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バイリンガル教育(4-2)~ドイツで実践中~

4-1では、親の覚悟と努力が必要だ、なんてちょっと偉そうなことを書きました。ここでは、在外の日本ハーフの子にとって日本語を学ぶ上で頼りになる存在、日本語補習校について書きます。

2.日本語補習校

ドイツに限らず、外国の比較的大きな町には、日本語補習校があります。通っているのは主に在外の日本人の子どもや日本ハーフの子。子どもの日本語の維持のために、親にとってはとてもありがたい存在です。

私の子どもも生後10か月くらいから、ベルリンで週に1回、日本語補習校に通っています。

この日本語補習校との出会いは本当に偶然でした。私はミュンヘンで出産したあと、子どもが2か月の時にベルリンに引っ越ししてきました。
子どもをバイリンガルに育てるにあたって、日本語補習校という選択肢があることは知っていましたが、ベルリンに来て、自らきちんと探したことはありませんでした。
というのは、
①ゼロ歳児から通えるとは思っていなかった、
②ミュンヘンに住んでいたころ、日本語補習校の授業は土曜のみだったし、フランクフルトに住む友人も補習校の授業は土曜に一日がかりなのだといって、息子さんにお弁当を持たせて送り迎えをしていたから、補習校とはそういうものだと思っていて、土曜日だったら本当に通うかどうか夫とも一緒に検討しなければ、と思っていた、
③実は私は教員という職業上、以前、日本語補習校という場の授業見学をさせてもらったことがありましたが、その授業がどうにも納得のいく質のものではなく、いい印象を持っていなかった、
からです。

特に②については、日本で土曜日に習い事、というのは特に珍しいことではないかもしれませんが、ドイツ(ヨーロッパ?)においては、週末=家族の時間、という意識が強いですし、特に私たちは週末に定期的に夫の実家に顔をだしているので、補習校のせいでそれがなかなかできなくなるというのは夫の実家にとってどうなんだろう、と嫁っぽいことも考えました。

が、縁とはそういうもので、本当に偶然にも同じ建物に住む日本人-しかも日本語補習校勤務-から、ゼロ歳児のクラスがあること、土曜ではなく平日に授業が行われること、を知りました。

乳飲み子を相手に、新しい地で、どう時間を過ごしたらいいかよくわからないときだったので、早速、体験入学をし、その後、無事に入学しました。あまり深く考えずにした決定だったけれど、後から考えるととてもよい決断でした。①日本人のママ友がたくさんできたし、②子どものバイリンガル教育に関するヒントをたくさん得ることができたからです。

①については、私自身もそうですが、子どもにとっても同じことが言えると思います。自分と同じ環境(片親が日本人)の人がこれだけいるということを知ったことや、日本語を話す同志ができた、ということはうちの子が今後、日本語を続けていくうえでいいモチベーションになるはずです。子どもに、ママのほかにも日本語を使う相手がいる-これはママにとってもとても心強いです。

②は、まさに、バイリンガル教育のために具体的に何をしたらいいのかわからなかった私には、非常に参考になりました。学年ごとのコンセプトーどの年齢でどんなことをしたらいいのか-ということも納得で(※別途書きます)、なるほど私も家で子どもと一緒にこんなことをやってみようという気になりました。

また、今はうちの子も幼児になり、日本語補習校の宿題も多くなってきましたが、宿題の効果ってすごい、と実感しています。人によっては宿題をやらせるのが大変という意見もあるようですが、私にとっては、添削してくれる第3者は貴重な存在です。子どもも私が褒めるだけではいい加減、だまされないというか’(笑)、積極的に宿題をやったりはしませんが、先生、褒めてくれるかな、先生、花丸くれるかな、といいながらだとうれしそうに家庭学習をやったりします。子どもながらに、第3者から褒められるというのはやはり別物らしく、アドヴァイスも素直に聞けるようなのです。

4-1で書いたように、日本語を習得するためには、日本語を学ぶということが子どもにとって日常であることが重要です。一般的に親は子どもの勉強を、塾に通わせることで補います。ただ、そうすると親は、塾代を払っているのだから、とまかせっきりにしがちです。確かに家でフォローできないから、お金を払って外の機関にお願いするわけですが、こと言語習得に関してはそれだけでおわりにしてしまっては定着には至りません。

とはいえ、家で何をしたらいいのかよくわからないという人がたいていだと思います。そのときに宿題があれば、それをやらせるだけでいいわけですから、簡単といえば簡単ですよね。もし宿題以外のことをやらせたい場合でも、宿題を参考にして似たようなものを探せばいいわけですから、いろんな考えを巡らせる必要はありません。

ただ、子どももやっぱり勉強って、楽しい楽しいだけではない、面倒くさいものだって、知っているんですよね。なんだかんだ言い訳をして、やらなくて済むようにしようとします。こちらも毎回だとさすがに疲れて、どうしても声を荒立てたりします。親子そろってものすごい不機嫌な状態で宿題をやる、なんてことはザラにあります。補習校の宿題という半分強制のような、義務のようなものがなかったら、挫折していたかもしれない、とも思います。

外部の機関をうまく利用しつつ、親も親としての努力を怠らない、これが大事なんだな、と思います。






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