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今すぐアークナイツをインストールして真夏の雪山で真の男と盟友になれ

よくきたな。おれはberberだ。おれは毎日すごい量のテキストを書いているが、誰にも読ませるつもりはない。しかしアークナイツを常日頃からプレイし、理性を溶かしながら現在開催中のイベント『風雪一過』を攻略しに行ったおれは、雪崩(アヴァランチ)に飲み込まれ手足を氷塊で切り刻まれたような衝撃を受けた。そしてその重厚なストーリーを読み終え・・・・・一滴の涙が絶対零度の氷の大地を溶かし・・・・それがSOCIAL GAMEのもたらす白昼夢と知った時・・・・灼熱のアスファルトで焼け焦げたミミズのごとく自らの弱さを思い知り・・・・おれは拳を握りしめたままMEXICOへと旅立った。

アークナイツをプレイしていないやつは全員腰抜け

おれは屈強な真の男になるためにアークナイツをローンチ当初からプレイしている。

ミーハーなおまえはモンハンサンブレイクの発売に踊り散らかし、Twitterに流れてくるアークナイツの凄まじいファンアートとSSの数々を見逃している。おまえはこじらせたオタクなので中国産のSOCIAL GAMEなぞインストールしていない。そのくせ原神のセンシティブなイラストにはしっかりいいねするし、今日もウマ娘のガチャを回す。だがおれは理解している。これらの行為は腰抜けだが、おまえはアークナイツをプレイした時・・・・全てを悟り・・・・真の男へと転生する。

アークナイツはカジュアルで奥深いタワーディフェンスゲームだ。おれはこれを丹念に説明しなければいけないと感じた。おまえはとある民間製薬会社の有能な戦闘指揮官となる。ドクターと呼ばれるおまえは記憶を失っているので、口の中にお湯を注いでカップ麺を作るぐらいしか能がないが、戦場では無類の知略を発揮し完全勝利する。ゲームが始まると年端もいかない幼女がテーブルクロスを旗にして戦場を沸き立たせ、毒性物質を帯びたスゴイ=ヤバイ剣術を延々とふるう褐色男子を配置し、世界の終焉の炎を解き放つ堀江由衣を戦場に死ぬまで放置したりして、最終的に全員と結婚する。ゲームのビジュアルはどれも壮大で、すべての音楽は生きたまま細胞に働きかけバイブスを奮い立たせる。しかしおまえはアークナイツの本質に触れることができない。骨太で幾重にも連なるストーリーを読破し・・・・設定を考察し・・・愛を育む推しと巡り会い・・・・かつて山のようにインストールしては課金したSOCIAL GAMEの屍を思い出す。そしておまえは予感する。容赦のない世界のみがおまえをおまえたらしめるのだと。

おまえはまだエンシオディス・シルバーアッシュという男を理解していない

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エンシオディスという男がいる。とてつもなく顔が良い男だ。顔が良ければ富も名誉も持っているし睫毛も長い。この男は雪に包まれた高山地帯の宗教国家イェラグを統べる勢力の1つ、シルバーアッシュ家の当主にしてカランド貿易の若き首魁だ。だがおまえはエンシオディスを知らない。おまえが知っているのはシルバーアッシュという名前、そして全てを斬り伏せる彼の剣技・真銀斬だ。

真銀斬を見た者はアークナイツがどういうゲームかを知っている。醜悪な感染生物に重装甲をまとい空爆を行う暗黒帝国ドローン。対爆スーツに身を包んだ屈強な肉体男が大挙として押し寄せる状況。圧倒的不利な戦況を覆す最強のフェイタル・アーツとして真銀斬はゲームサービス開始初期から猛威を振るってきた。耳ざといおまえはTwitterのネットミームでその技を知っているかもしれない。だがおまえはエンシオディス・シルバーアッシュについては何も知らない。ゲーム内時間軸のおまえはせいぜい取引先の貿易会社の食わせ物な社長ぐらいの認識だ。サービス開始当初から実装されているのに。こんなにもプレイヤーから愛されているのに。エンシオディスについて明確なことは何も語られてはいなかった。そこで真の男であるおれが助言する。今すぐインターネットを止めてシャア専用マックで辛ダブチをテイクアウトしたらクーラーを全開にした部屋でアークナイツを起動し、イベント『風雪一過』のストーリーを読破しろ。今すぐにだ。なぜならおれはネタバレを容赦しないし聞く耳も持たない。過酷なテラの大地においてネタバレ配慮などは無用の長物であり、『風雪一過』を経験したおまえは無慈悲にも誰も語ることのなかったエンシオディス・シルバーアッシュという真の男の姿と策略に涙し・・・・・完全に熱狂する。そしておれもまた・・・・今まさに道端から釘バットを担いだゴロツキが「八王子なめんな!」とアンブッシュして来ようとも・・・・・真銀斬で全てを斬り捨てるのだ。

