看護師の東大SPH受験体験記(その2)

ベンゼンです。前回記事の続きになります。よろしくお願いします。


【大まかな受験勉強の流れ】 


2019年3月:統計学演習の例題を1周、統計学の基礎を叩き込む

2019年4~6月:過去問2周終了を目標に取り組む(英語は9年分、公衆衛生学一般と統計学は5年分)

2019年7〜8月:過去問3周目終了を目標に取り組む、専門科目の過去問に取り掛かる(各専門科目は2周目標) 

試験1週間前:小論文の原稿作成、2019年度過去問を直前模試代わりに時間測って解く

仕事がある日は仕事終わってから2~3時間程度、休日は5時間以上を目標にして勉強していました。休みは勉強ばかりする、というよりは予定がある日は思い切って遊ぶ!それ以外は頑張るといったメリハリをつけるように心がけました。

【各教科別勉強方法】


●英語
・過去問やLancetの社説などを読み、さっと読んで文意がつかめるようにしておく。パラグラフごとに大体テーマがなんなのか掴めるように
・わからなかった単語は精読時にWeblioのアプリを使いながら調べてエピソード記憶で覚えていく。単語帳を作ってそこにひたすらぶち込むのもいいと思います。
・抽象的なテーマの文章(臨床研究の倫理的問題点などに関する文章など)がことごとく苦手だったので、苦手な文章はとにかく精読して構文を掴むことを心がけました。とはいっても、量をそれなりにこなしてくると段々と読むことには慣れてくるので、やはり演習量を確保することが大切なように思います。

●公衆衛生学一般、専門科目
・分野が多岐に渡るので、とにかく過去問演習をして類似問題は取りこぼしのないようにすることが大切。過去問を黙々と解き続けることが一番の近道だと思った。
・公衆衛生がみえるなどのテキストは、使用すれば背景の理解は深まるがそれをメインにすると途方も無い量になるのでおすすめしない。あくまで参考書としての使用にとどめておくべき。個人的に時事問題などは厚生労働省の白書系が参考になった。

●統計学
・私のように統計に触れたことのないところからスタートする方はとにかく慣れるまでは統計学演習のみで十分。
・統計学演習の例題をひとしきり解いて、おおまかに概念がつかめてきたら過去問演習へ。そして過去問では分野がランダムに出てくるので、どういう問題にどういう解法を用いるのか問題演習しながら、適宜公式などを復習していった。

●小論文
自分の主張したいこと、SPHに入ってやりたい研究や達成したいアウトカムについてまずはのびのびと書き上げた。幸い大学の同期と一緒に受験したため、見せ合いっこして文章に筋は通っているか、論理的に破綻していないかなどチェックしあった。あと高校時代の恩師にもメールで添削を依頼した。

【実際の試験の感想】(試験の点数/満点)


●英語 (122/180)
時間配分はうまくいったのと、自分的にとっつきやすいテーマだったので時間は20分ほど余った。

●公衆衛生学一般(24/40)、統計学(17/20)
時間配分を大幅にミスってしまい、統計学後半の問題4問程度がかなり駆け足になってしまって後悔。

●専門科目 (46.5/80)
疫学、予防医学、精神保健、健康教育の4つを選択。
予防医学の年齢調整死亡率の手計算にかなり時間を費やしてしまい、精神保健・健康教育は残り時間で書きなぐった。

●小論文 (22/40)
1600文字くらいの文章を60分間でひたすら書き続けて時間ぎりぎりで終了。長時間の試験だったのと、ほぼほぼ燃え尽きていたので最後何書いたのか覚えてません。。

●二次の面接
・職務経歴
・志望理由、(志望理由を掘り下げて)具体的にどのような研究をしたいと思っているのか
・病院での医療以外に興味関心のあることはあるか
・なぜ看護系大学院ではなく東大SPHなのか
・今後の進路
圧迫面接ではなく、しっかり受験生の意見を聞いてくれたのでとても充実感のある面接でした。


以上が私の受験体験記になります。仕事しながら受験勉強をするのは大変なこともあったけれど、何よりもすごく充実していたな、やってよかったな。と振り返って思います。新しいこと・知らないことを学ぶのはこんなに楽しいことなんだ!と再認識することができました。

そして最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
これから東大SPHを目指す方(特に受けようと考えている看護師のみなさん)にとって少しでもお役に立てたら幸いです。


ベンゼン


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