べにー

24歳OL。短編小説執筆中の小説家志望。 社会に適応せず、自分らしく生きています🌷 本…

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24歳OL。短編小説執筆中の小説家志望。 社会に適応せず、自分らしく生きています🌷 本や絵画、舞台などの感想も。

最近の記事

図書館司書に救われた話

ちょっといい話、図書館にまつわる思い出話。ふとおもいだして書いてます。暇なとき読んでくださると嬉しいです。 ちっちゃい頃から図書館は大好きで、静謐な空間で司書さんが本を扱うゆったりとした手つきを飽きずに眺めていたものですが、高校卒業とともに上京し、地元の図書館には行かなくなってしまいました。 やがて就職し、休職し、地元でゆっくりする時間ができたとき。時間をもてあまし久しぶりに図書館へ行ってみたら、あの頃と変わらない図書館がそこにあって、見覚えのある司書さんがいて、まるで幼

    • 図書館司書の憂鬱《司書として食べていけるのか問題》

           こんにちは。私はいま公共図書館の司書として働いています。  「司書ってなんだかカッコイイ」「本に囲まれて働けてたのしそう」など、人からはプラスのイメージをもってもらうことが多いです。実際私は本が好きでこの界隈に飛び込んだので、仕事をする上でのモチベーションは常に高い状態を保つことができています。  なにより、お金を扱わないというだけでこんなにも人の態度が違うものか…と。飲食店での接客経験があるため、比較したときに対お客さんへの精神的ダメージは圧倒的に少ないで

      • 【カフェ☕️】墨田区を散策する

        仕事で墨田区に出向いた際、久しぶりにスカイツリーと顔を合わせました。 いつもはぽつんと立っているスカイツリーを遠くから眺めては、孤独な巨人だなぁなどと勝手に擬人化していたけど、こうして近くで見るとあまりの巨大さに人に例えるなんてできない。ただただでかい。 土曜のすみだは観光客で賑わいをみせており、ソラマチは人・人・人の大混雑。HSPの私は数分で疲弊し、どこかに落ち着けるオシャカフェはないかと彷徨いました。 コーヒーの香りに誘われて入ったのは、スカイツリーの麓にひっそり佇

        • 【短編小説】わたしをみて

           あなたと同じ景色をみてきたわたしを、あなたは簡単に捨てる。  耳のあたりが欠けてしまった、そのせいなのかしら?それとも、毛並みがすっかりしなびているから?まさか目元の刺繍がほどけてしまったからなの?  いいえ、わたしにはわかってる。すべてわかっているわ。  だいたい2年前くらい、街を行くたくさんの人がわたしと同じわたしたちを身につけていた。わたしたちは人々の好きなところ、だいたいカバンの取っ手の部分やチャックの部分にしっかりと固定されて、ぽんぽんと弾んでいた。とっても

        図書館司書に救われた話

          レッドベルベッドケーキ🌹

          職場のある駅前におしゃカフェがあるというので、このまえ偵察に行ってきました。 寂れた飲み屋だらけの高架下をずんずん歩くと、ふいに開放的なガラス張りのお店を発見。外から店内をじっとのぞけば、ガラスケースの中にはすてきなケーキたちが… 店内の席は空いていましたが、閉店時間が迫っていたためテイクアウトすることに。なににしようか迷いまくる… でっぷりしたマフィンも魅力的だし、端正な四角のシフォンケーキもすてき。でも大本命はやっぱり、クリーム入りのケーキでしょう。 ということで

          レッドベルベッドケーキ🌹

          【短編小説】紅茶

           仕事終わり、会いたいと言われていつもの新宿にある喫茶店に行った。彼女はすでに座っており、目の前に置かれたティーカップの紅茶は冷え切っていた。私はレジの店員に同じ紅茶を頼み、彼女の前に腰を下ろした。 「昨日、別れた」  彼女はつぶやくように言った。 「そう。早かったね」  そう言うと、彼女はようやく私に目を合わせた。まぶたが赤く腫れている。 「ちがう、今回はちゃんと本気だったの。ほんとに好きだったの」 「そう。じゃあ今、辛いね」 彼女の目にみるみる涙がたまる。 「うん、ほん

          【短編小説】紅茶

          【短編小説】ピンクのTシャツ

           僕はね、小さい頃からピンクが好きだったの。  母は青い服や黒いズボンを履かせたがったし、周りの友達はみんなそういう色をした服ばかり着ていたけれど、僕は女の子が着ているもの、たとえばピンクのワンピースや、花柄がプリントされたスカートをじっと見つめては、「あれがいい」と強く思っていた。  小学生になった僕を、母はボーイスカウトに入れた。「たくましい男の子になりなさい」と母は言った。活動は楽しかったけど、チームワークの訓練として行う市内探検は嫌いだった。グループ行動で僕は必ず

          【短編小説】ピンクのTシャツ

          【短編小説】俺、やっぱ海に帰るよ

          「俺、やっぱ海に帰るよ」  息子が突然そう言ったとき、これは只事じゃないと思った。  いつものように学校から帰ってきた息子が私に向かってそう言ったのだ。唐突に。なんの脈絡もなく。 「一体どうしたの」  幼い頃の息子は漫画やアニメに触発されやすく、しょっちゅう自分ではない何者かになり切ろうとしていた。あの頃なら、またいつもの冗談だろうと受け流したかもしれない。  けれど息子はもう幼い子供じゃない。ガールフレンドまで立派に作った男子高校生だ。私はガスコンロの火を消して息

