恋する鯉
鯉の餌やりをウィンウィンだと思う人はいない
でも、みんな自分が餌を与えられている鯉であることに気づかない
なぜなら気づいてしまったらどれだけ抜け出してもずっと鯉だから
みんな目を背けて自分の場所に妥協する
人間は鯉ではないから、池から抜け出すチャンスがあるというのに
ただ、鯉だから悪いというわけでもない
餌やりが面倒になってしまう人もいれば、自分の好きな餌を与えてくれる人を見つけた人もいるだろう
恋する人はみんな鯉だろう
対等で健全な恋など存在しない
来いと呼ばれた鯉は濃い味の餌に夢中で
それ以外の幸せに気づかない
僕はそれを池の端から見ている小石でいい
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