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Slackでヘルパーさんやケアマネージャー、看護師と情報共有。利用者様の訪問状況を簡単確認

お客様からの問い合わせ内容

訪問介護事業者様から、利用者50名に対するヘルパー30名との情報共有を円滑に行いたいとのご要望でした。
低コストでの導入をご希望だったため、無料での利用が可能な範囲でSlackを使ったコミュニケーションを提案しました。

Slackでチームワークをスムーズに

訪問介護Slack

起こっていた問題
問題点1:申し送り、引継ぎが大変

起床介助から就寝介助まで、時間帯ごとに複数人の担当者が訪問する場合があり、電話や携帯電話のメールで1対1の情報共有しか出来ていなかった。また、管理者を介してしかヘルパーさんに情報が届きにくいという課題があった。さらに、日ごとに他事業所のヘルパーさんが対応することもあり、利用者様の状況を日々継続して共有する仕組みが無いため、問題の把握が遅れたり、行ってみて初めて状況が分かる、といった心づもりや準備がどうしれても出来ないという実情があった。

問題点2:長時間労働への対応

管理者は各ヘルパーからの報告や相談が電話で来るため、休みでも休みが無いような状況だった。管理者やヘルパーさんが長時間拘束されていることが目に見えておらず、サービス残業や隠れ長時間勤務の温床になっていた。


これらのお客様からの情報を元に、私が提案したコミュニケーションツール導入

訪問介護Slackフェーズ

(1).無料のSlackアカウントを作成して、管理者のPCやiPad、各人のスマホに設定

Slack のフリープランは無期限で使うことができ、招待できるメンバー数の上限もありません。ただし、参照できるメッセージ数は直近の1万メッセージまで、ファイル保存は5GBまでという制限はありますが、とりあえず使ってみようという場合に無料で始められることは大きなメリットです。(チャットワークにも無料プランはありますが、グループチャットが14グループまでのため、利用者さんがそれ以上の場合は有料プランしか選択肢がない)


(2).ワークスペースとチャンネルを設定

Slackでは、ワークスペースとチャンネルという階層を設定することが出来ます。分かりやすく表現すると、ワークスペースは一つの大きな建物で、チャンネルはその建物の中の部屋ということになります。第一フェーズとして、まずは事業所内の全ヘルパー、管理者向けに、社内専用ワークスペースを作成し、伝達事項を発信する場所を作りました。そちらの運用に慣れた後の第二フェーズとして、利用者様名のワークスペースと、各ジャンルごとにチャンネルを設定しました。チャンネルの例としては、報告および引継ぎ、●月〇日にあった要望、外出計画、訪問スケジュール共有、などとなります。


(3).ケアマネージャーや他所のヘルパーさんにもメンバーに入って頂き、利用者様の状況をみんなで共有

Slackのアカウントを持っていれば、事業所外の方でもワークスペースに参加することが可能になります。Slack導入の趣旨を関係者に説明する案内文書を作り、賛同いただけた関係者のスマホやPC、タブレット端末にSlackをインストールして、利用者様の介護に関わるメンバーで情報共有を行いました。


導入の結果

管理者と担当者間で迅速かつ簡潔な情報共有を行う、ということでしたが、使い慣れたLINEのような操作性で報告と共有を行うことが出来るようになったため、管理者が伝言係になることなく、状況や課題が見える化できるようになりました。報告と同時にその場で写真をアップロードすることも可能なため、口頭や文章で伝えにくかったことも写真や動画を使って伝達することが可能になりました。
また、電話にかけていた時間やお互いの拘束時間が減り、隙間時間を活用した連絡や返信が可能になりました。
報告のメールを作成するためだけに事務所に戻る必要もなくなり、長時間拘束を徐々に軽減できるようになりました。

利用契約や支払いなどの複雑な手続きが不要かつスマホやタブレットさえあれば設備投資の必要もないため、ツール導入のハードルが低く、利用者を選びません。今回のような訪問介護事業者だけでなく、施設型やデイサービスなどでの情報共有にもおすすめです。
ただし、初期アカウント発行やチャンネルの設定など、運用を考慮した初期設定は必要ですので、そのあたりはお客様と相談の上でこちらで組み立てを行います。

お客様の声

無料ではありますが初めて使うため、最初は「みんなが使ってくれなかったらどうしよう」と不安に思っておりましたが、意外にも好意的に受け入れられたため、スムーズに導入することが出来ました。電話だけで報告を受けていた頃は言った言わないや記憶記録の問題がたまに発生していましたが、今はメッセージで送られてこれば自然と共有と記録になるため、忘れたり聞き直したりする必要が無くなるため安心できます。そうはいっても緊急事態では電話することも必要になってくるので、状況に応じた使い分けは必要だと思っています。

最後に

この記事を読んだITエンジニアの方は既に感じているかと思いますが、SlackのSlackたる機能は全く活用していません(笑)GitHubとの連携とかのAPI連携はノータッチです。でも、こういったエンジニア寄りのツールでも、使い方次第でいろんな活用が出来るものだなぁと実感した次第です。これからも便利なITをより日常でご活用いただき、多くの方の課題解決や幸福に繋がるような仕事を行っていきたいと思います。

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