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2022.08.27 at 大阪 Live House ANIMA / COUNTRY YARD "Alarm Tour"


「2日続けて同じ組み合わせで、異なる場所でライブを見る経験」というのは、極めて稀であると思う。

何故なら、ツアーによっては、対バンが複数いたり、同じ対バンでも移動日を挟むことで連日にならないなど、理由は色々。なので、冒頭で「」で括った経験というのは、ありそうでない事象のひとつ。

自分は、過去に1度だけその経験をしたことがある。
2018年、Ken Yokoyamaの「Songs Of The Living Dead Tour」の仙台、郡山公演がそれにあたる。そしてその時の対バンが、なんとCOUNTRY YARDだったのだ。
チケットを取った時はまだ対バンは発表されてなかったので、今考えると奇跡に近いような出来事。勿論、当時もCOUNTRY YARD大好き人間なので、とにかく嬉しかった(カントリーの物販で毎回北海道来てくださいって当時言ってたの、今考えると恥ずかしい)。

今回この2箇所を見に行くにあたって、当時の記憶がフラッシュバックなったのも、きっと今回の何かの縁なのだろう。

ツアー最終日。大阪でのライブについて記していく。

まず、最初に述べておきたいが、昨日のほうが良かった、とかそういう比較論みたいな話は個人的に好きではない。ライブを行った本人が言うには、本人だし構わないと思う。
結局人間なので、極論何言っても良いんだけども、
それは、ライブに限らず、生モノに同じものなどないのでそもそも比較するものではない。

これは自分に言い聞かせてる所もあるし、読み手にも思っていてほしいかなと思います。

定刻になり、UNMASK aLIVEのメンバーが下手から現れ、スタンバイを始める。
昨日書き忘れたが、ベースアンプには、バキのタペストリー?が、特注かというくらいにジャストサイズにくっついている。そんなリク(Ba)のベースプレイは、動きの静と動の強弱のつけ方が上手いというか、とにかくなまらかっこいいなあと2日間通して感じた。良かった。その上半身はバッキバキだった。

『Focus』で始まったのは、昨日と同じであるが、昨日と若干セトリが変わり、2曲目にして『謳花』を繰り出す。サビで「Woh Oh」とシンガロングできる気持ちよさ、まだ始まったばかりだが、続く『mirage』でもはや客席を掌握しにくるような、その勢いが、会場の温度も確実に上昇させにきている。

コウダイ(Vo)のステージ上を動き続け、拳を突き上げて歌う姿もその堂々たるや。そして、時より見せるバットを振るような仕草がとても印象深い。

続く『Akane』は、ショートチューンながら、曲の展開が目まぐるしい、そんな淡い真赤な恋のうたであった。

「超覚醒して至る Heaven 
 脳波規制捨て犯す Clever
 能書き制して刻む Eleven
 崩壊目前のMillennium」

続く『Tao』の冒頭の韻の踏み方とその言葉の選択に、歌詞を見て改めて痺れてしまった。

「この曲でCOUNTRY YARDに見つけてもらいました。」

今日は冒頭でそう言って始まった『酔夢』は、UNMASK aLIVEの楽曲の中でもどこかダンサブルでまた違った心地よさを感じる。

MCでは、とにかくCOUNTRY YARDへの愛というものがすごい伝わってくる。とにかく、ツアーに誘ってもらえたことへの感謝、対等にステージに立ててることの嬉しさ。

「終わりたくない、忘れられない夏になった」

この一言と、その時のコウダイの表情で、どれだけ濃密なツアーだったか伝わってくる。

『9号線の果てに』の演奏の前には、地元のこと、前のレポでも述べたが、どこに行くにも9号線を通り、それにまつわる話をする。
だが、いきなりの「元カノがカントリー好きでめっちゃ聞いてたよな。」とコウダイとテツヤの過去の突然のカミングアウト。
そのあとの「Orbエグない?」で不覚にも笑ってしまった。
そして、この話は後々しっかりカントリーのメンバーにしっかりイジられたのもあわせて記しておく。

最後に演奏された『Nagisa』は、バンドの万感の思いがこれでもかというくらい、溢れ出る、そんな演奏だった。

「最高に幸せでした。」

UNMASK aLIVEからCOUNTRY YARDにバトンが繋がれていく。


【UNMASK aLIVE】
1 Focus
2 謳花
3 mirage
4 Akane

5 Tao
6 酔夢
7 NAGOMILIA
8 Not Enough!
9 Klesha
10 108

11 9号線の果てに
12 Nagisa


短い転換が終わり、"Alarm Tour"ラストのCOUNTRY YARDのライブが始まる。

1曲目は『Bad』。アルバムの流れで「Passion」からの流れで聞くことが多いので、この曲でライブが始まったのは意外な気もする。

Asanuma(Dr)の痛快なツービートのドラムから、流れるように続くのはアルバム「Quark」の2曲目『Go』。『Bad』も『Go』もどちらもそれぞれが収録されているアルバムの2曲目の曲である。
これは個人的な意見だが、アルバムの2曲目というのは、わりと起爆剤のような役割を果たすような曲が多いように感じる。
この日、この2曲が続いたのは恐らく偶然なのだろうが、もう客席も準備万全なのがその場にいてひしひしと伝わる。

続く『I'll Be With You』では、バンドが会場を完全に掌握したような、そんな光景が自分の周りに広がっていることが感慨深くもある。
コロナ禍で、いつ元通りになるのか、もしかしたらもう戻らないかもしれないし、その答えはまだ誰もわからない。そして、何を起こしても賛否の起こる今のこの世の中で、少なくともこの時間だけは特別な時間であることに違いはない。

