「やりたいこと」≠「稼げること」/ママ起業リアル小咄⑦
久々に「生徒さんのために集中する」という感覚を味わった。
いや、いつも生徒さんには真摯に向き合っているつもりだし、レッスンには全神経全集中で臨んでいるのだけど。
1人1人のレッスンがどうのこうの言うより、自分のやっていること全てに「金、金、どうやったらもっと稼げるか」ということが先行してしまい、疲れる割に稼げてないなとか、そんなことばかり考えるようになってしまった。
そしたら仕事も色褪せて見えるようになってしまった。
なんかうまく言葉にできないけれど、とにかくこういう感覚は久しぶりだった。
私がやっている「音楽」というジャンルは、生きるか死ぬかというレベルでは必要のないものだし、よくビジネスで言われる人間の根幹にある欲求からも外れている。
だから、お金になりにくいのは当然と言えば当然。
だけど、私のしていることは、確かに誰かを楽しく幸せにしている。
それはお金には換算できない価値なのだけれど、音楽を「仕事」としてやるんだと決めたからには、収入を得なければならない。
闇雲にレッスン代を上げれば良いという話でもない。
自分が、何のためにこれを仕事にしたのか。
「稼ぐ」がメインだったら、もっと効率の良い、もっと稼げる仕事は他にある。
昔、よく言われた。
というか、音楽を学ぶ者の暗黙のルールみたいなのがあって、それは、
「音楽で稼いではいけない」
「音楽で儲けてはいけない」
「音楽を金にしてはいけない」
ということ。
多分外国ではそんなことない。
日本で音大に行くような人は、昔は良家のご子息ご令嬢だっただろうから、
「この美しい芸術を金で考えるなんて下衆」
という考え方があったのかもしれない。
でも、現代において、そんな綺麗事は言っていられない。
だって仕事だもの。
そういうお金持ち思想の人は、そもそも職業音楽家にならなければいいんだもの。
と、なんだか矛盾したことを書いているけれど、「金、金」と、お金にばかり集中すると、中身が色褪せて見えてくる。
でも、対価としてのお金をいただかなければ、仕事として成り立たない。
どこでバランスを取るか、なのだ。
腑に落ちないままやっているから、迷う。
ここでもやっぱり優先順位をつけることが大事になってきて、今私は子どものことを最優先に考えているのだから、それ以外はうまくいかなくても自分を許してあげなきゃいけない。
でも、許せないんだ、自分が。
ここは深掘りすれば、もっと何かが出てきそう。
1人起業はホント、自分と向き合うことから逃れられない、と感じる。
自分に嘘をついて誤魔化していると、しばらくはもつけれど、いつか必ずどこかで苦しくなる。
やりたいこと、の前に、本当はやりたくないことを手離さないと、いつまでもやりたいことは見えてこないのかもしれない。
「本当はやりたくないこと」を自分で認めるのは、なかなか苦しかったりする。
あれ?私、これをやりたいと思って生きてきたはずなのに、これじゃなかったのか?
あれ?あれ?じゃあ何やったらいいの私?
みたいになるのは怖い。
怖いなー。
最近noteをフォローした方が書いていたけれど、「やりたいことは置いといて、自分が人のために何ができるか」という目線は、確かに必要かもしれない。
確かに、需要のないところに仕事は生まれないもんね。
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