映画字幕の舞台裏はこんなに楽しい!
吉田 泉(仏文学者)
最終回
フランス映画とは?みなさんはフランス映画に対してどんなイメージを持っていますか? ロマンス、ファッション、エレガンス? 確かにそういう要素も大いにありますが、私にとっては、フランス映画はなんといってもリアリズムです。つまり、現実らしくないものは映画ではない、とフランス映画は暗に言っていると思います。私が字幕を手がけた往年の名画『巴里の空の下セーヌは流れる』『死刑台のエレベーター』『太陽がいっぱい』『過去を持つ愛情』『情婦マノン』『ヘッドライト