マガジンのカバー画像

難聴者のリアル レポート(BeOne手話歌 参加者さんの話)

11
難聴でありながら、湘南乃風、TRF、w-inds.など、様々なアーティストの バックダンサーの経歴を持つGenGenさん。(2020.11現在プロフ) 2021年にはパラリンピッ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

耳が聴こえない妹が踊れるワケ ※動画あり

BeOne手話歌にもご参加頂いた 難聴ダンサー姉妹 ちひろちゃん&まひろちゃんによる 「耳が聴こえない妹が踊れるワケ」←クリック(Instagram投稿)  シェアさせて頂きました♪ (ちひろちゃん、まひろちゃん、ありがとうございます!) * 「聴こえないのに、どうやってあんなに踊れるの?」 姉のちひろちゃんは、軽度難聴。 妹のまひろちゃんと、他のご家族は聴こえません。 ひちろちゃんは最初、こうした内容を発信する事に抵抗があったそうです。 私の方から「もっと教えて

コロナ後の世界で

(前頁 ~『僕らに出来る事』) 難聴者さんへのロングインタビュー ~エピローグ~ 長時間に及ぶインタビューで、これまで知らなかった難聴の事をたくさん教えて頂いた。 GenGenさんが最後にくれた言葉が嬉しかった。 今、コロナで皆が忍耐的にマックスになっているようだ。 難聴者は伝わらない事で、初めての場所でイライラされる事もあるという。 マスクでお互いの顔が見えない中、相手に解るようにはどうしたらいいかと考え、「難聴なんですよ」というサイン見せたり、解り合おうとしている。

『僕らに出来る事』 ~難聴者から見た手話歌~

(前頁 ~『もっと出来ること』) ※難聴者さんインタビュー⑧ GenGenさんとは、私が企画広報を行う「BeOne手話歌」の手話監修をして下さった、というご縁で繋がった。私とGenGenさんの間には3人の経由がある。 監修はGenGenさんと、更に手話が堪能な方の協力を得てダブルチェックを行うところまでを担ってくれた。 難聴者、ダンサーなどの人脈に声をかけて下さり、「BeOne手話歌(第1期)」の参加者119名の内、約40名がGenGenさんの人脈だった。 「BeOne」

『人生の選択肢』 ~難聴者の進学・就労と、将来の不安~

(前頁 ~『音楽は「感じる」ことで聴く』) ※難聴者さんインタビュー⑤ 「好きだからダンスは諦めきれない。」幼少の頃からバレエを習い、中学ではバレーボールにに打ち込んだ。 高校の時にEXILEのLIVEに行った。 TVを持たない生活で流行りに疎く、ダンスを職業にしている人がいると初めて知った。「聴こえないけどやりたい」と強く感じた。 偏見もある。「聴こえないのにダンスをやっているの?」「聴こえないのにどうなりたいの?」と言われる事も。「好きだからダンスをしているだけなの

『もっと出来る事』~難聴者の心~

(前頁 ~『夢を追う』) ※難聴者さんインタビュー⑦ インタビューを進めるうちに、GenGenさんが難聴で、そもそも「難聴の事を教えて欲しい」という主旨で取材をお願いした事を忘れてしまうが、不意に「それは難聴者さんにしか解らない心なんだろうな」とリアル (現実) に引き戻されるシーンもあった。 明るい夢や希望を持ったGenGenさんの声が、ふと小さくなる時があるのが気になった。 活動中の、KABA.ちゃんさん率いる「THAT'S WHY!! 」でも「迷惑をかけない事」が

『夢を追う』~難聴者の夢の叶え方~

(前頁~『人生の選択肢』) ※難聴者さんインタビュー⑥ ステージ上から見た景色人生で一番嬉しかったのは、バックダンサーを掴み取った時。 TRFでは味の素スタジアム、w-inds. では東京ドームシティホール、他にもいくつかの実績を持つ。湘南乃風の大阪城ホールでは、家族が見に来てくれて嬉しかった。 ステージ上から見た、観客のペンライトが綺麗だった。 ダンスのきかっけとなったEXILEのLIVEで、観客として見た景色とは違った美しさで忘れられない。 「この景色は、ステージに上

『音楽は「感じる」ことで聴く』 ~難聴者の聴こえ方~

(前頁 ~『イジメもあった』) ※難聴者さんインタビュー④ 難聴者が数人集まって、同じ音楽を聴いたとしても 重低音が聴こえ高音が聴こえない人、その逆の人と聴こえ方はバラバラだという。 声も難聴の程度や種類によって「聴こえる・聴こえない」があり 難聴者同士でも伝わらない事、ぶつかる事があるらしい。 大好きなダンスをする為にダンサーであるGenGenさんに「音楽」は欠かせない。 自分の「ちょっとだけ聴こえる部分」を、何回も聴いて覚える。 聴こえるというより「感じている」のだ

『TVを持たない生活』 ~幼少期と、難聴者の家族~

(前頁 ~『インターホンが聴こえない』) ※難聴者さんインタビュー② GenGenさんの家族は、みんな普通に聴こえる。 そうした環境に揉まれ鍛えられてきたと同時に、ゆっくり話してくれるなど、母のあらゆる協力が有難かった。 厳しくも優しい父の影響も大きかったという。兄姉にも助けられてきた。 TVを持たない生活GenGenさんの家にはTVがなかった。母が、GenGenさんが字幕に頼らず生きていけるよう、家族のコミュニケーションを優先し、TVを持たない生活を選んだ。そのせいで「

『イジメもあった』 ~難聴者としての認識~

(前頁 ~『TVを持たない生活』) ※難聴者さんインタビュー③ GenGenさんは難聴者として、健聴者が体験しないような道を通ってきた。 GenGenさんが、自分が普通とは違うと認識したのは小学生の頃。 周囲は難聴である事を理解してくれていると思っていたが、 宿題の答え合わせが出来ず、友達の答えを見せてもらっていたところ、先生が誤解をして廊下に立たされた事もあった。 「何でこんな勘違いをされるんだろう」と思ったという。 中学生になると「健聴者と難聴者のスレ違い」は更にエ

難聴者さんのリアル

難聴者さんへのロングインタビュー ~プロローグ~難聴で手話を使われ、この「BeOne手話歌」の手話監修をしてくださった GenGenさんに、約3時間にも及ぶ、ロングインタビューを行いました。 インタビューの目的は、難聴者さんや、手話についての理解を深める為。 そこには、こんな思いや背景がありました ・「Be One」という曲自体が「音楽で人が繋がる」事から始まり、この活動をする上で「音楽」の話が避けて通れない事 ・でありながらオリジナル動画には「難聴」、つまり音楽が聴

『インターホンが聴こえない』 ~難聴者の日常生活~

(前頁 ~プロローグ~) ※難聴者さんインタビュー① ■ プロフィール「GenGen」(ゲンゲン) ・フリーダンサー ・27歳 ・W-inds、湘南乃風、TRFなどのバックダンサーの経験あり ・2019年、THAT'S WHY!! 加入  ・2021年パラリンピック閉会式出演(2021追記) ■ GenGenさんの難聴と手話・生まれつき 音感性難聴 原因不明  ・左は全く聴こえない 右に補聴器、全部は聴こえない ・主に口話を利用 手話は「ベラベラ」ではない ・普通学校に通