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#23. 知財業界での夢と希望

 7月1日は弁理士の日ということで、ドクガク先生の企画に滑り込みたいと思います。

1.知財業界に来る前の夢

 幼いころからの夢から書き出すと弁理士の日が終わってしまいそうな時間なので、メーカーの研究部門に配属されて以降の夢から紹介します。

 私の開発者(研究者)時代の夢は、「自分の開発した成果が世の中の製品に使われること」でした。メーカーの人間がこういうことを社内で言うと「事業部で仕事したいってことね?」と言われるのですが、そうじゃないんです。研究部門で開発した成果を製品に適用させたかったのです。製品のための設計じゃなくて、シーズからニーズを見つけ製品に成果を載せたかったのです。(その後シーズ思考のデメリットに気付きましたが)

 私は配属されて4か月で最初の研究テーマが終了しました。その後の2つめのテーマは上手く続き、結局、研究部門を辞めて知財部門に行くまでの11年間を同じテーマに携わりました。製品のキーパーツに関し、大学との共同研究から始まり、最後は製品まで持っていくことができました。テーマの立ち上げから参加し、事業部との連携、該部製造先での量産検討、社内の工場部門とのやり取り、コスト計算と、一通りのフローを経験しました。研究部門に所属しながらこんな経験ができたことはラッキーなことで、社内でも百人はいないのではないかと思います。つまり知財業界に来る前の夢は達成して知財業界に来たわけです。


2.夢/目標を模索する日々

 さて、弁理士試験合格から3年が経過し、知財業界も5年目となりましたが、知財業界に来てからなかなか"夢"ということを考える時間・余裕がなかったと思います。

「明細書を一人で書けるようになりたい」

「発明発掘のスキルを上げたい」

「重要件の権利化を担当してみたい」

「他社が実施する発明を権利化したい」

「自社の発明を他社が実施していることを証明したい」

とメーカーの特許技術者として必要なスキルを伸ばすという現実的な目先のやりたいことは考えてはいました。

 また、今の会社に縁があって入社したわけですから、入社した時のミッションである

「研究部門の成果を世の中に製品に使わせること」

に対して、知財の立場として貢献するということも、やらなくてはいけないと考えてはいました。

 が、年上の人とはスキルレベルが違うし、年下の人間を指導する立場も求められるし、なかなか身近に目標とするような人がいなかったことも原因かもしれませんし、単に自分が年を取ってきていろんなことに対し諦めを感じるようになっただけかもしれませんし、日々の期限ものの仕事をこなすのが目いっぱいだったのかもしれませんが、ブレイクダウンされた具体的な目標というのは全然見つからない間に、ドクガク先生のこの告知を見てしまったわけです。。

3.メーカ知財としての知財業界での夢

 先月40歳になりましたが、今の会社で知財としてキャリアを終えるのか?開発に企画として戻るのか?他社で知財として働くのか?弁理士として特許事務所で働くのか?と自分にはまだまだ様々なキャリアプランを選ぶ選択肢が残っていると思っています。

 そこで、まずは現在の会社で知財としての目標を今日作ってみました。それは

「自分が権利化した特許で会社に直接的な利益を与えること」

です。

 もっと平たく言うと

「自分が権利化した特許で他の会社から金をとってくること」

になります。

 さらには、この自分が権利化した特許は自分が出願原稿を内製したものにしたいし、さらにはこの特許の発明者に自分の名前を載せたいと思っています。

 なので、まとめると

「自分が発明者の特許を、自分が内製で出願原稿を作成し、その特許を自分で権利化して、その権利化した特許でライセンス料を得る(orその特許を他社に買ってもらう)」

ということが現在の私の知財業界での夢/目標になります。

 実は私はH01Lあたりで、研究者時代に結構発明をしていました。特許がもともと好きだったんですね。さきほどプラットパットで自分の名前と社名を入れると69件引っかかっていました。社内でもらった特許報奨金も100万円を超えています。知財に来てからは"発明者は引退した"と公言しており、これまでも着想の具体化に際し、ヒントを与えたり助言はしていましたが、着想はしてないというスタンスを取っていました。

 しかし、知財にきて5年目となり、自分がプロパー知財に対して優れてる能力を考えると、一番は開発能力なわけです。だからリエゾン専門の人に負けないくらい着想の技術はあると思っています。そこの強みを生かして自分が発明するくらいの気概で仕事をしないと、ただ期限ものの処理や管理に追われるだけで定年を迎えそうな気がしています。

 また研究者時代の発明は自社実施形態の保護を目的としたものとその周辺のものばかりでした。研究してた内容は自社のキーパーツに関わるものでしたが、他社はそのパーツではなく別手段を使っていました。だから自分の発明は他社が使うような発明ではありませんでした。

 知財に来てから学んだのは、いわゆるマリオカートのバナナのような特許を出願する面白さです。特許はまずは権利化してなんぼ。権利化したんだったら権利行使しないと、抑止力程度にしかならないですよね。

 だから自分の発明した特許を是非とも他社さんに踏んでもらいたいと思います。なので、今日掲げた夢/目標を心に刻んで明日からまた業務に精進したいと思います。

 ドクガク先生にはこのようなことを考える機会を与えていただき、心より感謝しております。

4.雑談

 ところでドクガク先生のリンクを貼りに行こうと、グーグル検索したときに別のページが引っ掛かりました。

 このページもドクガク先生のページだったんですね。驚きです。私が開発時代に弁理士の資格の勉強を始めようとしたときに何回も読んだホームページでした。これを読んで試験の難しさを知ることができたし、自分も頑張れば弁理士になれるんじゃないか?とか考えていました。まさか勉強のきっかけを与えてくれた人とSNSでお近づきになれる日が来るとは思っていませんでした。世の中狭いものですね~。




記事を読んでいただきありがとうございました。 支援をいただければ、また新しい記事を書くモチベーションに繋がります。よろしくお願いします。