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エンシオディスには暗い過去がある。名家の長男でありながらお家騒動に巻き込まれた挙句に両親が殺され、2人の妹を残し故郷を離れ、遠くヴィクトリアの地に留学し学生時代を過ごす。そこで彼はイェラグが直面している巨大な問題・・・・閉塞的で停滞する宗教国家に変革をもたらし、彼の思想であり策略の礎となる全てを学ぶ。イェラグに戻った彼はみるみる頭角を現し、カランド貿易を設立しトップの座につくとイェラグの勢力分断の構図を塗り替え始める。イェラグを実質的に分断統治するブラウンテイル家、ペイルロッシュ家から半ば淘汰されていたシルバーアッシュ家は、こと技術面においてカランド貿易がもたらす他国からの技術や物資で、イェラグ全域に文明の刷新を、極めて短時間で効率的に変革させる。保守的な思想を廃し・・・・先進的な経済と都市構想を導入し・・・・まるでアフガニスタンで捕虜になりながらも生還したトニー・スタークだ。しかしこの方法は保守的思想を抱くペイルロッシュ家の反感を招くことになり、鉱山地帯の過剰な採掘を皮切りにシルバーアッシュ家は、筋肉とPOWERを矜持とするペイルロッシュ家と武力衝突寸前のデンジャーゾーンに踏み込む。この時鉱山の採掘指揮を取っていたのがカランド貿易の技術執行官でありシルバーアッシュの腹心にして彼と旧知の仲でもあるノーシス・エーデルワイスだった。エンシオディスはペイルロッシュ家やブラウンテイル家に対するケジメ案件としてノーシスを解雇しMEXICOに飛ばすが、御三家の不均衡は収まらない・・・・。IQの高いノーシスはカランド貿易を追放されるもその身で密かにブラウンテイル家に接触。均衡を欠いた現状の折衷策としてエンシオディスはある提案をブラウンテイル家とペイルロッシュ家、そしてイェラグの宗教的管理組織である曼殊院に提示する。それは御三家の土地資産の一部、政治的権力を、イェラグの神イェラガンドの代弁者である当代の巫女へ奉還するということだった。この巫女こそ・・・・かつてエンシオディスと血を分けた兄妹でありながらも思想の違いから仲違いし・・・・シルバーアッシュ家次女でもあるエンヤ・シルバーアッシュであった。

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そんな奉還の儀がこれから行われひそかにざわつくイェラグの雪深い地に、おまえはシルバーアッシュに招かれてウキウキの旅行気分でやってくる。極寒の閉塞宗教国家でもWi-Fiは飛んでいる。この『風雪一過』のストーリーはそこから始まる。

おれは興奮する

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ノーシスがシルバーアッシュ家の管理する鉄道をヤケクソな量のTNT火薬で爆破し・・・・巫女の狩猟の儀式でシルバーアッシュが暗殺者に襲撃され・・・・曼殊院の大長老も儀式の衆目の中で毒を盛られる中。御三家の武力衝突が避けられなくなりすべてがバランスを欠いたその時・・・・決断を迫られる。真の男としてエンシオディス・シルバーアッシュと向かい合う瞬間。おれは紛れもなく全てにおいて興奮した。sharpがプロの職人として魂の剣を抜き・・・・リターニアの亡霊とカジミエーシュが生んだ最強の剣士と交わりし時・・・・全てはエンシオディス・シルバーアッシュの策と雪上の盤面でどれだけ狂気にさらされつつもCOOL にダンスできるか。おまえは真の男としての器を試される。

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おまえが救わなければいけないのは分断され混乱するイェラグの地だけではない。エンシオディスの思惑の裏に潜む真意を読み取り・・・・彼の兄妹でありおまえの製薬会社に鉱石病の治療で身を寄せている三女エンシア・シルバーアッシュと、次女にしてイェラガンドの巫女エンヤ・シルバーアッシュも救わなければいけない。おれはこの姉妹の愛に涙した。もう昔のように兄妹が仲良く微笑む穏やかな時間は戻らないのだ。エンシオディスは容赦のない男で、いざとなれば次女である巫女も自分の計画の駒に使うことを辞さない。普段のオペレーター・プラマニクスとしてのエンヤを知っているおまえなら、『風雪一過』で見せたエンヤの気丈な態度にはギャップを禁じ得ない。バーフバリのごとく獣に対し必殺の弓でキルレートを稼ぐエンヤは、戦う巫女として完璧だ。だがエンヤは・・・・巫女として山に幽閉されつつも・・・最愛の妹を愛し・・・・そしてまた兄のエンシオディスと深い溝で決別していても・・・・・すべてを理解していたのだ。

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クリフハートこと三女のエンシア・シルバーアッシュは人懐こく気さくな性格だ。彼女と共に冒頭でイェラグの地へやってくるおまえは完全に修学旅行気分だ。だがおまえはエンシアの受難を目の当たりにし、彼女のやるべきことを指し示す男にならなければならない。それは見事に姉妹の愛へと結実する・・・・おれはイベントを見終わった後にCORONAを1本飲み干すとハイパーグリフの海猫に電話をかけてこう告げた。「サンキュー海猫・・・・イェラガンドの祝福を・・・・」と。

別に予備知識がなくてもいい

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かくして雪山事変を経ておまえはエンシオディス・シルバーアッシュという男を知ることになる。だがそれが全てではない。ゲーム内では既に多くの布石が散りばめられている。過去のイベントやオペレーターのプロファイルや秘録に全ての布石が仕込まれている。全てを読み解いた時・・・・感情は理解を超えておまえを置き去りにする。なんということだ。これは100日後に盟友になるエンシオディスだ。だが心配することはない。おまえは大胆不敵な策を練り、エンシオディス以上の危険人物として認知される。だからこそ互いに惹かれ合う・・・・磁石のように・・・・比翼の鳥・・・・だが油断してはならない。エンシオディス・シルバーアッシュは容赦がない。その気になればおまえの全てを虜にする。一歩先、またその一歩先を読み、全てを掌握する。そういう男だ。おまえがまだアークナイツをプレイしていない腰抜けなら、しのごの言わずにドクターレベルを規定まで上げてからイェラグ行きのチケットを取り、お供にプロ意識の高い熟練の護衛とモフモフのウルサスの女の子を連れて行け。そして何も知らないまま雪山の中で打ちひしがれる。それがきっかけとなり・・・・おまえは盟友としてよき理解者となる。

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