世話を焼き、なぜそこまで首を突っ込むのか?という問われて、「ホモー・スム」(私は人間である)と答えます。「人間に関わることで自分に無関係なものは何一つない」(Hūmānī nīl ā mē aliēnum putō.)という言葉がこれに続きます。私は人間だから他人の悩みごとや苦しみを放っておけ
時は逃げる。 Hora fugit. ホーラ・フギト 山下太郎 ありふれた言葉を二つ並べただけのことわざですが、時の過ぎ行く速さを強く印象づける言葉です。主語のhōraは英語のhour(時間)の語源ですが、類義語に tempus があり(フランス語のtempsの語源)、表題と同じ意味を表す格言として Tempus fugit.も知られます。 ローマの詩人ウェルギリウスの『農耕詩』に次の表現があります(3.284-285)。 詩の本題からそれた話題を熱心に語る
われ思うゆえにわれあり。 Cogito ergo sum. コーギトー・エルゴー・スム 山下太郎 ラテン語の直訳は「私は考える。ゆえに私は存在する。」となりますが、「我思う、ゆえに我あり」という和訳で人口に膾炙しています。フランスの哲学者デカルトの言葉として知られます。少し調べると、デカルト自身がこのラテン語を残したわけではない、ということがわかりますが、彼の思想の根幹を端的に表す言葉とみなすことはできるでしょう。 Cōgitō ergō sum.の英訳はI thin