弁護士資格認定制度は勧めない
石井逸郎弁護士が司法試験合格後司法修習に行かずに企業の法務部などで働いて弁護士資格を取得する制度を勧めています。
しかし、そのような誘いに乗らない方がいいと思います。
まず、法科大学院と司法研修所では教員の質が違いすぎます。また、実務修習中は、裁判官や検察官と交流できるだけでなく、裁判所書記官や検察事務官等とも交流する機会があります。そして、実際の事件を題材に、彼らの施行法を間近で垣間見ることができます。そのような機会は、司法修習を逃すと、もう二度とありません。
また、弁護士資格認定制度を利用してなれるのは弁護士だけであり、裁判官になることも検察官になることもできません。
貧困家庭に育ったにもかかわらず優秀な頭脳を持った若者を排除する法科大学院制度への一本化を主張する石井弁護士が、現行制度下でもなお司法試験に合格できた貧困層育ちになぜ司法修習に行かないことを勧めるのかはよく理解できません。ただ、多様性を重視するという考え方に立脚した場合、貧困家庭に育った人でもなお裁判官になれる社会の方が好ましいのだろうなとは思います。