          【短編小説】俺、やっぱ海に帰るよ

          【短編小説】薔薇園にて

           かつて、薔薇の花びらを宮殿に埋め尽くし、そこでくつろぐ食客たちを窒息死させた皇帝がいた。暇な暴君がいたものだ。人を窒息させるほどの花びらを用意するために、いったい何本の薔薇がその花びらをむしり取られたのだろう。  花びらに埋もれ溺れゆく人々の様子は絵画として残されている。耽美さえ感じられるような絵画だが、そこには確かな狂気がにじむ。  この愚かな皇帝の逸話を、私は憎んでいる。   毎年5月の末になると、私は妻と一緒に薔薇園を訪れることにしている。妻は薔薇の香りを好むので

          【短編小説】薔薇園にて

          【短編小説】運試し

          毎週金曜、僕の家にくる彼女。付き合ってもう3年になる。とある金曜日、いつものようにやって来た彼女の様子が、ちょっとおかしい… 「人生には運がつきものだと思うの」   彼女が言った。 「生まれてきてから死ぬまで、私たちは運によって人生を歩かされていると言っても過言ではないわ」   彼女は僕の家にいて、チューハイをすでに2缶空にしていた。 「生まれる時、男の子なのか女の子なのか。親はどんな人か。学校の先生は誰か。どんな友達と出会うか。どうやって進路選択をするか、職業選択

          【短編小説】運試し

          【短編小説】平日午後のマクドナルド

           平日午後のマクドナルドに、人生を生き急いでいる人はいない。  時間帯からしてセットメニューをがっつり食べる人もいない。ドリンク1つとポテトsサイズ、それらのサイドメニューをちびちび食べるなどして、みな気楽に過ごしている。パート帰りの主婦たちは夕飯のおかずについて話し、年金暮らしの老人はひたむきに文庫本を読み、学校帰りの女子高生はマックフルーリーを食べながらスマホをいじる。  僕は気楽な彼らとは違う。ホットコーヒーsサイズを注文した僕は、電子マネーで支払いをスマートに済ま

          【短編小説】平日午後のマクドナルド

          休職して気づいたこと3選【休んでよかった】

          こんにちは。適応障害で休職の後、退職した24歳女です。 今回は、休職してよかったことについて書きます。 (ちなみに現在、国民年金や健保、失業給付などの手続きに追われております。ほんとに社会人って、辞めてもやること色々あるわね…) 休職というとどうしてもマイナスイメージが先行することもありますが、私個人としては休職してよかったと思っています🌸 理由は、これら3つの気づきを得たことにあります。 ①周りの評価は気にしなくていい ②自分へのハードルは低くていい ③心の調子が悪

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          適応障害で休職中の女の日常⑥~復職のすえ退職を決意した~

          こんにちは。適応障害で休職中の24歳女です。 この自己紹介ができるのもあと数日を残すのみ。なぜならタイトルにもある通り、私はついに退職するからです。 損得勘定、一切なし。自分の心に正直になったとき、退職が「自分にとって一番いい」道だと思いました。 「自分にとっていい」というのは、どういう状態でしょうか。私の場合は、自分の性格や得意なこと、苦手なこと、どうやって生きていきたいか…そういうことを大切にした状態です。世間体だとか、人様によく思われたいとかいう欲求は一切省いた状

          適応障害で休職中の女の日常⑥~復職のすえ退職を決意した~

          適応障害で休職中の女の日常⑤~女ひとり沖縄旅【後編】~

          こんにちは。適応障害で休職中の24歳女です。 今回の記事では、休職中に沖縄ひとり旅に出た時の2・3日目について書きます。 沖縄女ひとり旅、2日目は日帰りのバスツアーに参加しました。 ツアーのスケジュールは下記のとおりです。 ①万座ビーチホテル・サブマリンJr.2 ②海洋博公園 沖縄美ら海水族館 ③美浜アメリカンビレッジ  ①万座ビーチホテル・サブマリンJr.2 は、ホテルの前に広がる海の中を、潜水艦で探検できるところです。 この日、お天気は快晴!ぴかぴかお天道様のも

          適応障害で休職中の女の日常⑤~女ひとり沖縄旅【後編】~

          適応障害で休職中の女の日常④~女ひとり沖縄旅【前編】~

          こんにちは。適応障害で休職中の24歳女です。 今回の記事では、休職中にふと思い立ち、女ひとり沖縄旅にでたときのことを書いてみます。 仕事を休職し、仕事・将来について思い悩んだ私は、何を思ったか一人で旅に出る決意をします。 行先はそう、地上の楽園・沖縄!! 人生で初めての沖縄、しかも女ひとり旅。大学時代ですら一人でどこか遠くへ行こうとは思わなかったので、24歳にして初めての挑戦でした。 不安よりも、「とにかく綺麗な海みたい!!」という思いが強かったです。なんかこう、毎日

          適応障害で休職中の女の日常④~女ひとり沖縄旅【前編】~

          適応障害で休職中の女の日常③~休職の日常~

          こんにちは。適応障害で休職中の24歳女です。 前回の記事では、適応障害に至った経緯を書きました。今回は休職してからの日常について、ザックリ書いていこうと思います。 休職の日常を簡単に言い現わすとこうなります。 「自己嫌悪との闘い」 重いですね。しかし仕方がありません。メンタルで休職とはこういうことではないでしょうか。 前提として、基本筆者は真面目な性格でして、「努力がいちばん!」「我慢は美徳!」みたいな価値観をもっています。頑張ってる自分が一番かっこいい! だから残

          適応障害で休職中の女の日常③~休職の日常~