客席から「最高!」と声が飛んでくる。

「もうみんな、心の中の声が我慢できなくて出ちゃうんだな。俺らも最高だよ、ありがとう。」

「アンマスクからも俺らはたくさん刺激を受けた。深い話はしてないけれど、(カントリーのメンバーの)目を見ればそれがわかる。」

「馴れ合いじゃなくて、カッコいいから呼んだんだ。」

たった3本だが、UNMASK aLIVEとのこのツアーがどれだけ深いものだったか、SitのMCの言葉からひしひしと伝わってくる。

MCを挟み、『Passion』。
この日も間奏でSitはoasisの「Live Forever」のワンフレーズを口ずさんでいる。
こういう演出だったり、粋な計らいとか、そういう類じゃない、さりげない一瞬にとてもリアリティとセンスを感じ、気持ちが高揚していく。
また、1番のサビ後の叙情的な音のギターソロが個人的にはたまらない。

テンポよく『Alarm』『Let Me Out』と2曲続いて演奏されていく。熊谷での企画"Narrow Valley"でHOLLOW SUNSのボーカルもライブで演奏していくことで、曲が成長していく、と話していた。
"Alarm Tour"が終わり、今後この曲がどの頻度で演奏されるかはわからないけれども、きっと更にGrowing upして良くなっていくのは違いないであろう。

『Let Me Out』からの間を開けず『In Your Room』。

「Woah, You gotta speak up for yourself」

「Woah oh oh oh oh!」

自らのために声をあげるんだ、という言葉に対し、いやがおうにもレスポンスを返す、このサビのやり取りは、この曲がCOUNTRY YARDのアンセムである確かな証拠。

「10月5日に5枚目のアルバムが出ます。良かったら、いや、絶対聞いてください。」

あえて言い直したことで、より絶対的になったSitの言葉のあとに放たれたのは、来たるニューアルバム「Anywhere, Everywhere」から『River』。
わずか数分のその時間が来たるアルバムへの楽しみをより煽ってくる。たまらない。

(yuki)「なんでアンマスクとツアーやるのって聞かれることがあるんだけど、ほんとかっこいい、それだけなんだよ。まさか昔から聞いてくれてるなんて思ってなかったし、元カノと聞いてたとは…」

と、先程も記したアンマスクのコウダイのMCに触れると、すかさず、

(Sit)「お前ら、良い彼女持ってんな(笑)」

と良い意味でいじる関係性は、本当にこのツアーが良かったからかもしれない。

UNMASK aLIVEから刺激をもらったこと、堂々とステージに立ててること、バンドをしっかり続けていく決意のあとに、演奏された『Alternative Hearts』『Orb』がとても力強かった。良い意味でえぐかった。

特に『Alternative Hearts』は一緒にやってきたUNMASK aLIVEに向けて鳴らされているように聴こえていたし、UNMASK aLIVEのテツヤ(Gt)がステージ下手奥で、感慨深そうにこの曲の演奏を見ていた姿がとても印象的だった。

続けて演奏された『Smiles For Miles』。どこか前進していくことの意味を教えてくれる。出だしでAsanumaがバスドラを踏みながら頭上でスティックを煽るかのように叩き、一体感が生まれ、からのサビまでのスピード感がとても心地良い。

「The Roots Evoleved」のラストナンバー、『I Don't Want To Stay Here』はどこか切ない。個人的に、自分はoasisも好きで、この曲のギターソロはどこかoasisを彷彿とさせるようなフレーズで、また照明とマッチしていて聴き入るというよりかは見入ってしまう。

曲が終わり、Hayato(Gt)が弾き始めたのは、あの聴き慣れたメロディー。

「Time passed by....」

『Always Be Here』。この瞬間、何もかもが報われる、そう思えてしまうほどに、少なくとも自分にはそう思えた瞬間だった。自分にとってそう思える時間というのは、本当に一瞬なのだ。

正直な話をすると、サブスクで音楽を聴くことが自分の中で主流になるまで、あまり歌詞など見る機会は少なかった。どちらかというと、メロディーとかそっちの方を好きで聴くような。これは、男性女性の音楽の聴き方の違いとしてもひとつあると思っている。

サビ前の部分、

「delight, anger, sorrow, and all the pleasure」

恐らく、喜怒哀楽のことを言っているであろう部分、emotionという単語がありつつも、こう気持ちひとつひとつ言葉を並べることで、どこかより伝わるように感じ、この歌詞最高だなあと思った。

「ラスト、『Tonight』! 」

イントロでも最後でも途中でも鳴るHayatoのギターリフがただただかっこいい。単純にギターの鳴りが良くて、曲の良さに直結している。

本編が終わり、程なくして、メンバーがステージに戻ってきてくれる。

アンコールでやった『Don't Worry, We Can Recover』『Starry Night』の盛り上がりは、もはや述べる必要もないだろう。

その後、まだアンコールを求める声が止まなかったことが、いかにライブが素晴らしいものだったかを物語っていたと思う。

マジで、COUNTRY YARDは自分の中にAlways Be Hereなのだと、改めて思えた最高の夜だった。


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COUNTRY YARD "Alarm Tour"
2022.08.27 大阪 Live House ANIMA
guest : UNMASK aLIVE

1 Bad
2 Go  
3 I'll Be With You

4 Passion
5 Alarm
6 Let Me Out
7 In Your Room
8 River 

9 Alternative Hearts
10 Orb
11 Smiles For Miles

12 I Don't Want To Stay Here
13 Always Be Here
14 Tonight

Encore
15 Don't Worry, We Can Recover
16 Starry Night

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